犬に与えてはいけないナッツの種類とは?
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まずは、犬に与えてはいけないナッツの種類をご紹介します。
飼い主さんがお酒のおつまみに食べるときなどは、絶対に犬が誤飲をしないように気を付けなければなりません。
マカダミアナッツ
チョコレートに入っていることが多いマカダミアナッツは、犬にもっとも与えてはいけないナッツのひとつです。
犬がマカダミアナッツを食べると、およそ6~12時間経ってから後述するようなさまざまな中毒症状が現れます。
場合によっては、1時間程度で症状がみられることもあるでしょう。
ちなみに、犬がマカダミアナッツによって中毒症状を起こす量は、犬の体重1kgあたり0.7gといわれています。
マカダミアナッツ1個の重量が約1~2g程なので、犬種によってはマカダミアナッツを半分食べただけでも中毒症状が現れることがあるでしょう。
基本的にマカダミアナッツ以外のナッツでは中毒症状は現れない
ナッツ類といえば、アーモンドやピーナッツ、ピスタチオなどが挙げられますが、それらのナッツ類を食べても犬に中毒症状が現れることは少ないでしょう。
ですが、食べ過ぎると脂質により肥満の原因になります。
また、子犬や小型犬は消化不良になり、腸閉塞を起こすこともあるでしょう。
ちなみに、ピーナッツやくるみには、リンやマグネシウムが含まれているため、食べ過ぎることで尿路結石のリスクが高まる可能性も考えられます。
犬がナッツを食べたときにみせる症状
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次に、犬がナッツを食べたときにみせる症状をご説明します。
目を離した隙に犬がナッツを食べることも考えられるため、参考のひとつとして覚えておきましょう。
嘔吐・下痢
犬がマカダミアナッツを食べたときにみせる症状として、嘔吐や下痢が挙げられます。
嘔吐や下痢は、ほかの食材による中毒症状でもよくみられる症状です。
愛犬が特定の食べ物を食べたときに嘔吐や下痢をした場合には、中毒やアレルギーなどを疑う必要があるでしょう。
脱力・歩行困難
犬のマカダミアナッツ中毒が進行すると、身体に力が入らなくなり、ぐったりとしてしまいます。
場合によっては歩くこともできなくなるため、すぐに愛犬の異変に気がつくはずです。
発熱、痙攣
マカダミアナッツ中毒は、発熱や痙攣を引き起こすこともあります。
そのまま死亡事故に繋がることは少ないですが、万が一のことも考えて、すぐに対処する必要があるでしょう。。
ちなみに、なぜ犬がマカダミアナッツで中毒症状を起こすのかは、はっきりとわかっていません。
ナッツを喉に詰まらせる恐れ
ナッツによる中毒症状ではありませんが、犬がナッツを食べるときに喉に詰まらせてしまうことがあります。
基本的に、犬は食事をする際によく噛むことはありません。
野生で生活していたころは、のんびり食事をしていると外敵に食事を奪われてしまうこともあったからです。
そのため、犬はナッツも噛まずに丸呑みしてしまいます。
ナッツが犬の喉に詰まってしまうと、呼吸困難になってしまう可能性もあるでしょう。
ナッツ類は子犬には与えない
マカダミアナッツに限らず、子犬にはナッツを与えないほうが良いでしょう。
先述したように、子犬は消化器官が未熟なため、ナッツを食べることで嘔吐や下痢の原因にもなります。
あえて犬にナッツを与える理由もありませんが、もしも犬にナッツを与えたいと考えているのであれば、1歳を過ぎた成犬になってからにしましょう。
ナッツの加工品は犬に与えない
ピーナッツバターなどのナッツを使用した加工品は、犬に与えないようにしましょう。
当然ながら、加工品には多くの脂質や糖質が含まれています。
そのため、犬にナッツの加工品を与えることで、肥満や糖尿病のリスクが高まるでしょう。
犬がナッツを食べたときの対処方法
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犬がナッツを食べると、正しい対処をしなければ命にかかわることもあるでしょう。
最後に、犬がナッツを食べたときの対処方法をご紹介します。
症状が現れている場合にはすぐに動物病院へ連れて行く
もしも犬にナッツによる中毒症状が現れている場合には、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
獣医師に診せることで、正しい治療を受けることができます。
インターネット上には、犬に塩水を飲ませて無理やり吐き出させるなどの対処方法を載せていることがありますが、塩分過多や犬の腎臓に大きな負担がかかるため、絶対にやめましょう。
犬がナッツを食べた時間や量をメモしておく
犬がマカダミアナッツを食べてしまったときには、食べた時間や量をメモしておきましょう。
そうすることで、症状が現れる時間帯の予測をすることができます。
また、獣医師に診せるときにも時間や量がわかっていれば、迅速に治療に移ることができるでしょう。
症状がみられなくても数日は気を付ける
犬がマカダミアナッツを食べてしまったときは、中毒症状がみられなくても、数日は犬から目を離さないようにしましょう。
嘔吐や下痢はもちろん、愛犬に何らかの異常がないかを観察して、少しでも違和感を覚えたら早めに動物病院へ連れていくことをおすすめします。
マカダミアナッツ以外は問題ない!でもわざわざ与えなくても良い
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犬にナッツを与えるのは、マカダミアナッツ以外であれば問題はないでしょう。
しかし、脂質による肥満や喉に詰まらせるリスクなどを考えると、あえてナッツを与える必要はありません。
また、万が一犬がマカダミアナッツを食べてしまったときには、食べた時間や量をメモしておき、心配であればなるべく早めに動物病院へ連れて行くようにしましょう。
素人判断をすることのないように、愛犬に異変がみられたら獣医師に任せることが一番です。
文部科学省 食品成分データベース マカダミアナッツ(参照日:2022-2-22)
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=5_05031_7
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。