プロフィールご紹介
(写真右)Angelo Russo氏
Farmina Pet Foods
CHIEF EXECUTIVE OFFICER
(写真左)Sunny Syal氏
Farmina Pet Foods
ASIA REGIONAL MANAGER
人間同様、ペットの健康には食事が大きく関係しています。そのため、ペットに長く健康で過ごしてもらうためには、優れたペットフードを適量あげることが大切になります。
よいペットフードの条件には、
・質のよい原材料を使っていること
・添加物をできるだけ排除していること
・各国の安全基準で最高基準を得ていること
が挙げられます。
このようなペットフードの条件を満たし、40年にも渡ってペットフードを供給し続けているファルミナペットフーズ。今回は、その創業者であるロッソ氏に、同社のペットフード開発について、商品への思いを聞きました。
ファルミナペットフーズを設立したきっかけを教えて下さい。
▲CEOのAngelo Russoさんにペットへの想いを語っていただきました。
ルッソ氏:
「1985年、私の祖父が南イタリアの地で、食品の製造会社としてスタートしました。父の代になり、動物全般の食事、肥料を扱うようになり、会社をさらに発展させました。その後、私の代で1990年代からペットフード市場に参入いたしました。
私は長年犬や猫を自分の子供のようにかわいがってきました。ペットとの関わり合いは、人生において非常に大事なことだと考えていたため、それならばそのペットたちのために最高級のペットフードを作り、彼らに提供しようという思いがきっかけです。
最高級のペットフードという観点から、科学的にも立証されたペットフードを作ることをめざし、自然の原材料を使うことはもちろん、栄養学に基づく専門家の方にも参加いただいて作りました。
私たちの商品は、イタリアから始まり、現在世界中に展開しています。2017年からは日本でも販売をスタートしています」
日本で展開されているブランドについてご紹介いただけますか?
▲日本で展開されている商品です。
ルッソ氏:
「まず、お伝えしておきたいのが、ファルミナでは、「適量のタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル等を、犬と猫の年齢、種類、体重に合わせ、バランス良く配合したフードを製造・提供する」ことを指針としているということです。このような方針のもと、当社では遺伝子組換原料は使用せず、人間の食用向けに使用される健康的な動物から由来する肉を使用しています。
その上で、実際の商品ですが、弊社では大きく分けると二つのブランドを展開しています。一つはいわゆる総合栄養食。そして、もう一つはパトロジーという、病状に合わせて予防するための療養食です。
総合食とは、「ナチュラル&デリシャス(N&D)」という商品名で販売されている、一般的なペット用のフードです。このN&Dは、グレインフリー、グレインフリー・パンプキン、グレインフリー・キヌア、ローグレインの4種類にわかれております。療養食は、獣医の指導のもと、症状に合わせて処方されるもので、これは「Vet Life」という商品です。いずれも非常にこだわりを持った製品です。
N&Dは、特に肉にこだわって作った商品で、認定農家のみから調達した鶏肉、ラム肉、イノシシ肉を使用しています。いずれも最高品質基準を満たすものを厳選しておりますので、安心してペットに与えることができます。もともと、犬も猫も肉食動物なので、肉の匂いには敏感で、弊社の商品には肉が多いことにすぐに気づいてもらえると思います。実は、競合他社の商品には穀物が多いものもあるため、肉が多いという意味でも犬猫に喜ばれる商品になっています。
また、それに加え、フルーツやざくろ、ブルーベリー、ココナッツなどのフルーツが入っていることからビタミンやミネラルも豊富に含んでいます。
Vet Lifeは病理学に基づいて作られたものです。N&D商品に関しては、スタッフたちが栄養学に関してコンサルタントして、お客様のお話を聞き、どの商品がお客様のペットに最適なのかをアドバイスさせていただいています。一方で、Vet Lifeのコンサルタントは、獣医師です。この商品はあくまでも薬ではなく、療養食として薬と併用して進めるものですが、例えば肝臓に配慮したものや心臓に配慮したもの、欠席のあるペット向け等、症状に合わせたものを獣医師が選んで処方します」
どのような形で販売されているのでしょうか?
ルッソ氏:
「Pet Lifeに関しては、私どもがパートナーと呼んでいる、動物病院の獣医師を介して販売されています。また、ブリーダーパックと呼ばれる商品もあり、こちらはブリーダーさんが使う製品です。
N&Dは、オンラインで販売もしており、店舗でも購入することができます。非常に専門性の高い商品ですので、私どもは販売員に「ただ、置いておくだけじゃダメですよ」とお伝えし、研修への参加を促しています。研修内容は様々ありますが、特に栄養学については力を入れています。やはり、ペットたちはそれぞれ家庭環境も犬種も性格も違います。ですから、販売員は飼い主との会話の中から、最適なものをご提案できるようにならないといけません。栄養学を学ぶことで、知識を増やし、お客様に的確なアドバイスを行えるようになってもらいたいのです。
こういった研修を、私どもは商品を販売している国、全てで行っています。研修自体は決して楽なものではありませんが、私たちは強いポリシーのもと行っており、社員はもちろん、販売員の方にも必ず受けてもらうようお伝えしています」
販売員の方たちの研修のシステムはどのような形なのでしょうか?
▲販売員の教育の徹底をはかるとお話されていました。
ルッソ氏:
「一つは、アメリカのコーネル大学やイタリアの大学、ドイツの大学などと協力して作り上げたテクニカルなトレーニングです。私どもは、動物実験は行いません。そのため、家庭内という環境の中で、動物にどのような効果が見られたかを観察・研究することで製品を開発しています。そういった観察・研究をするためのトレーニングが一つです。
そして、もう一つはマーケティングのトレーニングで、今後、これは日本でもスタートします。コンサルタント、販売員として、エンドユーザーさまにアプローチするときに、プロとして商品を的確におすすめできないといけない。そういった意味で、栄養学に加え、マーケティングを学んでもらいます」
生産原料についてのこだわりを教えていただけますか?
ルッソ氏:
「私たちの一番のこだわりは、人間が食べるものと同じ食材を使っているということです。とても専門的な業者から仕入れていて、新鮮なものしか使いません。また、GMO(遺伝子組換原料)を使用せず、健康な動物から由来する肉を使用しております。
そもそも、EUはペットフードに非常に厳しいルールがあります。これは、世界の中でもトップクラスの規制だと思います。では、なぜヨーロッパがそれほど厳しいのか。それは、動物の健康を最優先に考え、法律の条件に合った人だけがペットフードに携わることができるからです。納入業者に関しても様々な規制があります。
私たちは、イタリアの会社ですので、当然ながら、EUのそういったルールを守った上で製造しています。EUでは、魚を獲ることにも規制があり、決められた期間中、指定の方法で獲らなければなりません。養殖をすると、その後、水が汚染されたらいけないので、天然のものを使います。このように、魚一つとっても規制があるのです。その厳しい基準をクリアしたもののみを使っているので、高品質であることに非常に自信を持っております。
また、それぞれの原材料全てにおいて、細かな品質基準を設けており、それをクリアしたものしか使用しません。納入業者においても、限定した業者のみを使用しています」
製造についてのこだわりを教えていただけますか?
▲ファルミナペットフーズの製造技術です。
ルッソ氏:
「高品質な商品を作るためには、ポイントが3つあります。
まずは、先ほども申し上げたように、限定された納入業者から仕入れた原材料であること。新鮮な原料が必要です。
そして、2つ目に絶え間ない検査・分析を続けることです。私たちは、原材料の品質が落ちていないか、異物が混入していないかを継続的に検査・分析し続けています。これは、1回だけでは意味がありません。継続して検査・分析し続けることが大事なのです。
最後に、美味しい食事を作るための“優秀なシェフとキッチン”です。弊社では、ツインエクストルーダー(二軸式押出成形機)をはじめ、ヒト用の食品生産分野の技術を採用しています。また、ファルミナでは、原料に含まれるビタミン成分の鮮度を長く保つシステムを採用しており、これによって製品鮮度を保ち、製造工程における科学的、物理的なストレスを防いでいます。
さらに、私たちは包装についても細心の注意を払っております。じっくりと時間をかけ、栄養成分の鮮度が損なわれない技術を採用しています。これにより、一粒一粒を外気から完全に遮断した状態にします。封を開けたら、作りたてのいい匂いがいつでもするという状態でお客様に商品をお届けしたいというのが、私たちのこだわりです。
また、これは少し別のお話になりますが、私たちは、動物を愛しているため、動物を使った実験テストは一切しません。開発された商品の機能の実証は、ペットオーナーたちの家庭環境で通常の条件のもと、彼らの動物との共同作業を許可しているブリーダーやペットオーナーと連携して調査、研究を行っています」
管理態勢については、どのような点に重点を置かれていますか?
ルッソ氏:
「まず、納入業者が持ってくる原材料は全て、前もって検査があります。受け入れていいのか、ダメなのか分析し、基準に満たない場合は、受け入れません。それぐらい、原材料については厳しい基準を設けております。
そして、次にプロセスそれぞれにもチェック機能があります。加工する、調理する、そういった一個一個の工程、全てを管理し、品質基準を保っています。
さらに、製品として仕上がったもののうち、最終チェックをクリアしたもののみ出荷されます。
このように私たちはどの工程においても、商品を管理し、高い品質を保っているのです」
日本でのファルミナペットフーズの展開について教えてください。
▲今後、日本でのブランド展開の拡充をはかるとお話されました。
ルッソ氏:
「弊社は、特に栄養学や栄養を重要なテーマとして位置付け、長年にわたって研究・開発を続けています。犬猫は、一匹一匹、性格も家庭環境も違います。状況によってフードは変えていく必要があります。そのために、様々な種類のフードを提供しなければならないのです。もちろん、原材料が高品質でナチュラルなものであるということは当然なのですが、それに加え、犬種や体の大きさ、性質などによって選べるよう、多数のラインナップが必要です。私たちは、そのための研究開発に力を注いでいます。だからこそ、私たちはただ単にペットフードメーカーというだけの位置付けではなく、栄養についてのプロでありたいのです。
オーナーさんに対し、「あなたの猫はこういう状態ですね」「あなたの犬はこういう状況ですね」とお伝えし、それぞれの状況を鑑みた製品を、コンサルタント(販売員)がお勧めします。私たちは、様々な犬猫に合わせたラインナップを揃えて、日々の生活でペットに最適な栄養についての知識や情報を提供する会社なのです。
そして、私たちは、最高品質の原料を使ったフードを作り、皆さんのペットを幸せにするというのが切なる希望です。世界中に、私たちの素晴らしいペットフードを広げていきたいと考えています。もちろん、日本でも同様です。現在、世界中に展開していますが、日本では1年前に会社を立ち上げ、販売を開始しました。多くの日本人ペットオーナーさんに、弊社の商品を知っていただきたいと思っております」
今後のグローバルな展望についてお聞かせください。
ルッソ氏:
「現在は、ヨーロッパに3ヶ所、ブラジルに1ヶ所と世界で4ヶ所の工場が稼働しています。さらに今後は、アメリカにもう一つ、新たな工場を作る計画もございます。そして、その次にはアジアにも工場を作り、世界6ヶ所の工場を稼働させていく予定です。
私どもは、先ほどもお伝えしましたように、単なるペットフードメーカーではなく、ペットを家族の一員として栄養面から支え、一日でも長く一緒に過ごせることを目指しています。そのための最高品質のフードだと自信を持っております。天然の素材しか使わず、添加物は使いません。これは、全世界、どの国に流通しているものも同じで、日本を始め、世界各国でこれを広めようと努力しているところでございます。
また、品質を保つためにも、オーガニック分野のコンテストに出るなどして、常に成長できるよう切磋琢磨しています。
全世界で順調に会社が成長し、全世界のペットが日々を健康で過ごし、幸せになるようにサポートしていくことが我々の全世界を通しての会社としての目標です」
日本のファルミナペットフーズユーザーさんへお伝えしたいことを。
▲これからもこだわりのフードをつくり続けます。
ルッソ氏:
「まず、弊社の商品を買っていただき、製品を信用してくださり、ありがとうございます。今後、さらに様々なご提案をさせていただけるよう研究を重ね、さらに信頼度を高め、長いお付き合いができるよう、努力してまいります。
そして、私たちが信頼関係を長く築くためには、栄養学についての情報をご提供し、私たちの哲学をお伝えしていくことが大事であると考えています。
「ペットがハッピーであってこそ、家族がハッピー」。私たちのもっとも根底にある信念はこれに尽きると思っています。ペットが幸せになることが、家族みんなの幸せに繋がります。簡単な言葉ですが、これをもっともっと知っていただくために私たちは努力してまいります」
【写真】柳 太
著者情報
UCHINOCO編集部
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