犬にたまねぎは絶対NG!理由や誤飲時の対処方法をご紹介

「犬にたまねぎを与えるのは、絶対にダメ」ということは、ほとんどの愛犬家が知っていることでしょう。
ですが、なぜ犬はたまねぎを食べてはいけないかを理解していますか?
この記事では、犬にたまねぎを与える危険性について解説します。 2021年11月12日作成

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犬にたまねぎを絶対に食べさせてはいけない理由

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まずは本題である、犬にたまねぎを絶対に食べさせてはいけない理由について見ていきましょう。
また、どれだけの量を与えると犬にとって危険なのかも解説します。

犬にとって有害な有機チオ硫酸化合物が含まれている

たまねぎには、有機チオ硫酸化合物という成分が含まれています。
これは、私たち人間にとっては血栓症系の病気の予防にもなる成分ですが、犬にとっては有害です。
この有機チオ硫酸化合物によって、犬は中毒症状を引き起こしてしまうでしょう。
当然のことながら、同じねぎ類である長ネギやにんにくなども犬に与えてはいけません。

どれくらいの量を食べると危険?

犬は、一度に体重の0.5%以上のたまねぎを食べると中毒症状が現れるといわれています。
また、犬の体重1kgあたり15~30gのたまねぎを食べることでも中毒症状は現れるでしょう。
体重の0.5%というと、3kgほどの小型犬であれば15gのたまねぎを食べると危険ということになります。
そのため、犬の手の届く場所にたまねぎを置かないことはもちろん、調理中にキッチンに犬を入れることもやめさせたほうがよいといえるでしょう。

たまねぎのにおいも危険?

たまねぎを触ると、ねぎ類特有の強いにおいを感じるでしょう。
このにおいも、有機チオ硫酸化合物が含まれているといわれています。
そのため、たまねぎのにおいが付いた飼い主の手を犬が舐めることでも、たまねぎ中毒を引き起こしてしまうことがあるでしょう。
もちろん、直接たまねぎを食べるよりは中毒になる可能性は低いです。
しかし、念のためたまねぎを触った後は、石鹸でしっかりと手を洗ってから犬を触るようにしましょう。

犬がたまねぎを食べたときに見られる中毒症状

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犬がいつもと様子が違っていたら、それはなんらかの中毒症状かもしれません。
もしも犬の手の届く場所にたまねぎを置いていたのであれば、犬がたまねぎを誤飲した可能性も考えられるでしょう。
それでは、犬がたまねぎを食べたときに見られる中毒症状をご紹介します。

下痢・嘔吐

犬がたまねぎを食べてしまったときに見られる中毒症状として、下痢や嘔吐が挙げられます。
ほかの食べ物による中毒症状にも見られますが、犬が下痢や嘔吐をしたときには身体になんらかの不調があることを知っておきましょう。

元気がなくなる

犬は、基本的に多少の体調不良でも元気に走り回りますし、食欲がなくなることもありません。
しかし、たまねぎ中毒によって明らかに元気がなくなる場合があります。
また、食欲不振になることもあるでしょう。
犬がぐったりとして元気がないようであれば、なるべく早めに対処をする必要があるでしょう。

溶血性貧血

犬がたまねぎを食べることにより、有機チオ硫酸化合物などの有害物質が赤血球の中にあるヘモグロビンを酸化させます。
そうすることにより、溶血性貧血を引き起こしてしまうでしょう。
この溶血性貧血こそが、犬にたまねぎを絶対に食べさせてはいけない理由のひとつです。
溶血性貧血は、軽症のうちは先述したように下痢や嘔吐などが現れますが、重症化すると吐血や血尿、痙攣などにより命に関わることもあります。

犬がたまねぎを食べてしまった際の対処方法

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犬がたまねぎを食べてしまった際には、正しい対処をしなければなりません。
犬の命を守るためにも、正しい対処方法を知っておきましょう。

犬がたまねぎを食べた瞬間を見ても慌てない

もしも、犬がたまねぎを食べた瞬間を目撃したのなら、慌てずに対処しましょう。
まずは、犬を叱ったり慌てさせたりしてはいけません。
犬がたまねぎを食べているときに叱ってしまうと、犬は飼い主に取られると考えて急いでたまねぎを飲み込んでしまいます。
そのため、犬がたまねぎを食べている姿を見つけたら、優しく犬を手元まで呼びましょう。

口の中に残ったたまねぎを取り出す

犬の口の中を開けてみて、たまねぎが残っているようであれば丁寧に取り出しましょう。
その後は、犬がどれくらいの量のたまねぎを食べてしまったのかを確認します。

無理やり吐き出させない

犬が誤飲したときに、塩水などを飲ませて吐かせたほうがよいといわれることがあります。
しかし、素人の判断でそのようなことをするのは、おすすめしません。
もしかしたら、犬は吐き出さずに塩水を飲んでしまい、塩分過多で内臓に負担がかかってしまう可能性があるからです。
そのため、犬がたまねぎを誤飲したとしても無理やり吐き出させることはやめましょう。

すぐに動物病院へ連れて行く

犬がたまねぎを食べてしまった場合は、1秒でも早く動物病院へ連れて行きましょう。
診察時には、いつ食べたのか、どれくらいの量を食べたのかを明確に伝えます。
また、たまねぎを食べた後に見られた症状なども伝えることで、診察をスムーズに行うことができるでしょう。
すべて獣医師に判断をゆだねて、「食べたのは少量だから大丈夫か」などと飼い主が勝手に判断しないようにすることが犬の命を守ることに繋がります。

犬にたまねぎを食べさせるのは絶対にダメ!

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ほとんどの愛犬家が知っていることですが、犬にたまねぎを食べさせるのは絶対にいけません。
なぜなら、有機チオ硫酸化合物により溶血性貧血になってしまい、命に関わる危険性があるからです。
犬をたまねぎ中毒から守るためには、日頃から食べ物の管理をしっかりする必要があります。
犬の手の届く場所にたまねぎを置かない、調理時や調理後はしっかりと掃除をするなど、飼い主が犬にたまねぎを食べさせないような努力をしなければなりません。
もしも犬がたまねぎを食べてしまったのであれば、早急に動物病院へ連れて行き、正しい治療を施してもらいましょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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