猫は首根っこを掴むと落ち着く?大人しくなる理由と注意すべき点とは

「猫は首根っこを掴むと大人しくなる」そう聞いたことはありませんか?猫を飼っている飼い主なら気になるこの疑問ですが、そもそも猫の首根っこを掴んでも問題ないのでしょうか?そこで今回は、猫の首根っこを掴むと大人しくなる理由と注意点を解説します。 2022年12月11日作成

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猫は首根っこを掴むと大人しくなるといわれていますが、その理由はなぜでしょうか?愛猫の首回りを掴む際に注意すべきポイントとともに解説します。

首根っこを掴むと猫が大人しくなる理由は?

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猫が首根っこを掴まれると大人しくなる理由として考えられるのが、
「PIBI(Pinch Induced Behavioral Inhibition):ピビ」と呼ばれる行動抑制によるものです。
※PIBIは日本語で「つまみ誘発性行動抑制」と呼ばれたりします。

母猫が子猫を咥えて運んでいる姿を思い出してみてください。そのとき、子猫は脱力状態で母猫に身を任せていますよね?これこそがPIBIによる行動抑制の一例だと考えられています。

PIBIに関する研究は2007年に実施されており、それによると、成猫の首根っこにクリップを取り付けて様子を観察した結果、対象となった猫(31匹)の大半が鎮静状態(受け身状態)になりました。

この際、猫の恐怖度を示す心拍数や呼吸数の増加、瞳孔の拡張などがみられなかったことから、恐怖心からくる行動抑制状態ではないと証明されています。

PIBIの効果は個体によって異なるため一概にはいえませんが、さきの実験結果から、首根っこを掴むという行為は猫を鎮静状態にし、かつ余計な苦痛をあたえない方法として有効なのではないかと考えられています。

ただし、「猫の首根っこを掴む」という行為自体が良くないとする意見もあり、現在でも賛否が分かれている状態です。

成猫でも首根っこを掴んで持ち上げていいの?

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成猫は子猫と違って体重があるため、首根っこを掴んで持ち上げてしまうと、首回りに負担がかかってしまいます。

そのため、成猫に関しては首根っこを掴んで持ち上げるという行為はおすすめできません。

猫は首根っこを掴まれることでリラックス状態(鎮静状態)となりますが、猫の首根っこを掴んで無理に持ち上げたり、ゆすぶったりする行為は、「スクラッフィング(scruffing)」と呼ばれ全くの別物です。
※スクラッフィングは猫だけでなくほかの動物に対しても用いられる用語です。

猫の首回りには重要な神経や血管が多く点在しています。スクラッフィングは、それらを傷つける恐れがあるため、PIBIとスクラッフィングを勘違いしないよう注意が必要です。

いうまでもありませんが、スクラッフィングは成猫だけでなく子猫に対しても決してやってはいけません。ケガの危険性だけでなく虐待につながる行為ともいえるので、愛猫を大切に思うのであれば自身の行動がスクラッフィングになっていないか、いま一度確認してみてください。

猫の首根っこを掴む(PIBI)によって発生するメリット・デメリット

猫の首根っこを掴む行為「PIBI」によって発生するメリット・デメリットをご紹介します。

メリット


【① 動物病院での診察が容易になる】

動物病院で診察をする際にPIBIを活用することで、猫の行動を抑制し治療がスムーズに進むよう工夫するケースがあります。もちろん、飼い主によっては「うちの猫にそんなことしないで」と思われる方もいるでしょうし、PIBIではなくスクラッフィングとも取れる身体的な抑制があるかもしれません。そのような場合は、獣医師や看護師さんに対応方法の変更を求めましょう。


【②リラックス効果が期待できる】

PIBIには猫をリラックス状態にする効果があるといわれています。そのため、軽く掴む程度であれば愛猫をリラックスさせることができます。ただし、個体によっては首回りに触れられるのを嫌う猫もいるため、愛猫の様子をよく観察してください。


【③爪切りやブラッシングがしやすくなる】

爪切りやブラッシングが苦手な猫でも、PIBIを用いた行動抑制によってスムーズに作業がおこなえるようになるといわれています。とはいえ、長時間におよぶ行動抑制は猫に多大なストレスをあたえるため、素早く終わらせる必要があります。爪切りやブラッシング(トリミング)は動物病院や専門店でやってもらえるので、プロに任せるという選択肢も持っておきましょう。

デメリット


【①ケガにつながる恐れがある】

先述したように、PIBIのつもりで首根っこを掴んだとしても、度が過ぎるとスクラッフィングになります。スクラッフィングは猫に恐怖感をあたえるだけでなく、首回りのケガを誘発する恐れがある危険な行為です。成猫だけでなく子猫に対しても、「首根っこを掴んで持ち上げながら激しく揺さぶる」などの行為をしないよう注意してください。


【②猫のストレスになる】

首根っこを掴む行為はリラックス効果が期待できる一方で、個体によっては強烈な拒否反応を示すことがあります。そのような猫に対しては、仮に飼い主がPIBIのつもりでおこなった行動だとしても、大きなストレスをあたえます。恐怖心や過度なストレスによるトラウマにならないよう、猫の様子をしっかりと観察する必要があります。

首根っこを掴むときは愛猫の様子をしっかりみてあげましょう 

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今回は首根っこを掴むと猫が大人しくなる理由や注意点を解説しました。愛猫を落ち着かせたいときに活用してみてください。

とはいえ、嫌がる猫の首根っこを無理やり掴むと、飼い主を怖い存在だと思うようになり、個体によっては恐怖心から近づいてすら来なくなる猫もいるでしょう。

そのため、愛猫に試す際は嫌がった素振りをみせていないか必ず様子を確認してあげてください。大好きな愛猫に嫌われないためにも「無理強いはしない」を徹底しましょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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