まずは猫のしっぽが持つ役割について解説!
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まずは、猫のしっぽの役割をご説明します。
猫のしっぽは、感情以外にもさまざまな役割があるのです。
コミュニケーション
猫はしっぽの動きを通じて、ほかの猫や人間とコミュニケーションを取ろうとします。
しっぽの位置や動きによって興奮をしたり興味を示していたりすることを相手に伝えることができますし、不安や警戒心などもしっぽの動きによってわかるため、特にはじめての猫同士であればしっぽを動かしてお互いをどう考えているか理解しようとするでしょう。
バランスを取る
猫はしっぽを使って、バランスを取ることができます。
例えば高い場所でバランスを保つためにしっぽを広げたり、垂れ下げたりしますが、このようにしっぽを動かすことで、高い木の上でも問題なく歩くことができるのです。
狩りの補助
しっぽは猫の身体のバランスを保つだけでなく、狩りの補助的な役割もあります。
狩りの時は当然ながら獲物も捕まらないように逃げますが、猫はしっぽを使って自分の身体のバランスを取って狩りを失敗しないようにするでしょう。
感情表現
猫はしっぽの動きを通じて、感情を表現します。
猫のしっぽの動きをみれば、喜んでいるのか怒っているのか、ある程度わかるでしょう。
例えば猫が不機嫌な時にむやみに触ってしまうと、猫との信頼関係に溝ができてしまいます。
しかし猫の気持ちがわかれば、猫が「触ってほしくない」と考えている時に構わないなど、正しい対処ができるようになるはずです。
保温
猫のしっぽは、保温する効果もあります。
これはしっぽが長い猫に限りますが、自分のしっぽに顔を埋めて寝ることで、自分の吐いた息の熱を逃がすことなく、身体を温めることが可能です。
しかし、逆に言えば室温が適温であればみられない行動であるため、猫が寒いというサインであることから、室温を見直す必要があるといえるでしょう。
猫のしっぽの動きでわかる感情
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それでは、本題である猫のしっぽの動きでわかる感情をご紹介します。
ここをチェックしておけば、愛猫とさらなる信頼関係が築けるかもしれません。
嬉しい時
猫が嬉しい時は、しっぽを垂直にピンと立てます。
これは、猫が嬉しかったり興奮していたりする時にみられます。
飼い主が帰宅した時に、しっぽを立てながらお迎えをしてくれる猫は多いですが、これは飼い主の帰宅に喜んでいるサインです。
また、飼い主に構ってほしいなど、甘えている時にもみられるでしょう。
不安や恐怖
猫が不安や恐怖を感じている時は、しっぽを後ろ足の間に挟むように動かします。
まるでしっぽを隠すようにする動作ですが、引っ越しなどで生活環境が変わったり来客があったりして不安な気持ちになっている時にみられるでしょう。
また、しっぽをピンと立てながら毛を逆立てている時も、不安な気持ちを示しています。
怒り
猫が怒っている時は、しっぽを大きく広げて毛を逆立てます。
また、しっぽを左右にブンブンと振っているのも怒っているサインで、猫が攻撃的な気持ちになっている時にむやみに近づくと、威嚇や猫パンチをされる可能性があるでしょう。
興味がある
猫が物事に興味を持っている場合、しっぽを左右に大きくゆっくりと振ります。
また、見慣れないものを見た時に、「これは何だろう…?」と、警戒しつつ観察をしている時も、しっぽを左右に振るでしょう。
不機嫌
猫が不機嫌な時は、しっぽを素早く左右に振ります。
小刻みに振ることもありますが、激しくバタバタと振り回ることもあるでしょう。
猫がこのようなしっぽの動かし方をしている時に近づくと、攻撃的な振る舞いをされるかもしれません。
猫のしっぽは触ってはいけない?
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いろいろな動きをみせてくれる猫のしっぽですが、実は触ってはいけない部位のひとつでもあります。
最後に、猫のしっぽを触ってはいけない理由を解説します。
猫のしっぽはデリケート
猫のしっぽはとてもデリケートな部位なので、むやみに触ってはいけません。
猫のしっぽのしなやかな動きは、尾骨神経という神経によって司られています。
尾骨神経は重要な神経と繋がっており、万が一踏んでしまうと、足に障害が残ってうまく歩けなくなってしまう可能性もあるため、十分に気を付ける必要があります。
高いところから落ちるリスク
猫のしっぽはバランス感覚を保つために大切なので、猫が高い場所にいる時にしっぽをむやみに触ることで、高い場所から落下するリスクがあるでしょう。
また、もともと猫は大切な部位であるしっぽを触られることを好まないことから、高い場所でしっぽを触られることを嫌がって思いがけない事故に繋がる可能性もあります。
しっぽの付け根を優しく触られるのが好きな猫もいる
猫のしっぽの付け根も敏感な部位ですが、優しく撫でられるのを好む猫は多いです。
猫のしっぽの付け根部分にはフェロモンを出す分泌腺があるため、優しくトントンと撫でられたり叩かれたりされるのを喜びます。
しかし、猫のしっぽの付け根部分には重要な神経が集まっていることから、乱暴に扱うのは絶対にいけません。
猫のしっぽの動きで感情を知ろう
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猫のしっぽは、ほかの猫とのコミュニケーションのほか、バランスを取ったり気持ちを表現したりと、さまざまな役割があります。
飼い主であれば、猫のしっぽの動きによってある程度の感情がわかれば、猫が不機嫌な時にむやみに近づかないなど、正しい対処ができるようになるでしょう。
しかし、猫のしっぽは敏感な部位であるため、あまり触ってはいけません。
もしも猫のしっぽを触るのであれば、しっぽの付け根を優しく撫でる程度にしておきましょう。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。