犬のサイズ
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ほかの動物には見られない体格差
オオカミを家畜化して生まれた犬は、人との長い歴史のなかで、さまざまな大きさや体型の品種を持つ動物へと進化しました。現在、地球上の動物で、同じ種にもかかわらず約50倍以上の体重差がある動物は犬だけです。
サイズによって犬を分類すると、
・小型犬※1(成犬時平均体重:1~10kg)
・中型犬(成犬時平均体重:11~25kg)
・大型犬(成犬時平均体重:26~44kg)
・超大型犬(成犬時平均体重:45kg以上)
の4つのサイズ※2に分けることができます。
※1:小型犬のうち、成犬時の体重が4kg未満の犬種を「超小型犬」と呼びます。
※2:サイズの分類はロイヤルカナンの考え方にもとづくものです。
サイズの違いが栄養要求に与える影響
サイズごとに犬を比較すると、エネルギー要求量や健康管理上の留意点など、さまざまな違いがあります。この違いは、それぞれの犬にとって最適な栄養管理を考えるうえで重要なポイントです。
成長期におけるサイズごとの違い
体重増加率の違い
犬が生まれてから成犬になるまでの体重増加率は、大型犬になるほど高くなります。成犬時の体重は、超小型犬・小型犬では生まれた時の体重の20倍程度ですが、超大型犬では約100倍にまで達します。
成長期の長さの違い
超小型犬・小型犬の成長期は約8~10ヵ月齢までですが、超大型犬の成長期は約18~24ヵ月齢です。大型犬になるほど成長期は長くなります。
サイズごとに体重増加率や成長期間が違うため、同じ月齢の子犬でも、サイズが違うと必要な栄養バランスは異なります。それぞれの子犬に適した栄養バランスの食事を与えることが必要です。
成犬期におけるサイズごとの違い
カロリー要求量の違い
犬の体重1kgあたりに必要な代謝エネルギー量を計算すると、超小型犬・小型犬は超大型犬の約2倍です。小型犬になるほど、体重1kgあたりのカロリー要求量は高くなります。
それぞれのサイズに適した栄養バランス、カロリー密度の食事を与えましょう。
中・高齢期におけるサイズごとの違い
中・高齢期がはじまる年齢の違い
身体のサイズが小さいほど、中・高齢期が始まる年齢が遅くなります。超小型犬・小型犬は8歳ごろから、大型犬・超大型犬は5歳ごろから中・高齢期に入ります。
大型犬では、より早い時期からの中・高齢期対策が必要です。
平均寿命の違い
寿命はさまざまな要因に影響されますが、小型犬ほど平均寿命が長い傾向があります。
犬が健康で長生きするためには、それぞれの犬に適した健康管理が必要です。そのためにはワクチン接種やフィラリアの予防、定期的な健康診断だけでなく、サイズごとの犬の違いを考慮し、それぞれの犬にもっとも適した栄養バランスの食事を与えることも重要です。