猫のお尻を叩くと喜ぶ理由
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まずは本題である、猫のお尻を叩くと喜ぶ理由を解説します。
猫がお尻を上げて喜ぶのは、猫なりの理由があるのです。
気持ち良いから
猫がお尻を叩くと喜ぶのは、単純に気持ち良いからです。
特に猫の尻尾の付け根部分は、生殖器に繋がる神経があるため、刺激されると気持ち良いのでしょう。
しかし、子猫の頃に避妊手術をしたメス猫であれば、お尻を叩いても気持ちよさがわからないかもしれません。
一度でも発情期を経験している猫であれば、避妊手術をした後でもお尻を叩かれるのを喜ぶ傾向にあります。
避妊手術をしていないメス猫が喜ぶことが多い
避妊手術をしていないメス猫は、お尻を叩かれることで生殖器への神経に刺激が与えられるため、避妊手術をしたメス猫よりも気持ちよさそうな顔をするでしょう。
逆に、避妊手術をしたメス猫はお尻を叩かれても避妊手術前の記憶がよみがえるだけで、実際に気持ち良いとは感じていない可能性もあります。
飼い主への愛情表現
お尻を叩いてほしくて、猫が飼い主にお尻を向けることがありますが、基本的に猫は敵に背後を見せることはありません。背後を見せる=いつ攻撃されてもおかしくないことを意味します。敵であったり、信用していなかったりする相手に、自分のお尻を見せることはない、ということを考えると、猫がお尻を飼い主に見せる行為は、信頼関係が築けていることを意味します。この人なら安心、自分を攻撃するようなことは絶対にしないと思っているからこその愛情表現と捉えることができるでしょう。
愛情表現を示してくれる猫が、お尻を叩いてほしいのか、ポンポンしてほしいのか、はたまた撫でてほしいのか、飼い主はしぐさなどから判断して、一番喜ぶことをしてあげるとよいでしょう。
お尻を叩かれるのを嫌がる猫もいる
猫によっては、お尻を叩かれるのを嫌がることもあります。
なぜなら、お尻には生殖器に繋がる神経以外にも、さまざまな神経が通っているからです。
神経を刺激されるのは、多くの猫にとってはストレスとなる可能性があります。
特に、発情期を経験していないうちに避妊手術をしたメス猫やオス猫、そして子猫などはお尻を叩かれても気持ちよさを感じないため、嫌がることが多いでしょう。
場合によっては、お尻を叩くことで猫に嚙まれたり引っかかれたりすることもあるため、注意しなければなりません。
猫のお尻を叩く際の注意点
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猫のお尻を叩く際にも、注意をしなければならないポイントがあります。
猫に喜んでもらうために、これらの注意点を必ず守るようにしましょう。
優しく叩く
猫のお尻を叩く際は、必ず優しく叩くようにしましょう。
先述したように、猫のお尻には多くの神経が通っています。
そのため、強く叩くと猫の身体に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
猫のお尻を叩くときは、指で軽くポンポンと叩きます。
小さな子供を撫でるときのように、優しく触れるのがおすすめです。
ちなみに、神経が多く通ったお尻は、日頃からあまり刺激をしないようにしましょう。
お尻には猫の排泄に関する神経も通っており、刺激しすぎると神経を痛めてしまう原因になります。
メス猫以外は意味がない
先述したように、お尻を叩くことで喜ぶのは発情期を経験したメス猫のみです。
そのため、メス猫以外はお尻をむやみに叩かないようにしましょう。
神経が多く通うお尻は、子猫やシニア猫などにとって大きな刺激となってしまいます。
お尻を触るのを嫌がるときは怪我や病気を疑う
猫のお尻を強く叩くのはもちろん避けなければならないことですが、優しくポンポンと叩くのも嫌がるようであれば、怪我や病気を疑ったほうが良いかもしれません。
神経の病気や骨折など、お尻まわりに関わるものが原因でお尻を触られることを嫌がっている可能性があります。
猫がお尻まわりを怪我する原因はさまざまですが、主に高い場所からの落下や猫同士の喧嘩、交通事故などが挙げられます。
猫が撫でられて喜ぶ部位
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猫が叩いたり撫でたりされて喜ぶ部位は、お尻だけではありません。
最後に、猫が撫でられて喜ぶ部位をご紹介します。
顎・喉
猫を撫でる際に、顎や喉を撫でる人は多いでしょう。
顎や喉を撫でると、猫はゴロゴロと喉を鳴らして気持ちよさそうにします。
ちなみに、猫の喉を撫でると「もっと撫でて!」と甘えて噛んでくることもあります。
頭
猫は、頭やおでこを撫でられるのも好きです。
喉に続き、頭を撫でることも多いでしょう。
頭を撫でることで、猫は甘えるように頭を突き出します。
また、猫のおでこはフェロモンのにおいが出る部分なので、猫にとっては気持ち良い部位といえるでしょう。
鼻まわり
猫は、鼻まわりを触られるのも好みます。
指先で、鼻を直接撫でても喜ぶでしょう。
また、猫は頬からフェロモンを出すこともあるため、頬を撫でられるのも好きです。
背中
背中を撫でられて、嫌がる猫は少ないでしょう。
しかし、野良猫などの場合は、背中は自分の目の届く範囲ではないため、嫌がることもあります。
飼い猫であれば、背中をブラッシングすると目をとろんとさせて気持ちよさそうにします。
お腹や後ろ足を撫でるのは嫌がる
猫は、お腹や後ろ足を撫でられるのは嫌いです。
お腹は猫にとって急所ですし、後ろ足は急に逃げ出すときに必要な部位なので、触られたくないのでしょう。
信頼関係が築けている猫であればお腹を撫でても問題ないでしょうが、はじめて会う猫の場合は、お腹を撫でると噛まれたり引っかかれたりする可能性があります。
また、信頼関係が築けていても、身動きをとりにくくなることから、後ろ足を触られるのは嫌がることが多いです。
お尻ポンポンはすべての猫が喜ぶわけではない
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猫がお尻を叩かれて喜ぶのは、生殖器に繋がる神経に刺激があるからです。
一度でも発情期を経験したことのあるメス猫は、お尻を軽く叩いてあげると気持ち良さそうにするでしょう。
しかし、避妊手術をしたメス猫やオス猫、子猫などはお尻を刺激されても気持ち良さを感じません。
むしろ、お尻にある神経を刺激してしまうだけなので、むやみに叩かないほうが良いでしょう。
猫との信頼関係を築くためにも、猫が本当に喜ぶ部位を見極めることが大切です。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。