猫の「虫下し」とは?
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猫の虫下しと聞いても、ピンとこない人もいるかもしれません。
まずは、猫の虫下しについて知っておきましょう。
猫に寄生した寄生虫を駆虫するための薬
猫は、何らかの理由で寄生虫に寄生されることがあります。
虫下しは、猫に寄生した寄生虫を駆虫するための薬です。
しかし、猫に虫下しを飲ませたからといって、すべての寄生虫が取り除かれるわけではありません。
虫下しには数種類あるため、対象の寄生虫に効果を示すか与える前にきちんと確認する必要があります。
ペットショップやホームセンターに犬や猫の駆虫薬が販売されていますが、当然ながらこれもすべての寄生虫に効果があるわけではないため、注意しなければなりません。
ちなみに、猫の虫下しは錠剤や粉薬などの飲み薬だけではなく、滴下タイプのものもあります。
猫の虫下しの選び方
当然ながら、獣医師でない限りは猫にどの寄生虫に効果がある虫下しを与えれば良いかわからないはずです。
薬は副作用もあるため、素人が判断して与えて良いものではありません。
そのため、もしも愛猫に寄生虫が見つかった場合は、動物病院へ連れて行って獣医師からのアドバイスをもらうようにしましょう。
飼い主の判断で与えることができるのは、市販されているノミやダニからの寄生を予防するための薬くらいかもしれません。
猫の寄生虫の見つけ方
猫の寄生虫はさまざまな種類があり、人間の目では見えないものもあります。
基本的には、猫の便に混ざっていることが多いです。
便に混ざった寄生虫は肉眼で見ることは困難なため、動物病院へ寄生虫を見つけることが無難でしょう。
検便をすることで、猫に寄生している寄生虫を見つけることができるはずです。
猫の寄生虫対策
猫が寄生虫に寄生されないためには、猫を完全室内飼いにするしかありません。
寄生虫は草むらやほかの動物に寄生していることが多く、外飼いをしている猫であればどうやっても寄生虫に寄生されるリスクはあるでしょう。
また、飼い主のズボンなどに寄生虫が付着する可能性もゼロではありません。
しかし飼い主のズボンに寄生虫が付着する可能性は低いので、やはり猫を完全室内飼いにすることが、一番の寄生虫の対策方法といえるでしょう。
猫に感染する寄生虫とは?
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猫に感染する寄生虫は、数種類あります。
寄生虫の種類と寄生された際の症状を、念のため知っておくと良いでしょう。
回虫(かいちゅう)
回虫は、虫の卵を口から取り込む、子猫であれば母猫の母乳などから通じて感染します。
回虫に寄生される大きな特徴は、回虫に寄生されても目に見える症状が現れにくい点です。
回虫は猫の腸管の中に寄生し、猫が食べた物を栄養にしています。
しかし、回虫が猫の腸管を傷つけることはないので、先述したように寄生されることによる症状はほとんどありません。
ちなみに、回虫は人間に寄生することは稀ですが、万が一回虫に寄生されるとトキソカラ症という重篤な症状が現れる可能性があるため、注意しましょう。
鞭虫(べんちゅう)
鞭虫も、猫が口から虫の卵を取り込むことで寄生する寄生虫です。
体長は約7cmとそれなりに大きく、腸管粘膜に噛みついて寄生するため、猫に下痢や血便などの症状が現れます。
鉤虫(こうちゅう)
鉤虫は、体長約2cmの小さな寄生虫です。
鉤虫もほかの寄生虫同様に、虫の卵や母猫の母乳を通じて感染します。
猫が鉤虫に寄生されると、下痢や血便、貧血などの症状が現れるでしょう。
子猫の場合は、命に関わる可能性もあるため、十分に注意しなければなりません。
瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)
瓜実条虫の幼虫は、ノミに寄生しています。
外飼いをしている猫が草むらなどを歩いてノミに寄生され、その後猫が毛づくろいをして自分の被毛を舐めた時にノミを口にしてしまうと、瓜実条虫に寄生されてしまいます。
瓜実条虫が猫に寄生すると、寄生したのが少数であれば症状が出ないこともありますが、寄生した数が多ければ下痢や食欲不振などの症状がみられるでしょう。
猫の虫下しの飲ませ方・副作用
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最後に、猫の虫下しの飲ませ方を解説します。
併せて、虫下しの副作用についても見ていきましょう。
飲ませる時期をしっかり考慮する
猫の虫下しは、時期を考慮する必要があります。
猫の体内で寄生虫が増えている時は、虫下しの副作用が強くなる傾向にあります。
また、子猫やシニア猫の場合は、副作用に耐えられずに命を落としてしまうこともあるでしょう。
そのため、猫に虫下しを飲ませる際は獣医師としっかり相談することをおすすめします。
効果のある薬を正しく飲ませる
先述したように、猫に寄生している寄生虫に効果がある虫下しを飲ませなければ、意味がありません。
寄生虫に合った薬を使わなければ、意味がないのはもちろん、副作用が出る可能性も高くなります。
そのため、飼い主が寄生虫を見つけることができたとしても、素人判断をせずに獣医師に確認したほうが良いでしょう。
確実に飲ませる
寄生虫の薬は、2~3回与える必要があります。
そのすべてをきちんと飲ませないと寄生虫を取り除くことはできないため、猫が嫌がったり吐き出したりしないように飲ませなければなりません。
やはり一番良いのは、獣医師に飲ませてもらうことでしょう。
猫の虫下しの副作用
猫の虫下しの副作用としては、下痢や嘔吐などの消化器症状が多いです。
特にシニア猫や子猫は強い副作用がでやすいため、虫下しを与える際は十分に注意しなければなりません。
また、食欲不振などの副作用もみられることがありますが、最悪の場合は命に関わる副作用が現れる可能性があることから、虫下しを与える際は獣医師としっかり相談したほうが良さそうです。
猫の虫下しはきちんと判断しよう
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猫には、さまざまな寄生虫が寄生する可能性があります。
大切なのは、検便などで早めに寄生虫を見つけて対処することです。
寄生虫によって下痢や嘔吐などの症状が現れて身体が弱っている時に虫下しを飲ませると、副作用によって命にかかわる可能性もあります。
また、虫下しは与える時期を考慮して、獣医師の判断のもとで飲ませるようにしましょう。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。