犬がしっぽを振らない理由にはさまざまな原因があります。しっぽ以外にも犬が愛情をあらわす行動はあるので、この機会に知っておきましょう!
犬のしっぽが持つ役割
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犬のしっぽには大きく分けて4つの役割があります。
感情を表現している
よく耳にする、「犬は嬉しいときにしっぽを振る」というのは、興奮状態にある犬が本能的にしっぽをブンブン振りまわす仕草からそういわれています。
犬の感情を確認するパラメーターとしての役割をしっぽが担っているともいえますが、「しっぽを振っている=喜んでいる」とはならないため注意が必要です。
犬は興奮しているときにしっぽを振ります。そのため、威嚇中に興奮度合が増すとしっぽをブンブン振りまわします。
そんなときに、「喜んでいるから触ってみよう」などと手を出してしまうと、「攻撃される」と勘違いした犬に噛みつかれる恐れがあり大変危険です。
バランス感覚を保つため
犬のしっぽは体のバランス感覚を保つのに役立っています。
例えば、遊びの最中にダッシュしている犬が急に方向転換することがありますが、それを可能としているのはしっぽによって体のバランスを保っているからです。
体温調整
犬はしっぽを抱え込むようにして、防寒と保温をします。
寒い時期に犬が寝ている様子を観察するとよくみられる光景です。
室内飼いにもかかわらず愛犬がこのような仕草をみせていたら、室温が低くなっているかもしれませんので、エアコンなどを用いて快適に過ごせる室温にしてあげましょう。
犬同士のコミュニケーション
犬同士のコミュニケーションにしっぽを用いています。
犬はほかの犬とコミュニケーションを取ろうとする際、相手のお尻に顔を近づけ、肛門腺のニオイを嗅ぐ仕草をみせますが、相手に心を許していればニオイを嗅ぎやすいようしっぽを上げて受け入れる行動がみられます。
苦手な犬に対しては後ろを取られないよう警戒するため、しっぽを上げるという行為は一種のコミュニケーションだといえるわけです。
犬がしっぽを振らない理由
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犬がしっぽを振らない理由にはいくつかの考え方があります。
今回は代表的なものを4つご紹介します。
犬の性格
犬の性格によっては、しっぽをあまり振らない個体もいます。
独立心や警戒心が強い、臆病すぎるなど、しっぽを用いた感情表現が苦手な犬もいるので、そればかりは個性として捉えてあげる必要があります。
加齢による筋力の低下
犬も加齢によって筋力が衰えてくると、若い頃のようにしっぽをブンブン振ることも少なくなります。
目安としては、若い頃よりしっぽを振る位置が下がっている、振り方が弱くなった、などがあげられます。
※犬種や年齢、持病や個体差などによる違いはあるため一概にはいえません。
日本犬の特性
日本犬の場合、もともと狩猟目的で人間に使役していたことから、しっぽの振り幅が少ないといわれています。
狩猟犬は人間の指示による業務遂行を求められるため、狩りの最中に感情を爆発させるようなことは許されません。
そのため、人間に対して過度に感情を示さなくなったと考えられています。
しっぽ以外の方法で感情を伝えているから
犬の感情表現はしっぽだけではありません。
その他さまざまな手段を使って飼い主へ自分の気持ちを伝えようとします。
ですので、愛犬がしっぽを振らない場合は、ほかの方法を用いて感情を伝えようとしているのかもしれません。
しっぽの動き方で愛犬の感情がわかる?
犬はしっぽ以外でも感情を表現するとお話しましたが、しっぽの振り方によってだいたいの気持ちは推測できます。こちらでは、代表的なしっぽの動きをいくつかご紹介します。
高く上げて素早く振る
腰より高い位置でしっぽをブンブン素早く振っているときは、上機嫌でテンションがあがっていることをあらわします。
ゆっくり振っている
犬がゆっくりしっぽを振っているときは、リラックスして気持ちを落ち着かせている場合と、攻撃態勢に移ろうとしている場合が考えられます。
これらふたつを見極める方法として、しっぽを振りながら低くうなり声をあげているようであれば、後者が濃厚なのでむやみに近づいてはいけません。
足の間にしっぽを挟む
足の間にしっぽを挟むのは、犬が恐怖心を抱いている証拠です。
ケンカの最中などにもみられ、相手に対して交戦の意思がないことを伝えています。
犬がしっぽ以外で愛情をあらわす行動
犬がしっぽ以外で愛情を表現する際、どのような行動を取るのでしょうか?
一緒に寝たがる
犬が飼い主さんと一緒に寝たがるのは、信頼を置いている証拠です。
愛犬がこのような行動を取るのであれば、それはリラックスして安心できる存在だと認めてくれています。
顔をジッと見つめてくる
犬は信頼している人間の感情を読み取ろうと表情を覗いてくるようです。
愛犬が飼い主さんの顔をジッと見つめてくるようなら、それはあなたの気持ちを理解したいという愛犬からのメッセージだといえます。
お尻をくっつけてくる
犬にとってお尻は急所になる部分です。そのお尻をくっつけてくるのは、飼い主さんが自分を守る存在だと認識していることをあらわします。
その際しっぽを振っていなくても、ピッタリと愛犬のお尻がくっついているのであれば特に気にする必要はありません。
仰向けに寝る
仰向けに寝る行動は、相手に対して敵意がないことを示しています。
本来動物は自分の弱点を隠すように生きています。ですから、急所となるお腹の内側を丸出しにして寝るのは、飼い主さんを信頼して体を預けている証拠だといえます。
愛犬がしっぽを振らなくても嫌われてはいるわけではない
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愛犬がしっぽを振っていなくても、それだけで飼い主さんを嫌っているわけでありません。
犬の性格や老化による衰えなども考えられますから、しっぽ以外の愛情表現をみつけてあげるようにしましょう。
そうすることで、これまで以上に愛犬からの愛情を感じられるようになるはずですよ。
著者情報
U.SHOHEI
父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。
現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。
得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。