ディンゴってどんな犬?特徴や性格などを解説

オーストラリアの野犬として知られるディンゴは、東南アジアの航海民族と共に海を渡り、オーストラリアに来たことがはじまりだといわれています。
犬とは少し違う独自の特徴を持つディンゴについて、詳しく解説します。 2025年06月18日作成

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ディンゴの特徴

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ディンゴは、野生ならではの特徴を持っています。
まずは、ディンゴの外見を中心とした特徴を見ていきましょう。

引き締まった身体

ディンゴは体長約90cm、そして体重は約10〜16kg程度で、犬でいうと中型犬に分類されるサイズです。
とてもしなやかで、脂肪が少なく筋肉質な身体をしています。
これは、ディンゴが野生の環境で効率的に狩りをするための構造でもあります。
ディンゴは高温で乾燥した地域を歩き回るため持久力も高く、長距離移動が可能な体力を備えているのです。

毛色はサンドカラーが一般的

ディンゴの毛色は、典型的には明るいサンドカラーまたはで、白い足先や胸、尾先に白い斑がある個体も多いです。
この毛色は自然環境とよく馴染むため、カモフラージュ効果もあるとされています。
被毛は、生息する地域により構造が異なり、オーストラリアの北部に生息するディンゴは、シングルコートになっています。

鋭い目つきと立ち耳

ディンゴは、野生動物らしい鋭い目つきをしており、常に周囲に注意を払っています。
耳は小さめでピンと立っており、音への反応も敏感です。
視覚や聴覚、嗅覚すべてに優れており、獲物を素早く発見して接近することができます。

狩猟に適した身体能力

ディンゴは狩猟者としてとても優れており、走力や跳躍力、持久力に加えて柔軟な動きもすることが可能です。
主に小型哺乳類や鳥類、爬虫類などを捕食します。
また、狩りの際には単独行動と協力行動の両方を使い分ける知性も持ち合わせています。

ディンゴの性格

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ディンゴの性格は家庭犬とは大きく異なり、より野生に近い性質を持っています。
そのため、人間との関係はもちろん、しつけをすることも難しいでしょう。

独立心が強い

ディンゴはとても独立心が強く、指示に従うことよりも自分で状況を判断して行動する傾向があります。
そのため、犬のように飼い主に忠実というよりは、必要に応じて人間との距離を取るような態度を見せることが多いです。
ディンゴと信頼関係を築くのは、時間と根気が必要でしょう。

警戒心が強く臆病

野生動物として育ったディンゴは、本能的に危険を回避するため、とても用心深く行動します。
人間に対しても簡単には心を開かず、無理に接すると逃げたり攻撃的になったりする可能性もあるでしょう。
ディンゴのこの警戒心は、野生で生き残るために必要不可欠な性質だといえます。

知能が高く学習能力も高い

ディンゴは非常に賢く、学習能力にも優れています。
新しい状況に順応するスピードが早く、食料を見つけるための工夫や障害物を乗り越えるための行動など、柔軟な思考力を発揮するでしょう。
ただし、この賢さゆえに単調な環境ではストレスを感じやすく、万が一ディンゴを飼育するとなると、脱走や問題行動に繋がることもあります。

群れの中での社会性もある

ディンゴは単独でも活動しますが、繁殖期や狩りの時には群れで行動することもあります。
群れのなかには明確な上下関係があり、協調性や社会性を持ち合わせています。
ただし、この社会性は人間に対してではなく、あくまでディンゴ同士での関係性の中で発揮されるものです。

ディンゴはペットとして飼うことは可能?

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見た目は犬に似ていても、ディンゴは飼いやすいペットとは言えません。
法律や飼育環境の制約が多く、特別な配慮が必要になるでしょう。
最後に、ディンゴはペットとして飼うことは可能なのかどうかを解説します。

法的な規制がある

ディンゴはオーストラリア国内でも保護動物とされており、州によっては個人での飼育が法律で禁止されています。
国外でも輸入規制がある国が多く、日本国内でディンゴの飼育を希望する場合は特別な許可が必要です。
しかし、先述したようにオーストラリア内でもディンゴを飼育することが難しいことから、そもそも日本にディンゴを輸入すること自体ができないと考えられます。
そのため、ディンゴは安易にペットとして迎えられる動物ではありません。

飼育環境の確保が難しい

ディンゴは強い狩猟本能を備えているため、毎日広大なスペースでの運動が必要です。
そのため、ディンゴの飼育は都市部の住宅ではまず不可能と考えて良いでしょう。

社会化が難しく、しつけに時間がかかる

ディンゴを人に慣らすには時間と労力がかかり、一般的なしつけ方法も通用しません。
叱ってもしつけにはならず、逆に信頼関係を損なう可能性があります。
そのため、ディンゴと人との共存には高度なトレーニング技術が必要になるでしょう。

雑種化された「ディンゴハイブリッド」も存在

ディンゴと家庭犬の交配により生まれた「ディンゴハイブリッド」と呼ばれる個体も存在します。
ディンゴハイブリッドは比較的飼いやすい傾向があり、愛玩動物として飼われている例もありますが、それでも野生の血が流れているため一般的な犬とは扱いが異なります。

ディンゴは家庭犬として飼育するのは難しい

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ディンゴは犬に似た外見を持ちつつ、野生の本能を強く残す独自の存在です。
優れた身体能力や高い知能を持ちながらも、独立心と警戒心が強いため、一般的な家庭犬と同じようにしつけをするのは難しいと言わざるを得ません。
ディンゴの飼育には法律的な規制や特別な飼育環境が必要なことから、ペットとして飼うには大きな覚悟と準備が求められるでしょう。
ディンゴの飼育に興味を持った場合は、自然の中での生態を知ることから始めてみましょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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