猫が首根っこを掴まれると大人しくなるのはなぜ?理由を解説

猫は、首根っこを掴むと大人しくなるといわれています。
傍から見ると「痛そうでかわいそう」と感じるかもしれませんが、実は猫の首根っこを正しく掴めばそれなりのメリットもあるのです。
この記事では、猫が首根っこを掴まれると大人しくなる理由や注意点について解説します。 2023年12月17日作成

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猫が首根っこを掴まれると大人しくなるのはなぜ?

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まずは、猫が首根っこを掴まれると大人しくなる理由を解説します。
理由がわかれば、愛猫の首根っこを掴むことも躊躇しなくなるかもしれません。

子猫の頃の名残

産まれたての子猫は、目が見えずに自分で歩くこともできません。
そのため、母猫は子猫の首根っこを掴んで持ち運ぶように移動をします。
また、その際に子猫は背中を丸めて大人しくしています。
子猫のこの行動にも理由があり、背中を丸くすることで母猫の負担を減らし、大人しくすることで外敵に気が付かれないようにしているのです。
ちなみに、首根っこを掴まれると大人しくなることは「つまみ誘発性行動抑制」と呼ばれており、首根っこを掴まれることでリラックス状態になるといわれています。

成猫同士では行わない

猫同士で首根っこを掴むのは、あくまで母猫が子猫を運ぶ時だけです。
また、子猫が危険なことを止めさせる時にも首根っこを掴みますが、これは成猫同士では行われません。
成猫になると体重もあるため、首根っこを捕まえると首への負担も大きくなりますし、当然ながら首根っこを掴んだ猫の顎への不安もかなりのものになるでしょう。

オス猫が交尾の際にメス猫の動きを止めるために使用する

オス猫が、交尾の際にメス猫の動きを止めるために、首元を噛むことがあります。
これはネックグリップといわれる行為で、先述したつまみ誘発性行動抑制を利用しています。
ちなみに、去勢手術をしていないオス猫は、飼い主にもネックグリップのように指や服を噛むことがあるでしょう。

猫の首根っこを掴むメリット・デメリット

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次に、猫の首根っこを掴むメリットとデメリットをご説明します。
特にデメリットについては、必ずチェックしておきましょう。

大人しくさせることができる

猫の首根っこを掴むことの大きなメリットは、やはり大人しくさせることができる点でしょう。
猫を大人しくさせたいタイミングとしては、動物病院などで診察や爪切りをさせる時などが挙げられます。
家につくといわれる猫にとって、動物病院などの場所にいるのは大きなストレスになるはずです。
慣れない診察や爪切りを早く終わらせられるのは、猫にとってもメリットだといえます。

リラックスさせることができる

猫の首根っこを掴むことによるメリットは、リラックスさせることができるという点も挙げられます。
先述したように、動物病院などの猫が慣れない場所に連れて行くと、猫は緊張して落ち着きません。
そんな時に首根っこを優しく掴んであげることで、リラックス効果が期待できるでしょう。

マッサージにも利用できる

猫は首根っこを掴まなくても、優しく揉んであげることでマッサージ効果が期待できます。
肩もみの要領で優しくマッサージをすることで、猫はリラックスしますし飼い主とのスキンシップにもなるでしょう。

猫の身体に負担がかかる

子猫であれば問題はないですが、成猫の場合は首根っこを掴むことで身体に大きな負担がかかる可能性が考えられます。
当然ながら子猫でも強く掴んでしまうと痛みを感じますが、成猫は重くて抵抗もすることから、首根っこを強く掴んでしまいがちです。
成猫の首根っこを掴むことで筋肉を傷めてしまうこともあるため、注意する必要があるでしょう。

呼吸が苦しくなる可能性がある

体重のある猫の首根っこを掴むことで、身体の重さに耐えきれずに猫が呼吸をできなくなる可能性があります。
当然ながら猫が呼吸をしにくくなることで、窒息などの危険性も高まり、場合によっては命にかかわることもあるでしょう。

猫の首根っこを掴む際の注意点

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猫の首根っこを掴む時は、いいかげんに行ってはいけません。
最後に、猫の首根っこを掴む際の注意点をご紹介します。

成猫の場合は持ち上げない

猫の首根っこを掴んでそのまま持ち上げるのは、子猫にしかできません。
成猫の首根っこを掴んで持ち上げると、先述したように窒息してしまう危険性があります。
あくまで成猫の首根っこを掴むのは、猫をリラックスさせたりマッサージをしたりする時のみにしましょう。

子猫でも嫌がった場合は無理やり持ち上げない

子猫であっても、首根っこを掴まれることが苦手な猫もいます。
そのため、いきなり子猫の首根っこを掴んで持ち上げるのではなく、まずは首元を撫でたり軽く掴んでみたりして、嫌がらないか様子を見ましょう。
子猫が嫌がっていないようであれば、筋肉に負担がかからないようにそっと持ち上げます。
無理やり子猫の首根っこを掴んでしまうと、人間のことを怖いを感じることもあるため注意が必要です。

掴むのは皮と肉だけにする

猫の首根っこを掴む時は、必ず柔らかい皮と肉の部分だけにしましょう。
持ち上げやすいからと、しっかりと首根っこを掴むようにすると、猫の首元の筋肉を傷めてしまう原因になります。
特に猫は身体が柔らかいので、筋肉まで掴んでしまうと重みが首周辺に集まってしまい、とても危険です。

成猫の首根っこを掴むのは止めておきましょう

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猫の首根っこを掴むという行為は、母猫が産まれたての子猫を運んだり危険な時に止めたりするために行います。
基本的に、成猫の首根っこを掴むことは筋肉に大きな負担がかかるため、してはいけません。
しかし、動物病院などで猫を落ち着かせて安全に処置などを行えるよう、優しく首根っこを掴むこともあります。
その時は猫が嫌がらないかどうかを確認してから、猫がリラックスできるように行いましょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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