犬の呼吸数について知ろう!正常な回数と注意すべき症状とは

愛犬と生活していると、ふいにハアハアと息を荒くしている姿を目にします。元気に走り回ったあとや暑い日などは普段の光景に感じますが、そうではないときに荒い呼吸をしていると心配になりますよね?そこで今回は「犬の呼吸数」について解説します。 2023年06月10日作成

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犬の呼吸数はどのくらいが正常な回数なのでしょうか?また、荒い呼吸をしているときに注意すべき症状とはなんなのでしょうか?愛犬の健康を守るためにも、ぜひ知っておきましょう。

犬の呼吸が荒いのは普通?一般的な呼吸数とは

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「愛犬が荒い呼吸をしているけど大丈夫?」と気になる飼い主さんもいると思います。結論からいうと、運動などが原因で発生している場合はとくに問題ありません。

しかし、なにもしていないにも関わらず呼吸数が多くなっている状態は少し心配です。

通常、犬の呼吸数は1分間に10~35回程度だといわれています。10~35回と呼吸数に大きな違いがある理由としては、小型犬は大型犬より肺が小さいため、それだけ呼吸する頻度が多くなるからです。

また、フレンチブルドッグやパグなどの、いわゆる「短頭種」とよばれる犬種は、ほかの中頭種や長頭種などにくらべ、鼻孔などの面積が狭いことから呼吸数も多くなります。

そのほかにも、加齢や病気などの影響で呼吸数が増えるケースもあります。

犬の呼吸数が多くなる原因

犬の呼吸数が多くなる原因として考えられるものを5つご紹介します。

運動

激しい運動をした直後などは、ハアハアと荒い呼吸をします。俗にいう「息切れ」の状態です。

運動による呼吸数の増加は生理現象のひとつなので、とくに健康上の問題はありません。

ただし、炎天下での運動は熱中症を発症する危険性もあるため注意が必要です。

パンティング(体温調整)

犬が口から舌を出して荒い呼吸をすることをパンティングといいます。

パンティングは体内の熱を逃がすためにおこなう行動であるため、運動による息切れと同じように、基本的には健康上の心配はありません。

しかしながら、犬がずっとパンティングしているようであれば、外気温または室温が高すぎることを意味します。犬が快適に過ごせる気温は20~25℃程度といわれているため、エアコンなど活用し快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。

ケガや病気による痛み

呼吸器系の病気やケガによる痛みなどが原因で呼吸数が増えるケースもあります。

病気の場合は呼吸数の増加だけでなくほかの症状がみられることも多いため、気になる症状があれば、すみやかに動物病院で診察を受けましょう。

過度なストレス

過度なストレスや不安が原因で息を荒くすることがあります。この際、呼吸数の増加だけでなく、あくびが増える、耳を引っかくなどの仕草がみられます。

ストレスの原因がなくなれば自然と改善するため、そこまで心配しなくても大丈夫です。とはいえ、ストレスは犬が体調不良を引き起こす原因にもつながるため、ストレスの元凶がわかっているのであれば、すぐに解決してあげましょう。

誤飲または誤食

誤飲または誤食が原因で呼吸数が多くなることがあります。

異物が喉に詰まってしまうことで発生する状態で、放置しておくととても危険です。

呼吸困難時に舌が紫色へ変色する「チアノーゼ」がみられたら、急を要する状態のサインです。すみやかに動物病院で対処してもらいましょう。

愛犬の呼吸数が多いときに注意したい病気とは

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犬の呼吸数が多いときに疑われる病気を4つご紹介します。

熱中症

炎天下のなかでの運動や直射日光を浴びる環境に置かれていたりすると、急激な体温の上昇と虚脱がみられます。このような状態になることを熱中症(熱射病、日射病)といいます。

犬が熱中症になると、息が荒くなる、ぐったりする、大量のよだれを垂らすなどの症状がみられます。

肥満気味な犬や短頭種、子犬、老犬などは暑さにとても弱いため、室温の調整には細心の注意が必要です。

肺炎

寄生虫やアレルギーなどが原因で肺に炎症が起こることを肺炎といいます。

肺炎の症状としては、浅くはやい呼吸、咳、高熱などがあり、食欲の低下も同時にみられます。

体の未発達な子犬は症状が重く出やすいため、迅速な治療が必要です。

気管支炎

刺激性のガス、冷気、ウイルスや寄生虫など、さまざまな原因で気管支に炎症が起こることを気管支炎といいます。

初期症状として咳や呼吸数の増加がみられ、まれに高熱を出すこともあります。

気管支炎のなかでも急性のものは48時間以内に発病するといわれているため、愛犬の急激な体調の変化には注意してください。

フィラリア症(犬糸状虫症)

フィラリア症は犬糸状虫が感染することで発症する病気です。

感染初期はほとんどが無症状です。しかし、感染から時間が経過するにつれて、咳や呼吸困難、運動を嫌がる、腹水が溜まるなどの症状へ変化していきます。

通常であれば肺動脈内の成虫を駆虫する治療がおこなわれますが、重度のフィラリア症になると、体内の成虫を完全に取り除くことはできません。そのため検査結果によっては、現在の症状を軽くする対症療法による治療がおこなわれるケースもあります。

病院で診察を受けたほうがよい症状の目安

犬の呼吸数が多いときは、同時に以下の症状が出ていないかチェックしてください。

病院で診察を受けたほうがよい症状の目安

・運動などをしていないのに息が荒い
・外気温または室温が高くないにもかかわらず息が荒い
・苦しそうに息をしている
・舌の色が変色している
・伏せの状態ができない
・継続的に咳が出る など

愛犬がこのような症状をみせていたら、すぐにかかりつけの獣医師に診察してもらってください。また、動物病院へ連れていく際は、どんな症状が出ているのか、できるだけ正確に伝えるようにしましょう。

呼吸数が多いときは愛犬の様子をいつも以上に気にかけてあげましょう

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今回は「犬の呼吸数」について解説しました。

もしも愛犬が息を荒くしている様子であれば、運動の直後なのか、気温や室温が高くなりすぎていないかなど、その原因を考えてあげましょう。

また、病的な症状がみられた場合には、できるだけすぐに適切な治療を受けさせてください。

犬の呼吸数はそのときの状況や体調によって大きく変化します。愛犬の呼吸数が多いと感じたら、いつも以上に様子を気にかけてあげましょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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