外国語で「猫」はどう表現する?
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同じ「猫」を意味する言葉でも、国や地域によって表現が少しずつ違います。
なかには、猫の性別によって異なる表現を使う外国語もありますよ。
まずは、外国語で「猫」はどう表現するかについて、主な言語を中心に解説します。
中国語では「猫(マオ)」
中国語において猫は「マオ」と言い、漢字では日本語と同じく「猫」と書きます。
子猫を表す言葉は「小猫(シャオマオミィ)」や「猫咪(マオミイ)」です。
「小」は「小さい」を意味する中国語。「咪」は猫の鳴き声を表す擬声語であり、どちらも「猫ちゃん」という意味で使われることもあります。
中国は古くから猫と人が共生していたためか猫好きが多く、猫に関するスラングも多く存在していますよ。
韓国語では「コヤンイ」
韓国語において猫は「コヤンイ」と呼びます。子猫の場合は「チャングコヤンイ」と言います。
「チャング」は韓国語「小さい」を意味する単語です。
ちなみに韓国では昔、猫が不幸の象徴とされていました。しかし近年では、若者を中心とした猫ブームにより、SNSには多くの猫が登場し、猫関連グッズも多数あります。犬とともにペットとして人気を集めているようです。
英語は「cat」
猫を意味する英語の表現である「cat」は知っている人も多いでしょう。
「cat」はあくまで猫の総称であり、厳密にはオス猫を「Tomcat(トムキャット)」、メス猫は「Tabby(タビー)」と表現します。
ちなみに「tabby cat」という表現もありますが、こちらはトラネコやぶち模様の猫を指すことが一般的です。子猫については「kitten」または「Kitty」と表現します。
ドイツ語では「Katze」または「Kater」
ドイツ語における猫は「Katze(カッツェ)」。この表現はオス猫・メス猫のどちらにも使えますよ。
明確に性別に合わせて表現したい場合は、オス猫は「Kater(カーター)」と呼ぶこともあります。
また、子猫を表す表現は「Katchen(ケッツヒェン)」。
ここで言う「chen(ヒェン)」とは、小さくて可愛らしいものを意味する表現です。
「○○ちゃん」という意味でも使われているため、「Katchen」は日本語における「猫ちゃん」という意味にもなりますよ。
スペイン語・ポルトガル語では「Gato」
スペイン語やポルトガル語を使う地域では、猫を「Gato(ガト)」と言います。
読み方はほぼ同じですが、厳密にはスペイン語では「ガート」と音を伸して発音するのが一般的です。子猫については「gatito(ガティート)」と表現します。
ちなみに、イタリアもスペイン・ポルトガルに表現がよく似ており「Gatto(ガット)」と表現しますよ。
オス猫は「gatto(ガット)」、メス猫は「gatta(ガッタ)」です。
アラビア語では「キット」
エジプトをはじめとした地域で使われるアラビア語において、猫は「キット」と表現するのが一般的です。
オス猫を「キットゥ」、メス猫は「キッタ」と発音します。
アラビア語には多くの方言があるため、厳密には地域によって発音・読み方が異なります。
なお、アラビア語の元である古代エジプト語において猫は「マウ」。
猫の種類の1つであるエジプシャンマウも、この単語を元に「エジプトの猫」という意味で名づけられたとされています。
ちなみに、エジプトでは古くからバステトという猫の女神様が崇拝されてきたこともあって、猫好きな人が多い地域といえるでしょう。
猫の鳴き声は外国語でどう表現する?
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「猫」を意味する言葉以外にも、猫の鳴き声についても国によって表現に違いがありますよ。外国語で猫の鳴き声を表す場合、代表的なものには次のような表現があります。
・英語(イギリス):「meow(ミャウ)」
・英語(アメリカ):「mew(ミュー)」
・中国語:「miao(ミャオ)」
・韓国語:「yaong(ヤオン)」
・ドイツ語:「miau(ミアォ)」
・スペイン語:「miau(ミャウ)」
多くの表現において「m」の音から始まっているという共通点がありますね。
どれも猫の鳴き声の特徴を上手く捉えた擬音語といえるでしょう。
ちなみに日本語では「にゃーにゃー」という表現が一般的。しかし、平安時代は「ねうねう」と書いて「ねんねん」と言っていたようです。一説によると、現在のような表現になったのは江戸時代とされています。
外国語における猫に関する面白い表現
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外国語のなかには、猫に関する面白い表現もありますよ。ここからは、猫に関する面白い外国語の表現を紹介します。
猫好きにとっては「わかる!」とうなずける言葉もありますので、ぜひチェックしてみてください。
ミャオシンレン(中国語)
台湾などで使われる「ミャオシンレン」とは、猫そのものを指す中国語。
直訳すると「にゃん星人」という意味のネットスラングです。
自由気ままかつマイペースであり、愛情表現が分かりにくい傾向がある猫の特徴に由来しています。
猫の気難しい部分や、行動の予測ができない様子できず、私たちが翻弄されることから「まるで違う星に住む宇宙人だ」という意味を込めて作られた言葉とされています。
猫奴(中国語)
中国語の「猫奴」は「マオヌー」と読み、直訳すると「猫の奴隷」という意味です。
一般的には、猫が好きすぎて何をされても幸せに感じる人のことを指します。
「ミャオシンレン」とともに、中国語のSNSなどでもよく使われますよ。
catloaf(英語)
英語の「catloaf(キャットローフ)」とは、SNSで誕生した英語の表現です。
日本語で言う「香箱座り」を表します。
「loaf」とは、パンやケーキなどの「塊」またはパンそのものを意味する英語です。
香箱座りをする猫の姿が、まるで一斤の食パンの塊のように見えることから、この表現が使われるようになったとされています。
Catastic(英語)
「Catastic(キャッタスティック)」とは、「catloaf」と同じくSNSで誕生した表現です。
「すばらしい」や「素敵」などを意味する「Fantastic(ファンタスティック)」が元になった単語であり、全く同じ意味で使われます。
猫に関するSNS投稿をするときなどにおいて「可愛い」「最高」という意味で使えますよ。
「Have a catastic day!(=素敵な一日を過ごしてね)」といったように、猫好き同士の挨拶に使われることもあります。
猫を表す外国語を学んで、世界の猫好きと交流してみよう!
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同じ猫に関する意味であっても、言語によって音の響きや文字の綴りは大きく異なります。しかし、国や地域ごとの「猫」を意味する言葉が分かれば、海外の猫好きとの交流がもっと楽しくなるでしょう。ぜひ本記事で紹介した外国語の表現を使ってみてくださいね。
著者情報

西野由樹
生粋の犬好きなフリーランスWebライター。執筆のお供はコーヒーと愛犬のマルチーズ「こたろう」。
やんちゃな愛犬にちょっかいを出されつつ、今日も実体験・調査に基づいた執筆で、読んで楽しい記事づくりに勤しむ。