犬にネギ類をあたえてはダメ!発生する中毒症状と対処法を解説

「犬にネギをあたえてはダメ!」と犬を飼っている人ならよく耳にすると思います。犬にあたえてはいけない食品は数多くありますが、なぜネギ類をあたえてはいけないかご存知ですか?そこで今回は、犬にネギ類をあたえてはいけない理由を軸に解説します。 2021年10月23日作成

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ネギ類を食べると犬にはどのような症状が現れるのでしょうか?症状や対処法、犬がネギ類を食べないようにするための事前の取り組みについて解説します。

犬にネギ類をあたえてはいけない理由

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犬にネギ類をあたえてはいけない理由は、ネギ類に含まれる成分によって中毒症状を起こす危険性があるためです。

ネギ・玉ネギ・ニンニクなどの食品には、赤血球に傷害をあたえる「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれています。

これにより、犬が重度の貧血(溶血性貧血)を引き起こし、最悪の場合、命の危険をともなう状態となってしまうのです。

熱処理を施せば問題ないと考えている方もいますが、有機チオ硫酸化合物は熱に強い性質を持っているため、加熱しても意味がありません。

そのため、加熱処理によって調理した場合であっても、犬にあたえてはいけないとされています。

ネギ中毒を発生させる食品にはどんなものがあるの?

ネギ中毒を発生させる食品は数多くあります。
例としていくつか取り上げますので、愛犬が盗み食いしないよう取り扱いに注意しましょう。

【ネギ中毒を発生させる食品一覧】

・青ネギ
・白ネギ
・長ネギ
・玉ネギ
・ニラ
・ニンニク
・ラッキョウ
・わけぎ
・あさつき
・エシャロット など

これらの食材は、葉の部分だけなく皮や根の部分もあたえてはいけません。
少量でも中毒症状を発生させる恐れがあるため、くれぐれも注意してください。

ネギ類を食べた犬に現れる中毒症状

個体による違いはありますが、ネギ類を食べてしまった犬には以下のような症状がみられます。

・重度の貧血(溶血性貧血)
・下痢や嘔吐
・元気がなくなる
・呼吸困難
・食欲がない
・痙攣
・ピンク色の尿
・血便 など

犬が中毒症状を起こすのは遺伝的な側面が強いと考えられています。

ネギが入ったスープを一口飲んだだけで重度の中毒症状を引き起こす個体もいれば、ネギを丸ごと食べてしまっても症状が出ない個体もいるようです。

このことから、命の危険となる明確な致死量ははっきりしていません。

愛犬がネギ類に強い個体であるかを判別するのは難しいため、「少しだから問題ないだろう」などと楽観的にとらえるのは危険です。

愛犬がネギ類を口にしてしまったときは、速やかに適切な対処を取るようにしましょう。

犬がネギ類を食べてしまったときの対処法

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犬がネギ類を食べてしまったときの対処法について解説します。
迅速に適切な対処をすることで、愛犬の命や健康を守ることができます。

犬がネギ類を食べてしまったときの対処法

犬がネギ類を食べてしまったときは、すぐに動物病院へ連絡して対応を仰ぎましょう。

ネット上では「すぐに吐かせたほうがいい」などの情報がありますが、これは適切ではありません。

素人が無理に吐かせようとすると、吐しゃ物が喉に詰まってしまい、窒息する恐れがあります。

そのため、専門家である獣医師の指示にしたがって応急処置を施してください。

動物病院へ連絡する際に伝える項目について

動物病院へ連絡を入れるときは、これらの内容を伝えるようにしてください。

① どのくらい食べてしまったか(摂取量)
② いつ食べてしまったのか(摂取時間)
③ 現在の健康状態

これらの内容を伝える際は、できるだけ具体的に説明できるようにしましょう。
例えば、「●分前にネギが入った味噌汁を●口ほど飲んでしまった」などです。

情報が曖昧、欠けているなどの状態になると、適切な処置を施す弊害となってしまうことから、できるだけ正確な情報を伝えられるようにします。

夕食時などの遅い時間になると、かかりつけの動物病院が営業終了していることもあるため、夜間受付をしている病院を事前にピックアップしておくとよいでしょう。

愛犬をネギ中毒から守る工夫

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愛犬をネギ中毒から守るために飼い主ができる工夫を3つご紹介します。
取り入れられるものからはじめてみてください。

① 人間の食べ物をあたえない

人間が食べるものには、ネギ類の成分が含まれた食品も多くあります。

自身で調理したものでなくても、市販のお菓子などに含まれている場合がありますので、人間が口にする食べ物はあたえないようにしましょう。

② 保存場所を工夫する

犬の手が届くところにネギ類を放置しないよう、保存場所を工夫してください。

例えば、帰宅時に買い物袋を床に置いたままにしたことはありませんか?

犬の手がすぐ届く場所に置くと興味本位で食べてしまう恐れがあるため、冷蔵庫に入れる、テーブルなどの高い場所に置く、などの工夫を心がけましょう。

③ ネギ類の調理中に犬を触らない

先述したように、少量の成分であってもネギ中毒を発症する犬がいます。
そのため、ネギ類の調理をしている際は愛犬に触れないようにしてください。

もし触れる必要がある場合は、手洗いをきちんと済ませたうえで対応しましょう。

④ 散歩コースに注意する

普段の散歩コースに野菜を育てている畑などがある場合は、愛犬が食べてしまわないように注意が必要です。

畑の近くには、ほかの動物が落とした野菜の破片などが落ちているかもしれません。

そのため、不適切なものを食べてしまわないよう、散歩中は常に飼い主が観察するようにしましょう。

ネギ中毒から愛犬の健康を守りましょう

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ネギ中毒は愛犬の命を奪う恐れがあるため、ネギ類を食べてしまったときは、速やかに獣医師の指示を仰ぐようにしてください。

「少量だから大丈夫だろう」といった飼い主の安易な考えのせいで、愛犬の命を危険にさらすかもしれません。

チョコレートやマカダミアナッツなど、犬にあたえてはいけない食品はネギ類のほかにもたくさんあります。

愛犬の命と健康を守るためにも、日頃から注意して取り扱うようにしてください。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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