犬が食べても良い魚・ダメな魚をご紹介!

魚には、たんぱく質やDHAが多く含まれているものがあり、犬にも大きなメリットがある食材です。
しかし、魚種によっては犬に食べさせると中毒症状などを引き起こしてしまう可能性もあることをご存知でしたか?
この記事では、犬が食べても良い魚とダメな魚をそれぞれご紹介します。 2025年07月07日作成

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犬が食べても良い魚・注意点

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まずは、犬が食べても良い魚をご紹介します。
あわせて、その魚を食べることによるメリット・注意点も見てみましょう。

日本人の食卓に並ぶことが多い鮭ですが、犬に与えても問題ありません。
鮭はたんぱく質が豊富に含まれているため、犬の身体の健康を保つためには効果的な食材といえます。
ただし、ネオリケッチア・ヘルミンテカという微生物が付着した鮭を食べると、鮭中毒を引き起こすことがあるため、注意しましょう。
鮭中毒は、十分に加熱をすることで避けることができます。
ちなみに、ドッグフードの原材料として使用されることもあるサーモンも犬が食べても問題ありません。
サーモンは鮭と似ていますが、ニジマスのことを指します。

白身魚

ここでいう白身魚とは、タラやヒラメ、タイなどです。
実は鮭も白身魚に分類されます。
白身魚は低脂肪高たんぱくであるため、ダイエットにも向いています。
また、白身魚はほかの魚種に比べてアレルギーを発症しにくいとされているため、アレルギーに悩んでいる犬にもおすすめです。

赤身魚

マグロやカツオなどの赤身魚も、犬は食べることができます。
赤身魚は噛みごたえのあるものが多いため、犬の食いつきも良いでしょう。
ただし、赤身魚にはヒスタミンという物質が付着していることがあります。
ヒスタミンを誤って口に入れてしまうと、中毒症状が現れることがあるため、注意が必要です。

青魚

サバやサンマ、アジ、イワシなどの青魚には不飽和脂肪酸であるDHAが多く含まれています。
DHAには脳の働きを活発にしてくれる作用が期待できるため、シニア犬にも良いかもしれません。
また、青魚は大衆魚であることが多いため、ほかの魚種に比べても安価に手に入ることが多いです。

ただし、青魚にはアニサキスという寄生虫に注意する必要があります。
アニサキスは青魚のほかにも鮭やカツオなどに寄生することもありますが、サバやサンマなどの青魚に特に多く見られます。
アニサキスは加熱や冷凍をすることで死滅するので処理を必ずしましょう。

犬が食べたらダメな魚

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次に、犬が食べたらダメな魚をご紹介します。

ししゃも

干して販売されていることの多いししゃもは、犬に与えてはいけません。
生のししゃもであれば良いかもしれませんが、干したししゃもは塩が振られているため、塩分過多になってしまいます。

うなぎ

うなぎは、一般的に販売されている蒲焼きはもちろん、白焼きも与えるのは避けたほうが良いでしょう。
蒲焼は塩分過多になるため、絶対に与えてはいけません。
また、うなぎは小骨が多いため、犬の喉に刺さってしまう可能性があります。
小骨を完全に取り除いた白焼きであっても、カロリーが高いうなぎは与えないほうが無難です。

しらす

しらすなどの小魚は、手作りフードのトッピングとして見映えがしそうですが、与えるのは避けましょう。
小魚は生も乾燥したものも塩分が高いため、少量でも塩分過多になる可能性があります。

スルメイカ・タコ

スルメイカは、固いため犬が噛まずに飲み込んでしまった場合、喉につかえるリスクがあります。また、運よく食道を通り過ぎた場合でも、胃から腸の間で水分を含んで急性胃拡張を引き起こす可能性がありますので、犬に与えることはやめましょう。
タコに関しては、生のタコにはチアノーゼというビタミンB1を分解する働きを持つ酵素が含まれています。そのため、犬に生のタコを与えると「ビタミンB1欠乏症」になる可能性もあるため、避けましょう。

エビ・カニ

生のエビやカニを摂取すると、タコ同様に「ビタミンB1欠乏症」になる可能性もあるため、生の状態で犬に摂取させることは避けましょう。

魚に含まれる栄養素

魚には、タンパク質やカルシウムなどが多く含まれています。とくにタンパク質は、肉よりも魚の方が体内で消化されやすいため、積極的に摂取したい栄養素です。体内にある不要な塩分を排出する働きもあるため、高血圧の対策にも効果的でしょう。
骨や歯のために摂取したいカルシウムは、病原菌に対する抵抗力を高めたり、ストレス解消の効果も期待できます。

他にも、青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳の働きを活発にして、記憶力も高めてくれると人間にも人気の栄養素です。高齢の犬の認知症対策にも効果があるとされています。

魚によって含まれる栄養素は異なりますが、犬にとってメリットの多い栄養素も多く含まれているため、魚のままはもちろん、魚が配合されているドッグフードなどを検討するとよいでしょう。

犬に魚を与えるメリット・デメリット

メリット

魚は肉と比較して重量あたりの動物性たんぱく質の含有量が多いにもかかわらず、カロリーは低いという特徴があるため、カロリーコントロールが必要な犬などには魚のたんぱく質はメリットがあるといえるでしょう。なお、魚に含まれる栄養素は以下の4つになります。

カルシウム

骨や歯を強化し、健康に保つために役立ちます。

DHA

犬の健康にもメリットがあるとされるオメガ3が含有している不飽和脂肪酸のひとつであり、皮膚や粘膜の状態を正常に保持します。

EPA

DHA同様に、魚に含まれる不飽和脂肪酸のひとつで、血液をきれいにすることで脳梗塞や心筋梗塞の予防の効果を期待できます。

たんぱく質

皮膚、内臓、被毛、骨などを作るための栄養素です。また、運動に必要なエネルギー源でもあります。

デメリット

犬に魚を与える場合、以下の注意点に配慮する必要性があるほか、処理の手間が生じるという点がデメリットになります。具体的に配慮が必要なのは3点になります。

加熱

生の魚はアニキサスや細菌に伴う食中毒のリスクを伴うため、茹でたり焼いたり等の加熱処理をすることが必要です。

アレルギー

一般的に魚に関するアレルギーは少ないとされていますが、初めて与える時には、少量を与え、アレルギー反応の有無を見極めることを意識しましょう。

分量

基本的に犬はドッグフードなどの総合栄養食をとっている場合、その他の食事は不要です。過剰に摂取してしまうことによる肥満リスクも生じます。おやつで与える場合には、1日の適切なカロリー目安のうち、10%に留めましょう。

犬に魚を与える際の注意点

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犬が食べても良い魚であっても、与え方によっては犬の身体に良くない可能性があります。
もしも犬に魚を与えるのであれば、しっかりと注意点を守る必要があるでしょう。

かならず加熱をする

どれだけ新鮮な魚であっても、犬に与える際は加熱をしましょう。
ヒスタミン中毒やアニサキスなどのリスクを考えると、加熱するに越したことはありません。

味付けはしない

塩ますや塩サバ、干物など、人間用の味付けをして販売されているものを犬に与えるのはやめましょう。

また、生魚を加熱する際にも、一切味付けをする必要はありません。
人間が好むような味付けをすると、犬には塩分過多になってしまいます。
塩分過多は高血圧のリスクが高まるので、特にシニア犬には避けましょう。

アレルギー

もしも犬に魚を与えたいのであれば、アレルギーにも注意が必要です。
先述したように白身魚を食べることでアレルギー症状が起きることは少ないですが、念のためはじめのうちは少量を与えることをおすすめします。
不安であれば、一度動物病院へ連れて行きしっかりとアレルギー検査をすると良いでしょう。

新鮮なものを与える

購入してから2~3日経ったものは、犬に与えるのは避けたほうが無難です。
もちろん加熱をすれば問題なく食べられるものも多いでしょうが、犬に万が一のことがあることも考えられます。
そのため、かならず当日に購入した新鮮なものを与えるようにしましょう。

骨は取り除く

犬に魚を与える際は、すべての骨を取り除いて与えましょう。
骨を取り除くことで消化不良を起こすリスクも低くすることができます。
骨が大きい鮭などの魚を犬に与える際は、特に注意しましょう。

魚の加工品は与えない

魚肉ソーセージや魚のハンバーグなどの加工品は、犬に与えないようにしましょう。
人間用に作られたものは味付けがしっかりとされています。
どうしても与えたい場合には、犬用に作られているものを探しましょう。

魚ベースのドッグフードの選び方

魚ベースのドッグフードを選ぶ際にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。以下3点のポイントを踏まえて解説します。

表示成分のチェックポイント

ドッグフードの表示成分の箇所は、含有量の多いものから順に表記されています。たんぱく質の摂取が容易である魚が多く含まれているフードが望ましく、したがって、この表記の先頭に来るものが「タラ」や「サーモン」などの魚表記になっているものが望ましいでしょう。

魚の種類による特徴の違い

すでに述べた通り、魚には「白身魚」「赤身魚(青魚を含む)」と種類がありますが、それぞれの特徴を踏まえながら、愛犬に適している魚を選ぶようにしましょう。

白身魚

淡白な味わいで、赤身魚と比較して、コラーゲンが豊富で脂肪分が少なく、体重管理が必要な愛犬に適しています。

赤身魚(青身魚を含む)

しっかりとした味わいがあり、豊富な鉄分、多くの良質な脂質を含む。夏バテなどで食欲減退気味の愛犬に適しています。

アレルギー対応フードの選び方

アレルギー対応のフードの選び方には4つのポイントがあります。

原材料の種類が少ないフードを選ぶ

原材料の種類が多いと、その分アレルギーを引き起こす可能性が高まります。したがって、種類の少ないものを選べば、アレルギー発症の可能性を引き下げることができます。また、種類が多いものを選ぶと、万一アレルギーが出た場合に、アレルゲンの特定に時間を要することになります。

アレルギーを発症しやすい原材料を避けて選ぶ

食物アレルギーを引き起こしやすい食材として、肉類、卵、乳製品、小麦、トウモロコシがあげられ、その中でも小麦のアレルギー発症確率は高くなっています。小麦のアレルギーを回避したい場合、グルテンフリータイプのフードもあるため、こちらを選ぶとよいでしょう。

動物性たんぱくを1種類に絞って選ぶ

アレルギーの原因を見極めるためには、たんぱく質の食材が1種類であることが望ましいです。食べてすぐにアレルギー反応がでない場合でも数か月後に症状が出る場合や逆のケースもあります。愛犬の様子をしっかりと観察し、適切なたんぱく質を使っているフードを選択しましょう。

余分な添加物を含むフードを避けて選ぶ

ドッグフードには、栄養補充、食欲増進、品質保持の目的から食品添加物が使用されています。一方で、香料や着色料といった添加物は必要なものではなく、これらを含有していないものや、天然由来の添加物を使用しているフードを選ぶことも大事です。

魚種によっては食べられない魚もある

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犬にとって魚は、貴重なたんぱく源になります。
健康を保つためには、良質な動物性たんぱく質を摂取することが必要です。
そのため、犬に魚を食べさせることは多くのメリットがあります。

しかし、かならず加熱をして中毒や寄生虫のリスクを取り除かなければなりません。
与えても良い魚・ダメな魚をチェックした上で、加熱処理をして与えるようにしましょう。

参考サイト

【獣医師監修】犬に魚を与えても大丈夫? 魚のメリットと注意点について(参照日:2024-07-26)
https://peco-japan.com/7957

文部科学省 食品成分データベース(参照日:2020-11-30)
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=10835
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=10869
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=10907
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=10921

環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/full_b.pdf

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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