猫の耳毛はどのような役割がある?耳毛を持つ猫種もご紹介

猫の耳を見ると、たくさんの耳毛が生えていることがわかります。
ちなみに、猫の耳の中の毛は「タフト」、耳の上に生えている毛は「リンクスティップ」と呼ばれています。
この記事では、猫の耳毛の役割や、リンクスティップを持つ猫種について見ていきましょう。 2023年09月12日作成

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猫の耳毛の役割とは?

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まずは、猫の耳毛の役割をご説明します。
当然ながら、人間の鼻毛などと同様に、猫の耳毛にもいくつかの役割があるのです。

ゴミや異物が入るのを防ぐ

猫の耳毛は、ゴミやホコリなどの異物が入るのを防ぐ役割があります。
人間にも多少の耳毛は生えていますが、猫にとって耳は人間の耳毛よりも重要な器官であり、人間以上に耳毛が生えています。
なぜなら、猫は人間よりも目が悪いため、聴力で獲物を見つけたりや外敵から身を隠したりしなければならないからです。
ちなみに、猫によっては耳毛がほとんど生えていないこともあります。
耳毛の量は個体差によるものが大きく、耳毛が少ない猫はゴミやホコリなどの異物が入り込まないように、日頃から部屋の掃除をきちんと行う必要があるでしょう。

自分の顔を大きく見せる

猫の耳の上に生えている被毛「リンクスティップ」は、自分の顔を大きく見せる役割があります。
これは、猫が縄張り争いをする際に重要です。
メインクーンなどの立派なリンクスティップを持つ猫種は、相手にとって「なんか大きくて強そうだぞ」と感じさせるには十分でしょう。

獲物を見つけやすくする

リンクスティップは、狩りをする時にも役立つといわれています。
猫が狩りをする時は、何よりも獲物に気が付かれる前に見つけるという点が重要です。
また、外敵であっても相手に気が付かれる前に見つけることができれば、いち早く逃げたり身を隠したりすることができます。
もともと聴覚が優れている猫ですが、リンクスティップが生えていることによって、周囲の音や空気の変化を、より敏感に感じ取ることができると考えられています。

猫の耳毛を処理する際の注意点

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猫種によっては、耳毛を切ったり整えたりしなければいけません。
次に、猫の耳毛を処理する際の注意点を解説します。

猫の耳毛は処理しないで良い

基本的には、猫の耳毛を処理する必要はありません。
猫のヒゲのように、切ったら身体に悪影響を及ぼすという心配はありませんが、猫の耳は犬のように蒸れたり汚れたりすることは少ないため、あえて耳毛を処理するという選択はしないで良いでしょう。
また、飾り毛であるリンクスティップもわざわざ処理をすることはなく、そのままにしておいて問題ありません。

垂れ耳の猫は耳毛の処理をしたほうが良い?

スコティッシュフォールドなどの一部の猫種は、耳が垂れています。
垂れ耳の猫はほかの猫種に比べるとどうしても耳の中が蒸れやすいため、定期的に処理はしたほうが良いでしょう。
しかし、猫の耳毛には処理をしても問題のない部分とそうでない部分があることから、素人判断で行うのは避けなければなりません。
もしも垂れ耳の猫の耳毛を処理するのであれば、獣医師に相談した上で行いましょう。
また、耳に関する病気になったり耳を怪我したりした時など、耳毛を切らざるを得ない状況になることもあります。
その際にも、当然ながら動物病院で処理をしてもらうことをおすすめします。

猫の耳が汚れていれば掃除をしよう

猫によっては、耳の中が耳垢などで汚れてしまうこともあるでしょう。
また、外に出ることがある猫も、完全室内飼いの猫よりも耳の中が汚れやすい傾向にあります。
もしも猫の耳の中が汚れている場合は、猫用のイヤークリーナーなどとコットンやガーゼを使用して、耳掃除をしてあげましょう。
しかし、猫の耳はとてもデリケートなので毎日行う必要はなく、耳の中が汚れている時のみにしなければなりません。

猫の耳毛「リンクスティップ」を持つ猫種

猫の耳の上に生えている毛である「リンクスティップ」は、すべての猫に生えているわけではありません。
最後に、猫の耳毛であるリンクスティップを持つ猫種をご紹介します。

メインクーン

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猫の耳の上に生えている毛「リンクスティップ」を持つ代表的な猫種は、メインクーンです。
メインクーンは世界最大のイエネコとして知られていますが、耳のてっぺんにある立派なリンクスティップがメインクーンの大きさを引き立たせているといっても過言ではないでしょう。
メインクーンはリンクスティップ以外に全身の被毛もかなり長く、ほかの猫種よりもとても大きく感じられます。
ちなみに、メインクーンは大きくて威圧感がありますが、「静かな巨人」の異名を持つほど大人しい猫種として知られています。

ノルウェージャンフォレストキャット

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ノルウェー原産の猫種、ノルウェージャンフォレストキャットにも、リンクスティップが生えています。
しかし、ノルウェージャンフォレストキャットはすべての個体にリンクスティップが生えているわけではなく、生えていない場合もあるでしょう。
ノルウェージャンフォレストキャットはメインクーンにも似た外見をしているため、リンクスティップが生えているとメインクーンと間違ってしまうこともあります。

サイベリアン

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ロシア原産の猫種、サイベリアンもリップスティックが生えている大型の猫種です。
サイベリアンは寒い地域であるロシア原産ということもあり、とても密度の高いアンダーコートを持っています。
また、個体によっては被毛が3層になっているトリプルコートを持っている場合もあります。
そのため、とても寒さに強い猫種といえるでしょう。

アメリカンカール

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耳がクルッと後ろ向きにカールしているアメリカンカールも、耳のてっぺんに立派なリップスティックを持っています。
アメリカンカールはその名の通り、耳に特徴を持つ猫種ですが、実は全体の50%程度しか耳がカールしている個体はありません。
ちなみに、アメリカンカールもすべての個体にリンクスティップが生えているわけではないため、アメリカンカールを見かけた時には耳がカールしているか、リップスティックが生えているかに注目してみると良いでしょう。

猫にとって耳毛は大切

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猫にとって耳毛は、耳をゴミやホコリなどから守るための大切な役割を持っています。
聴覚が重要な猫にとっては、耳毛は人間よりも大切だといえるでしょう。
ちなみに、飼い主が猫の耳毛をあえて処理する必要はありません。
猫の耳毛の処理が必要なのは、垂れ耳であったり耳の中が汚れていたりする場合のみといえそうです。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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