「腰トントン」とは?
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「腰トントン」とは文字通り、猫の腰の辺りトントンと叩く行為です。「腰ポンポン」や「お尻トントン」など呼び方は人によってそれぞれです。尻尾の付け根の近くを優しく叩くということですね。
猫に「腰トントン」をするとこんな様子を見せてくれます。
・お尻を持ち上げる
・尻尾がピンっと伸びる
・喉をゴロゴロ鳴らす
・甘えた声で鳴く
・ウットリした顔になる
・ゴロンと横になってお腹を見せる など
猫によって反応がさまざまなところも面白いですね。
なぜ「腰トントン」が好きなのか
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猫の腰の部分にある骨盤は「寛骨(かんこつ)」「腸骨(ちょうこつ)」「恥骨(ちこつ)」「挫骨(ざこつ)」そして「仙骨(仙骨)」で成り立っている骨格で半球型をしています。
そして尻尾の付け根あたり、ちょうど「腰トントン」をする位置に「仙骨」があります。この骨の脊髄の中はたくさんの神経が集まっている重要な場所なのです。
その神経の中に生殖器に繋がる神経も含まれており、腰をトントンされると交尾に近い感覚を得られるため気持ちがいいと感じるそうです。
「腰トントン」で喜ぶのは主にメス猫
「腰トントン」を喜ぶのはメス猫が圧倒的に多いとされています。さらにその中でも発情期を経験した猫は特に喜んでお尻をあげるポーズをとります。
交尾の際メス猫がオス猫を受け入れるポーズと同じであることからも、気持ちよく感じている事がわかりますね。
全ての猫が喜ぶわけではない
オスの猫や、発情期を経験したことのない子猫、発情期を経験する前に避妊や去勢手術を受けている猫に「腰トントン」をしてもあまり反応が見られないことが多いです。
中には「腰トントン」が嫌いな猫や、神経が集中している大事な場所を触られてビックリしてしまう猫もいるので注意してください。
やり過ぎには注意!
猫に「腰トントン」をして喜んでくれると、こちらも嬉しくてもっとしてあげたくなりますよね。ですが、やり過ぎには注意が必要です。
猫が嫌がっていたり、して欲しくないと思っている時に過剰にトントンしてしまうと噛み付かれたり、引っ掻かれたりする場合があります。
持ち上げていたお尻を下ろしたりと何らかのサインを注意深く観察しながらトントンしてあげてください。
また、尻尾の付け根近くは神経が密集している場所なので力が強いと嫌がる傾向があります。
「腰トントン」の他に触られると喜ぶ場所とは?
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「腰トントン」以外にも猫には触られると気持ちのいい場所がいくつかあります。
頬や顎の下などの顔まわりです。これらの部位は自分では舐めることができない部分なので、撫でてあげると喜んでくれますよ。
頬は指などで頬の口に沿って優しく撫でるといいでしょうヒゲを触ると嫌がるので気をつけながら撫でてください。
顎の下は毛の流れに沿って顎から首に向かって撫でたり、カリカリと優しく掻いてあげても喜びます。
他にも耳の付け根や目と目の間の眉間、頭など顔まわりは猫の好きなポイントが多いので、スキンシップが取りやすい場所です。
背中も自分では舐めることができないので喜びますが、中には嫌がる猫もいるので反応を見ながら行いましょう。
「腰トントン」だけでなく他の猫が好きな場所を撫でてあげることでより深いコミュニケーションが期待できますね。
触られるのを嫌がる場所
触られると喜ぶ場所の反対に触られたくない、猫が嫌がる場所があります。
嫌がっているのに触り続けると噛まれたり、引っ掻かれたりすることがあるので注意しましょう。
まずはお腹です。お腹には内臓があるので、本能的に守る意識が働き触られるのを嫌がります。稀に心を許した飼い主さんにはお腹を撫でさせてくれる場合もあります。
次に足の裏、特に後ろ足の裏も嫌がる場所です。これは猫の高い身体能力を発揮する為の大事な場所だからです。素早く走ったりジャンプしたりする時に大切な役割を持っているからですね。肉球は可愛らしいのでつい触りたくなりますが触る時は前足をほどほどにしておきましょう。
その他にも尻尾やヒゲは敏感な部分なので嫌がる猫が多い場所です。
「尻尾をバシバシと床に打ち付ける」「耳クイッとそらせる」など猫の嫌がっているサインが出ていたら触るのをやめましょう。
猫の様子をよく観察しよう!
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猫が「腰トントン」を好きな理由が、交尾の感覚に似ているからというのは予想外だった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、オス猫や子猫などのように「腰トントン」が好きではない猫もいるので、触る時には猫の反応をよく観察するようにしましょう。
尻尾の付け根付近は神経がたくさん集まっているので「腰トントン」のやりすぎには注意して、顔まわりなど他の猫が喜ぶ場所を触ってあげてください。
また猫の性格や慣れなど個体差もあるので、触っているときは猫の様子をよく観察し嫌がっているサインに気づいたら必ずやめることが大切です。
可愛い猫と触れ合うことは私たちに安らぎや癒しを与えてくれたり、ストレスの解消に繋がったりと嬉しい効果が期待できます。
さらに猫の体に触れることで皮膚の炎症などの健康チェックも同時に行うことができます。
正しい知識を持って触ってあげることで猫との絆もより深めることができそうですね。
著者情報
Hanaco
子育てをしながら、専業主婦ワーカーとしてお仕事をさせていただいております。以前はチワワを2匹飼っていました。
調べることや文章を考えることが好きで、自分の考えや経験などを活かせるようなお仕事をしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。