秋田犬について
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日本犬の中でも知名度が高く、忠誠心も強い犬種が秋田犬です。
もともとは秋田県を原産として、狩猟や番犬として人々に親しまれてきました。
まずは、秋田犬について知っておきましょう。
秋田犬の起源と歴史
秋田犬の歴史は古く、17世紀の秋田県で狩猟犬として飼育されていた「大館犬」がルーツとされています。
その後は闘犬としての特性を強化されつつも、昭和初期には保存運動が起こり、天然記念物に指定されました。
忠犬ハチ公の存在により、全国的にその名が知られるようになったといえるでしょう。
秋田犬の特徴と性格
秋田犬は身体が大きく、筋肉質でがっしりとした体格が特徴です。
被毛はダブルコートで寒さに強く、ふわふわとした手触りをしています。
性格は基本的に穏やかで、飼い主に対してとても忠実です。
しかし警戒心が強いため、見知らぬ人や動物に対しては慎重に接する傾向があります。
秋田犬の飼育の難しさ
秋田犬は大型犬であり力も強いため、初心者には飼うのがやや難しい犬種といわれています。
しつけをしっかりと行い、主従関係を築くことが重要です。
また、運動量も多いため、毎日の散歩や遊びは欠かせません。
秋田犬は、しっかりと時間と愛情をかけられる人に向いている犬種です。
日本犬としての秋田犬
秋田犬は「日本犬保存会」によって正式に認定されている6種の日本犬のひとつです。
ほかの日本犬と比べても特に体格が大きく、威厳のある姿が特徴です。
日本国内では和犬として高い評価を受けており、繁殖管理や血統の保存も丁寧に行われています。
秋田犬の正式な呼ばれ方
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「秋田犬」の正しい呼び方をご存じでしょうか?
実は、秋田犬の正式な読み方は「アキタイヌ」です。
「アキタケン」と読んでしまう人も多いですが、犬種名としての正式表記には明確なルールがあるのです。
ここでは、その理由や背景について解説していきます。
なぜ「イヌ」と読むのか?
日本犬の名称には、共通する特徴があります。
それは「○○犬(いぬ)」と読むというルールです。
柴犬も「しばけん」ではなく「しばいぬ」、紀州犬も「きしゅうけん」ではなく「きしゅういぬ」が正式な呼び方です。
これらはすべて、「日本犬保存会」などの公的機関でも明記されています。
「ケン」はどんなときに使う?
一般的に「○○犬」を「○○ケン」と読むのは会話や日常での略称、または慣習的な呼び方に過ぎません。
たとえば、「アキタケン」は「秋田県」と同じ読みになるため、地名と混同されることもあるでしょう。
正式名称を使用する場では、「アキタイヌ」と呼ぶのが正解です。
日本犬保存会の表記基準
日本犬保存会では、秋田犬を「アキタイヌ」として紹介しています。
展覧会や血統書などの公式文書でもこの呼び方が採用されており、犬種としてのアイデンティティを保つためにも統一が図られています。
国際的にも、「Akita Inu」という名称が一般的になってきています。
海外での秋田犬の呼ばれ方
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秋田犬は日本国内だけでなく、海外でも広く知られている犬種です。
しかし、海外では「Akita Inu」と呼ばれることもあれば「Akita Dog」と表記されることもあり、混乱を招くこともあるでしょう。
最後に、秋田犬の海外での呼ばれ方の違いについて解説します。
「Akita Inu」は日本犬としての呼称
「Akita Inu」という呼び方は、日本原産であることを強調する場合に使われます。
特に海外で日本文化や日本犬に関心が高い層には、この呼び方が好まれます。
日本語の「イヌ」がそのまま英語に取り入れられており、日本独自の犬種であることが強調されているのです。
「Akita Dog」は英語圏での一般的表現
一方で、英語圏では「Akita Dog」と表記されることも多くあります。
特に、アメリカで改良された「アメリカン・アキタ」と区別するために使われることも多いです。
日本の「秋田犬」とアメリカの「Akita」は似て非なるものとして分類されており、呼び方にも違いが出るのです。
国際的な犬種登録機関での扱い
国際的な犬種登録機関でも、秋田犬は「Japanese Akita Inu」として登録されており、アメリカン・アキタとは明確に区別されています。
これにより、海外でも「Akita Inu」は純日本犬を示す正式名称として認識されつつあります。
秋田犬の正しい読み方は「アキタイヌ」
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秋田犬の読み方には、「アキタケン」と「アキタイヌ」という2つのパターンがあり、多くの人が日常では「アキタケン」と呼んでいるかもしれません。
しかし、犬種名として正式に使用されるのは「アキタイヌ」です。
これはほかの日本犬にも共通するルールであり、日本犬保存会などの公的な機関もその表記を採用しています。
また、海外では「Akita Inu」と「Akita Dog」の両方の表記が存在しますが、日本原産であることを強調したい場合は「Akita Inu」と呼ぶのがより適切です。
国際的にも「Japanese Akita Inu」として区別され、世界中の愛犬家に親しまれています。
秋田犬はただのペットではなく、日本文化を象徴する存在でもあります。
その名前の読み方ひとつにも、深い意味と歴史が込められていることを覚えておきましょう。
公益社団法人 日本犬保存会(参照日:2025-05-21)
https://www.nihonken-hozonkai.or.jp/
著者情報

けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。