猫にカニを与えるのは絶対NG!食べたがる際の対処方法も解説

蒸しても焼いても美味しい高級食材のカニ。愛猫に与えたいと考える人もいるでしょう。
しかし、猫にカニは絶対に食べさせてはいけません。
この記事では、猫にカニを与えてはいけない理由などを解説します。 2022年03月21日作成

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猫にカニを与えてはいけない理由

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まずは、猫にカニを与えてはいけない理由についてご説明します。
場合によっては、猫の命に関わる可能性もあるため、絶対に与えるのはやめましょう。

チアミナーゼが猫にとって有害

カニには、チアミナーゼという酵素が含まれています。
チアミナーゼを摂取することで、猫の体内のビタミンB1が分解されてしまう可能性があります。
猫の身体からビタミンB1が不足することで、ビタミンB欠乏症を発症する恐れがあります。
ビタミンB欠乏症を発症すると、猫の脳や身体に十分なエネルギーが供給されなくなり、下痢や嘔吐、食欲不振などの症状が現れます。
ちなみに、チアミナーゼは生のカニに含まれているため、生のカニを猫に与えるのは絶対に避けたほうが良いといえるでしょう。

塩分過多のリスク

生のカニにチアミナーゼが含まれているのなら、茹でるなどをして火を通せば与えても大丈夫と考える人もいるかもしれません。
しかし、茹でたカニであっても塩分過多のリスクがあります。
カニは、茹でる際に塩を加えることで、臭みを取り除くほか、旨味を引き出すなどの作用がみられます。
また、カニ自体に含まれる塩分も、少なからずあるでしょう。
猫は塩分過多になると、腎臓に負担がかかり、腎臓病などを発症してしまうことも考えられます。
そのため、火を通したカニであっても、猫には与えないほうが良いといえるでしょう。

アレルギーのリスク

人間のように、猫も甲殻類アレルギーを持っている可能性があります。
甲殻類アレルギーの猫がカニを食べることで、身体の痒みや下痢、嘔吐などの症状がみられることもあるでしょう。
また、カニの甲羅は硬くて尖っているため、カニを食べることで口内を怪我してしまう危険性もあります。

カニ以外の猫に与えると危険な魚介類

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カニ以外にも、猫にとって危険な魚介類はたくさんあります。
魚好きで知られる猫ですが、良かれと思って何でも人の食べ物を与えないようにしましょう。

イカ、エビ、タコ

イカやエビ、タコなどの魚介類には、カニ同様にチアミナーゼが含まれています。
そのため、これらの魚介類に関しても猫に与えないようにしましょう。
ちなみに、ハマグリにもチアミナーゼが含まれているため、注意が必要です。

アワビ、サザエ

アワビやサザエは、人間にとっては有り難い高級食材かもしれませんが、猫に与えることはできません。
これらの肝にあたる黒い部分は、中腸腺と呼ばれ、ピロフェオホルバイドaという有害物質が含まれています。
ピロフェオホルバイドaは、猫の体内に入った後にも活動を続け、耳などに炎症を起こします。

参考:厚生労働省「巻貝:ピロフェオホルバイドa(光過敏症)」
https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_16.html

青魚

青魚にはDHAやEPAなどが含まれているため、猫にとっても有益な食べ物に感じるでしょうが、猫に与えるのは避けたほうが無難です。
不飽和脂肪酸と呼ばれるDHAやEPAは、猫の体内に入って分解されるときにビタミンEを多く消費してしまいます。
猫の体内のビタミンEが不足すると、黄色脂肪症という病気を発症する可能性があるでしょう。
また、アニサキスが青魚に寄生していることも考えられます。

猫がカニをほしがる際の対処方法

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猫の中には、飼い主が食べているカニをどうしてもほしがることもあるでしょう。
そんなときには、どのように対処すれば良いのでしょうか?

カニ味のおやつを与える

カニは風味豊かな食材のため、猫の食いつきも良いはずです。
そのため、しつこく猫がカニをほしがるようであれば、カニ味の猫用おやつを与えると良いでしょう。
カニ味のおやつにはさまざまな種類があり、カニエキスを含んだものや、カニ風味かまぼこを使用しているものなどがあります。
猫用に販売されている食材であれば、カニに由来する成分が含まれていたとしても、与えても問題ないはずです。
ただし、アレルギーのリスクも踏まえて、はじめて与える際は少量を与えてしばらく様子を見るようにすることをおすすめします。

カニ味のキャットフードを与える

猫用おやつと同様に、キャットフードにもカニを使用したものがあります。
猫は肉食動物のため、肉や魚をメインとしたキャットフードでなければ健康を維持することはできませんが、嗜好性を高めるために少量のカニエキスを使用したものもあるでしょう。
当然ながら、猫用おやつと同様に、はじめて猫に与える際はアレルギーに注意が必要です。
特にキャットフードは毎日食べるものであるため、フードの切り替えは慎重に行うようにしましょう。

味付けせず、しっかり茹でたものを少量与える

人間が美味しく食べるために塩茹でをしたカニでなく、味付けをせずに茹でたカニであれば、少量与えても問題になることは少ないでしょう。
チアミナーゼは熱に弱い性質のため、茹でたり焼いたりすると消えてしまいます。
もちろんアレルギーのリスクはありますが、味付けをせずにしっかりと茹でて火を通していれば、チアミナーゼによるビタミンB欠乏症を発症する可能性は低いです。
しかし、そこまでして猫にわざわざカニを与えることは、おすすめはできません。

猫にカニは与えないようにしましょう

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猫にカニを与えるのは、リスクが高いといえます。
生のカニの場合はチアミナーゼによるビタミンB欠乏症の発症の可能性がありますし、茹でていても塩分過多による腎臓病のリスクがあります。
そのため、どうしても猫にカニを与えたいのであれば、猫用に作られたおやつやフードを与えるようにしましょう。

甲殻類アレルギーのことも踏まえて、はじめて猫にカニを使用したものを与える際には、少量与えて様子を見ることが大切です。
また、猫がカニを食べて何らかの異常がみられた際には、早めに動物病院へ連れて行く必要があります。
猫は魚介類が好きなイメージがありますが、何でも与えて良いという考えは持たないようにしましょう。

参考サイト

厚生労働省「巻貝:ピロフェオホルバイドa(光過敏症)」(参照日:2022-02-28)
https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_16.html

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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