デクラ社が開発する「スペシフィックフード」の魅力に迫る《インタビューVol.1》

イギリスにある動物用医薬品メーカー、デクラ(Dechra)社。テクニカル&マーケティングマネージャーのバーバラ・ゾットメイヤー(Barbara Zottmaier)氏に、デクラ社が開発する自然派ヘルスフードの「スペシフィック(SPECIFIC®︎)フード」についてお話をお伺いしました。 2021年07月26日作成

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TOPIC 01

スペシフィックフードとは?

スペシフィックフードとは一体どんなフードなのでしょうか?

まず皆さんにお伝えしたいのが、スペシフィックフードは

■自然派で優しい
■安全性が高い
■ペットにとっておいしい

ということです。

1. 自然派で優しい
鮮度を重視し、原材料の肉・魚をヨーロッパ産のもの中心に厳選しています。
スペシフィックフードには他にも、穀物や野菜が入っていますが、安全性と品質に対する意識の高いデンマーク基準で選んだものを使用しています。原材料の収穫時期や産地によってフードの色や匂いにばらつきがありますが、これも自然派フードの証です。
2. 安全性が高い
スペシフィックフードでは、合成着色料・合成香料を使用していません。また、ドライフードに含まれる合成酸化防止剤の使用を中止し、ローズマリー抽出物・トコフェロールなどの天然酸化防止剤に変更しました。
さらに、ヨーロッパのペットフードを管轄するFEDIAF(欧州ペットフード産業連盟)が定める安全性と栄養基準を満たしています
3. ペットにとっておいしい
スペシフィックは、ペットにとってのおいしさは何かを長年にわたり研究し、味、におい、噛みごたえ、舌ざわりなどを総合的に検査し、テストを繰り返しています。おいしさを左右するにおいも鶏肉や魚などから抽出した天然素材フレーバーだけを使用しています。 また、品質とおいしさを兼ね合わせるためアルミトレイを採用しています。アルミニウムは軽量で熱伝導率が高く、効率的な加熱処理で済み、加熱時間による栄養素の破壊などをできるだけ少なくし、非常においしく仕上がるんですよ。容器がアルミ製だと食事後に容易に押し潰せるため、ゴミを捨てる際の負担も減らすことができます。

このような工夫を怠らず【信頼性のある製品であり続けること】を意識して開発・製造に取り組んでいます。

TOPIC 02

製薬会社デクラ(Dechra)社について

スペシフィックフードを開発している製薬会社デクラ(Dechra)社について教えて下さい

デクラ社は1819年に義足の製造で創業しました。そして、1854年より動物用医薬品製造を始めました。1975年デンマークにて、スペシフィックフードの製造を開始。44年にわたり、ヨーロッパ・北欧を中心に世界約20以上の国と地域で販売している実績ある会社です。
(※2019年12月現在)

なぜ動物向けの製薬会社であるデクラ社はペットフードの開発に取り組んでいるのでしょうか?

ペットの健康を考えながら、良質なフードを開発することができるからです。デクラ社はフードを単なる【燃料】ではなく、よい健康状態であり続けるための大事な【栄養】と捉えています。

猫は、種類や体格の違いから、必要な栄養が少しずつ違ってくるのはご存知の方も多いと思いますが、それだけではなく健康状態やライフステージにも影響されます。

デクラ社では、日々動物たちと接している獣医師からアドバイスを受け、専門的な知識を取り入れながら、フードの開発に取り組んでいます。フードの開発・提供を獣医師が監修することで、現場のニーズにマッチした質の良いペットフードを作ることができるのです。

獣医師だけではなく、ペットオーナーからもフィードバックを受け、それを反映した製品づくりを行っています。つまり、デクラ社 のフードは日々進化しているということです。

製薬会社であるデクラ社が開発することで、フードにどんな影響があるのでしょうか?

最新の栄養学にもとづいてペットの健康に関する詳細な研究を続けているので、疾患時に多く必要とされる栄養素やビタミンなどを豊富に配合することが可能です。

また、オランダ・ユトレヒト大学では、慢性腎不全(慢性腎臓病)と診断された猫のフードの種類に関する研究を行っており、魚油(EPA)が多く含まれるフードを食べていた猫の生存期間が長かったことが報告されました。この結果を受けて、デクラ社では、犬用と猫用のすべての腎臓用フードに魚油を添加することにしました。
( 出典:Plantinga EA, et al., 2005)

TOPIC 03

デクラ社のこだわり

ペットフードへのデクラ社のこだわりを教えてください

原材料に魚由来の【オメガ3脂肪酸】を多く含むことです。オメガ3脂肪酸とは健康な被毛や皮膚の状態を保ったり、心臓や腎臓の健康を維持したりと、幅広い面で体に良い非常に大切な栄養素です。

しかし、オメガ3脂肪酸の中でも体に良いとされるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、犬、特に猫の体内ではほとんど合成されません。体内で作れないからこそ、EPAやDHAを多く含む原材料を使用したフードが、犬や猫にとって大切なのです。

また、EPAやDHAは魚類や一部の海産物にしか含まれない栄養分ですが、デクラ社では、EPAとDHAを多く含む原材料である【魚】を使用しています。

さらに魚類には、EPAやDHAの他にも、高品質なたんぱく質・ビタミンD・B2・カルシウム・リンなど、犬と猫の健康をサポートする栄養が豊富に含まれています。魚は、フードの理想的な原材料と言うことができるのです。

TOPIC 04

デクラ社のフードを使用しているペットオーナーについて

デクラ社のフードの顧客はどのような人が多いのでしょうか?

ペットに対して【常に健康でいてほしい】と真摯に願う人たちです。スペシフィックフードは動物病院で販売されているため、獣医師のアドバイスを受けて購入してくださる方が多いようです。

そのようなペットオーナーの方はとても意識が高く、ペットの栄養管理のために定期的に動物病院に通われます。やはり【デンマーク生まれ】という点が、多くの獣医師や飼い主に選んでいただいている理由になっていますね。農産物、畜産物、水産物が盛んなデンマークは、豊かな自然に恵まれたエコロジーの国としても知られています。

食の安全性や品質に対する意識の高いデンマーク産であるスペシフィックフードは、ペットの健康をサポートする高品質なフードとして、ヨーロッパのペット愛好家に選ばれています。

もちろん動物病院には、スペシフィックフードだけでなく他のメーカーが提供する療法食もあります。しかし、獣医師が原材料・生産地・メーカーなどをユーザーの方にきちんとお伝えした結果、数多くの方がわたしたちの商品を選んでいただいているようです。

「スペシフィックフード」は動物病院での販売ということですが、健康な犬・猫用のフードもあるのでしょうか。

通常の総合栄養食もラインナップの中にあります。犬、猫それぞれに、成長期用とアダルト用のフードを用意しています。若い犬や猫、持病のない犬や猫には、そういうものを使っていただければと思います。これも動物病院で販売されているので、問い合わせてみてください。

TOPIC 05

今後の「スペシフィックフード」について

今後「スペシフィックフード」はどのように進化していくのでしょうか。

犬と猫に良いと言うだけではなく、環境にも良い製品にしていきたいと考えています。たとえば、私たちは、2019年の猫用製品のリニューアル、また2020年の犬用製品のリニューアルに伴い、新しい包装を採用することで、プラスチックの使用量を年間約18トン削減することができると試算しております。現在も私たちは、よりサステナブルな包装材料を求めて、いくつものプロジェクトを進行させています。

さらに、獣医師・ペットオーナーからアドバイスを受けて、成分・嗜好性の改良を進めていきたいです。環境を大切にしながら、その上でどんなサービス・製品を開発できるのか、もっと考えてチャレンジしていきたいですね。

テクニカル&マーケティングマネージャーのご紹介

Dr. Barbara Zottmaier(バーバラ・ゾットメイヤー)

Dechra Veterinary Products社 テクニカル&マーケティング・マネージャー
獣医師。動物栄養学専攻。スイス大学卒業後、ドイツにて臨床獣医師として勤務。
2011年デクラ社入社、プロダクトマネージメントに従事
2016年MBA取得
2018年から現職、インターナショナル・チームで各国の市場をサポート

著者情報

UCHINOCO編集部

UCHINOCO編集部では、ペットに関するお役立ち情報をお届けしています。

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