猫は忘れっぽい?最新の研究でわかった猫の記憶力とは?

「猫は3日で恩を忘れる」という言葉がありますが、猫の記憶力は本当にその程度なのでしょうか?
また、猫を飼っていて「この子、意外に頭が良いのかも?」と感じることもあるはずです。
この記事では、猫の記憶力の特徴や知能について解説します。 2024年03月09日作成

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猫の記憶力の特徴とは?

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猫といっしょに過ごしていると、猫が自分の名前を理解していることがわかるはずです。
しかし、猫に対して犬のようにしつけをするのは難しく、猫の記憶力に疑問を感じることもあるでしょう。
まずは、猫の記憶力の特徴について解説します。

猫は短期記憶力に優れている

猫は、短期記憶力に優れているといわれています。
短期記憶力とは、数秒から数十秒の期間だけ覚えていれば良いことのことで、人間でいうところの「暗算をする」や「一時的な暗証番号を覚える」などです。
人間の短期記憶力は30秒程度ですが、なんと猫は10分程度の短期記憶力があると考えられています。

猫の短期記憶力は興味がないことには使えない

猫が喜ぶことといえば、食事やおやつ、飼い主とのコミュニケーションなどでしょう。
興味がないことに対しては、猫が短期記憶力を発揮することはありません。
実験においても、食べ物で行うと良い結果が出たのに対して、おもちゃで行うとそこまで良い結果が出なかったという話もあります。

嫌なことはずっと覚えている

短期記憶力に優れている猫ですが、嫌なことはずっと覚えています。
具体的な例を挙げると、虐待です。
過去に人間から虐待を受けた猫は、人間に対して「この人は自分に嫌なことをする」と学習して、ほかの人間にも近づかなかったり攻撃的になったりします。
また、ペットとして飼われている猫でも、苦手なシャンプーやクレートでの移動など、嫌なことが起こることが想定されるものを見ると、その場から逃げ出してしまうことがあるでしょう。

嬉しいことも忘れない

猫は、過去にあった嬉しいことも長い間覚えています。
飼い主が食事の準備をしていたり帰宅する音が聞こえた時に出迎えてくれていたりするのは、過去の出来事を覚えていることで行われます。
また、好奇心が旺盛な猫は、楽しい気分になった時も忘れません。
開けそうで開けられないドアを何度も開けようとするのも、過去にうまくドアを開けられたことがあることを覚えており、何度もチャレンジしようとするのです。
「猫は恩を3日で忘れる」とは言いますが、やはり飼い主に良くしてもらったことは忘れないでしょう。

2~3年会わなかったら忘れる場合もある

猫は、大好きな飼い主であっても2~3年会わなかったら忘れてしまうといわれています。
ペットショップで販売されている猫であれば、幼い頃に可愛がってくれた母猫や兄弟のことも忘れてしまうでしょう。
しかし、飼い主であれば数年離れていても、名前を呼んでもらったり声を聞いたりすることで、徐々に思い出すこともあるようです。

猫の記憶力についての研究

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猫の記憶力については、最新の研究について徐々に解明されている部分もあります。
研究や実験によって、猫の記憶力がどうなっているのかを見ていきましょう。

猫はかくれんぼができる?

カナダのモントリオール大学のチームによる調査では、猫が人間でいう1歳半~2歳くらいの記憶力がある可能性が示されました。
これは、猫が「見えていたものが見えなくなった後も、そこにものがあり続ける」と認識する能力である、「対象の永続性」があるためです。
「対象の永続性」の具体例を挙げると、トイレに行った飼い主がまたトイレから出てくるなどでしょう。
猫は、トイレに行った飼い主のことを、トイレのドアの前で待ち続けることがあります。
これこそが対象の永続性の能力があると裏付ける行動であり、猫の記憶力を証明するものでもあるでしょう。

猫は些細な出来事でも覚えている?

京都大学のチームが行った調査によると、猫は些細な出来事でも覚えている可能性があるとのことです。
些細な出来事の具体例は、昨夜の晩御飯や起床時間など、生きている上で重要視されないことが挙げられるでしょう。

猫は障害物でも足を引っかけずに歩くことができる

猫は、軽く足を上げなければ乗り越えられない障害物があっても、前足で乗り越えた後に足元を見ずにそのまま後ろ足でも乗り越えることができます。
これは「障害物記憶」というもので、障害物を前足で乗り越えた時の高さを覚える能力のことをいいます。
カナダのアルバータ大学のチームによると、猫の障害物記憶を10分以上保持していたという記録もあることから、猫がどんな道でも引っかからずにスイスイ歩けるのは、障害物記憶に優れているからということがわかります。

猫の知能はどれくらい?

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猫の知能は、人間やほかの動物に比べるとどの程度のものなのでしょうか?
最後に、猫の知能についてご説明します。

猫の脳化指数は犬よりも少しだけ低い

私たち人間を指すヒトの脳化指数は0.89ですが、猫の脳化指数は0.12です。
こう聞くと猫の知能はかなり低く感じますが、犬の脳化指数は0.14なので、猫の脳化指数は犬とあまり変わらず、少しだけ低いことがわかります。
ちなみに馬の脳化指数は0.10以下なので、猫は犬よりも脳化指数が低く、馬よりも高いことがわかるでしょう。

猫は人間の言葉を理解する

猫は、人間の言葉をある程度は理解しています。
自分の名前はもちろん、「おいで」や「ご飯」など、短い言葉であれば理解しているのでしょう。
しかし、人間の言葉を聞いて行動に移すことができないため、犬のようにしつけをすることは難しいです。

猫は体内時計に優れている

猫は、体内時計がかなり正確だといわれています。
デンマークのコペンハーゲン大学のチームが行った調査によると、3秒の時間差も認識できる可能性があると示されました。
体内時計の正確なことから、猫は毎日の食事の時間になると催促することができるのでしょう。

猫の記憶力は意外に優れている

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猫の記憶力は、意外に優れています。
過去にあった嫌なことや嬉しいことはもちろん、短期記憶力であれば人間よりも優れているという研究結果もあります。
また、猫は犬と同等の知能も持ち合わせており、犬のようにしつけこそ難しいですが、飼い主の言葉にきちんと反応するでしょう。
愛猫が楽しい記憶をたくさん覚えられるように、飼い主としても毎日を楽しく過ごせるように努めることが大切です。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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