犬を自転車に乗せるのは法律違反?注意すべきポイントを徹底解説

自転車に犬を乗せている方をたまに見かけることがあります。愛犬と一緒に風を切りながら走るのはとても気持ちのいいことでしょう。しかし一方で、犬を自転車に乗せるのは法的に問題ないのか?と疑問に思う方がいるのも事実です。そこで今回は、「犬を自転車に乗せてもよいのか」について解説します。 2023年03月11日作成

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犬を自転車に乗せてもいいのでしょうか?法律的な観点からも注意すべき点があるため、法律違反にならないようにしっかりと理解しておきましょう。

犬を自転車に乗せるのは法律違反にあたるの?

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犬を自転車に乗せるのは法律違反なのでしょうか?結論からいうと、きちんとした方法で乗せている場合は問題ありません。

では、どのようなケースだと違反となる恐れがあるのでしょう。例をあげると、犬を自転車のかごにそのまま入れて走行する行為や、犬のリードを片手で引っ張りながら自転車を漕ぐ行為などは、道路交通法第70条に違反する可能性があります。

道路交通法第70条では、以下の内容で違反行為について定めています。

車両等の運転者は、当 該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
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自転車は車などと同じように「車両」に分類される乗り物です。そのため、条文でいう運転者には、安全運転をおこなう義務が発生します。

安全運転の定義はさまざまですが、かごに入れた犬が暴れてハンドルがうまく切れない、片手でリードを持ちながら運転しているためバランスが取りづらいなど、明らかに安全運転が難しいと予想されるこれらのケースは、取り締まりを受ける可能性が高いといえるでしょう。

また、法的な問題だけでなく、犬を自転車に乗せるのはあまりおすすめしません。もちろん、専用のグッズを使って適切に乗せるのであればよいのですが、それを怠ってしまうと、かごからの落下事故、リードにつないだ犬が車と接触するなど、まわりに迷惑をかけるだけでなく、愛犬がケガを負ってしまう可能性もあります。

ほとんどの飼い主さんはちゃんと対策しているでしょうが、一部のマナーを守れない人たちのことを考えると、犬を自転車に乗せること自体あまり推奨はできないといわざるを得ません。

犬を自転車に乗せることを想定したグッズもある 

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犬を自転車に乗せるのはリスクがある行為です。しかし、それを補うためのグッズも販売されています。もしも愛犬を自転車に乗せる必要がある場合には、以下であげるグッズを活用してみるとよいでしょう。

犬を自転車に乗せる際に役立つ便利グッズ

  • かご用バッグ(トートタイプ、キャリータイプ、折りたたみタイプ など)
  • ペットトレーラー(自転車の後ろに連結させるトレーラー)

基本的に前かごへ設置するタイプのバッグが数多く販売されています。そのほか、飼い主が運転する自転車と連結されるペット用トレーラーなどもあります。

これらのグッズを活用することで犬を乗せる際の安定性は高くなりますが、自転車のかご部分へしっかり装着できるか、トレーラーを設置すると自転車の保管に場所を取り過ぎてしまうなど、気にかけるべきポイントは少なくありません。

またこれらの製品は、海外のメーカーが販売する物も多いため、購入を検討する際は日本の法律に適した製品であるか事前に確認しましょう。

犬を自転車へ乗せる際に注意すべきポイント

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犬を自転車へ乗せると際に注意すべきポイントを3つご紹介します。

安定した自転車を選ぶ

自転車からの振動が搭乗している犬にもかかるため、安定性の高い自転車を選ぶ必要があります。フレームやタイヤの作りを確認し、愛犬を乗せても問題ない自転車か確認しておきましょう。

天気が悪い日は乗せない

犬を自転車に乗せる際は天気が悪い日、気温が高い日などを避けます。雨に濡れて風邪を引く、暑い日であれば熱中症の危険性があるなど、犬の体にかかる負担は計り知れません。

雷の音を聞いてパニックになってしまう犬もいますので、天気が崩れそうななか、どうしても犬を同行させなければならないときは車を利用しましょう。

目を離さない

犬は自転車上でどんな行動を取るかわかりません。そのため、落下や転倒事故などを防止する意味合いからも、愛犬から絶対に目を離さないようにします。

愛犬を放置して買い物へ出かける方がまれにいますが、事故の危険性だけでなく鳴き声などによって周りの迷惑になることもあります。

犬を不安にさせない、飼い主としてのマナーを守る、この2つの点からも、目を離さないという姿勢はとても大切です。

子犬やシニア犬を自転車に乗せてもいいの?

子犬やシニア犬を自転車に乗せるのはおすすめできません。理由としては、子犬は骨の形成段階であることから、自転車から伝わる長時間の振動によって痛みを感じる可能性があるためです。

また、シニア犬は関節が思うように動かなくなっているケースが多く痛みをともなっているケースもあります。自転車に長時間乗せると、より痛みを強く感じさせてしまう要因になります。

子犬やシニア犬をどうしても自転車に乗せなければならないという場合は、クッションなどを用いて安定性・快適性を高める、短時間で済ませるなどの対策を考えましょう。

愛犬を自転車に乗せる際はつねに気にかけてあげましょう 

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今回は「犬を自転車に乗せてもいいのか」について解説しました。法的には、安全運転を妨げないのであれば問題ありませんが、犬の安全を考えるとあまりおすすめはできません。

もちろん「愛犬といつも自転車で散歩に行ってるよ!」という飼い主さんもいると思います。
そのような方は、今後も周りに配慮したうえで愛犬がケガをしないようにしてあげてください。

犬を自転車に乗せるということは、「みずからの命だけでなく愛犬の命も背負いながら運転する」ということです。

愛犬を自転車に乗せる機会がある場合は、一瞬のわき見運転が大切な家族を傷つけてしまうかもしれないということを忘れないようにしましょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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