デクラ社が目指す環境に優しい「サークル オブ グッド」という考え方 《インタビューVol.2》

イギリスにある動物用医薬品メーカー、デクラ(Dechra)社。インタビュー後半はデクラ社が積極的に取り組んでいる環境へのサポート活動について、テクニカル&マーケティングマネージャーのバーバラ・ゾットメイヤー(Barbara Zottmaier)氏に詳しいお話をお伺いしました。 2021年07月26日作成

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TOPIC 01

デクラ 社のペットフードの原材料について

デクラ 社は環境についての意識が高いと伺っていますが、ペットフードの原材料を選ぶときにも環境は意識されていますか?

「現在、猫用ドライ製品に使用されている魚類を含む海産物はほとんどが 【サステナブル】と認定されたものとなっていますが、2019年中にはすべての魚類について、 【サステナブル】と認定されたものになるように努力しています。
サステナブルとは 【将来も環境を維持できる】と認定されるということです。

例えばですが、これから成長する小さな魚を獲ってはいけない、魚を獲り過ぎてはいけないなど、【サステナブル】と認定されるためには遵守しなければならない数多くのルールが存在します。

漁の仕方だけではなく、魚船の登録を行ったり、魚を獲る場所を指定されていたりと、そのルールは非常に細かく厳格です。

乱獲をすることなく、限られた海洋資源を守るために、決められたルールに則って自然環境を保護しつつ適正量を獲る。私たちはこのようなルールを遵守した上で、獲られた魚を原材料に使用しています。」

環境を守るための厳しいルールがあり、そのルールが守られた魚だけを原材料にしているということですね

はい。わたしたちは信頼性の高いフードにこだわって作りたいと考えているからです。ヨーロッパでは環境に対する関心・意識が高まってきています。日本ではイメージがしにくいかもしれませんが、サステナブルであると認定されるのは非常に難しいことなのです。

魚を乱獲してしまうと環境破壊につながるということが根底にあるため、漁師が認証を得るためには監査を受けなければなりません。規定のルールに従っていないと【認証を受けた漁の方法で獲っている】ということが名乗れないのです。

ヨーロッパでは、一般の消費者がお店で売っている魚を買うときに【認証を受けた魚かどうか】がわかるようになっています。意識の高い消費者は、その観点から商品を選んでいます。

デクラ社のスペシフィックフードも、そこに水準を合わせ、信頼性の高いものをこだわって作っているのです。

TOPIC 02

原材料のこだわりについて

なぜ、そこまでして原材料にこだわりを持っているのでしょうか?

「それは私たちが【サークル オブ グッド (Circle of Good) 】と呼ぶ理念を持っているからです。
【サークル オブ グッド】のポイントは次の2点です。

1. 将来的に環境を維持していける「サステナブルな製造」を追求すること。
2. 私たちの利益の最大5%を「良いこと」、おもに海洋環境関連事業に寄付すること

 

まず、1番目のサステナブルな製造を追求することですが、先ほどご説明した原材料を選ぶ基準もそのひとつです。しかしそれだけではありません。

・プラスチックの消費量を減らすためにパッケージの原材料を変更する
(プラスチック使用料を年間約18トン削減)
・CO2排出を抑制するためにソーラーパネルを工場の屋根につける
(CO2排出量を年間約25トン削減)
 
・照明をLEDにする
・船やトラックでの輸送の際に積み方を工夫して台数を減らす

など、製造過程でも環境保護を意識しています。

スペシフィックフードが常にペットにとって最適であるために、細部まで厳しくコントロールされ、定められた方法で製造しています。

そしてもうひとつ、私たちの利益の最大5%を「良いこと」に寄付する活動も行っています。
特にデクラ では「The Ocean Cleanup活動」へのサポートに力を注いでいます。

TOPIC 03

「The Ocean Cleanup活動」について

デクラ社が「The Ocean Cleanup活動」を支援している理由は何でしょうか?

「それは【The Ocean Cleanup活動】が海のプラスチックを取り除くための活動をしているからです。
スペシフィックフードは魚由来のフードです。栄養に優れ、健康を維持するフードを作るために、原材料である【魚】を産み出す環境をサポートすることこそ、 私たちの責任であると考えています。

【The Ocean Cleanup活動】は海流と風を利用し、自然の力でプラスチックを海から除去しようとしています。
海にはマイクロプラスチックという、5mm以下のプラスチックごみが5兆個以上あると言われています。それをプランクトンが食べ、そのプランクトンを大きい魚が食べ、最終的に人間が食べてしまうという、食物連鎖が起きているのです。

この状態を放置すれば、プラスチックは私たちの生態系を破壊することにもなりかねません。だからこそ、マイクロプラスチックの原因となるゴミを海洋から取り除く必要があるのです。

しかし、5兆個以上あるプラスチックごみを、手作業でとるというわけにもいきません。
そこで海に浮かべると、どんどんとサークルの中にゴミが集まってくるという装置を作り出し、その装置によって海からプラスチックを除去しています。

フードメーカーが海の環境を守るというところまで踏み込む、その意識が大切だと思っています。そして、私たちはずっと環境を維持し続けるための旅の途中なのです。ゴールはきっとないでしょうね。

TOPIC 04

メッセージ

最後に、日本のユーザーにメッセージをお願いします!

まずは長い間ご愛顧いただき、本当にありがとうございます。私たちの身近な存在であるペットの健康を管理するためも、病気のペットを栄養学に基づいてサポートするためにも、フードは非常に重要な役割を担っています。そして、これには魚のたくさんの良いところが役立つと私たちは信じています。

デクラ社ではペットが健康に過ごせるように、日本の皆さんに良い製品を提供しつづけていきたいと思っています。これからも、ぜひよろしくお願いします。

いかがでしたか。スペシフィックフードを開発するデクラ のバーバラ・ゾットメイヤー氏にお話をお伺いしました。特に、より良質なフードを作るために原材料の魚にこだわるだけでなく、魚の住む海の環境をよりよくするサポートも行っているという話には、とっても驚きました。スペシフィックフードは、動物病院で販売されています。ぜひ、興味を持った方は試してみてください!

テクニカル&マーケティングマネージャーのご紹介

Dr. Barbara Zottmaier(バーバラ・ゾットメイヤー)

Dechra Veterinary Products社 テクニカル&マーケティング・マネージャー
獣医師。動物栄養学専攻。スイス大学卒業後、ドイツにて臨床獣医師として勤務。
2011年デクラ社入社、プロダクトマネージメントに従事
2016年MBA取得
2018年から現職、インターナショナル・チームで各国の市場をサポート

著者情報

UCHINOCO編集部

UCHINOCO編集部では、ペットに関するお役立ち情報をお届けしています。

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