猫のしっぽの動きから感情は読み取れる?しっぽから分かるサインとは

猫の気持ちは、鳴き声やしぐさだけでなく、しっぽの動きにも表れると言います。
ここでは、猫のしっぽの動きと感情の関係についてご紹介します。 2021年05月14日作成

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猫のしっぽが果たす役割

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猫のしっぽは、長さや形がさまざまで、とても可愛らしいですよね。猫を飼っている人なら、猫の気分をしっぽで察するクセも自然とついているかもしれません。猫のしっぽは、私たちや他の猫とのコミュニケーションの手助けになるだけでなく、他の役割も持っています。

猫のしっぽには、短い骨がいくつも連なっており、その回りは筋肉で囲まれ、先端まで神経が通っています。高い場所や狭い場所、不安定な場所を歩く時は、このしっぽを使って上手にバランスをとっているため、猫のしっぽは非常に重要だということです。

しっぽの長さ・形は猫の個性

猫のしっぽは、先ほどご紹介したように、猫が生きる上で重要な役割を果たしています。猫の祖先とされるヤマネコは長いしっぽをしていることから、もともとの猫の姿はしっぽが長いのが基本なのでしょう。しかし、今の猫達をみると、しっぽの短い猫や先っぽだけ曲がった猫、しっぽがない猫もいますね。

マンクスという猫種は、もともとしっぽがないのが特徴です。これは、イギリスのマン島という場所で突然変異によって生まれた猫種。短い尾やかぎ尾も、遺伝子によって受け継がれるため、特定の場所に多く見られることがあるようです。

日本にちなんだ猫種といえば、「ジャパニーズ・ボブテイル」ですね。この猫種は、しっぽの短い日本の猫をアメリカに送って交配させ生まれました。なぜ、わざわざ日本からしっぽの短い猫を連れていく必要があったのか。それは、日本では当たり前に存在したしっぽの短い猫は、海外では珍しいものだったからです。

猫のしっぽは、バランスを保ち他の猫に感情を示すことから、本来ならばしっぽが長い方が生きていく上で有利だと考えられます。しかし、日本では短いしっぽの猫やかぎ尾の猫が人々に可愛がられる傾向にあり、飼い猫にもよく選ばれました。

日本では、しっぽの長い猫はやがて先端が二つに割れ、「猫股」という化け物になるという言い伝えがあったため、長いしっぽよりも短いしっぽの猫が大事にされたという背景があります。ですから、本来ならばしっぽの長い猫よりも多少生きにくい猫達が、日本では人間に大事にされることで長生きし、その遺伝子が受け継がれたということですね。

しっぽから分かる猫の気分と気持ち

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それでは、しっぽの動きや様子から見える猫の気分や気持ちについてご紹介します。

ゆっくりユラユラは「リラックス」

しっぽの動きがとても穏やかでゆっくりとしている時は、リラックスしている様子を示しています。窓際でのんびりまどろんでいる、飼い主さんとソファでくつろいでいる時などに見られることがあります。

激しくバシンバシンは「イライラ」

寝転んでいる猫のしっぽが床をバチンバチンと叩くように大きく振っている時や、激しめに左右に振っている時は、イライラしている気持ちを表しています。飼い主さんに怒られた、他の猫と喧嘩した、窓の外に敵がいるなど、緊張感が募り気分が落ち着かない時によく見られる様子です。こうした時は、なだめようとして無理に触っていると、ガブッと噛まれてしまうこともあるため、そっとしておいてあげましょう。

寝ている状態でパタパタは「面倒くさいにゃ」

激しい動きとまではいかなくても、しっぽを床にペチペチっと打つように動かすこともありますよね。これは、寝ている猫を呼んだ時によく見られます。本当は寝ていたいのに名前を呼ばれると、面倒くさくてしっぽで返事しているようです。

まっすぐピーンは「嬉しい」

しっぽを地面と垂直に、天井に向かってまっすぐにピーンと立てているときは、嬉しい気持ちの表れです。飼い主さんに向かって歩いてくる時にこの姿が見られたら、甘えたいなという意思表示でもあります。おやつを目の前にした時によく見られますね。

ピーンと立てて先っぽだけ曲がっているのは「遊んで欲しいにゃ」

先ほどの、嬉しい時のしっぽにも似ていますが、ピーンと立てたしっぽの先っぽだけが曲がっている時も、良い気分を表すことが多いです。遊んで欲しい・ワクワクしているといった気持ちのサインだったり、飼い主さんへの挨拶だったりするため、声をかけてあげると喜びます。

ブワッと膨らませるのは「威嚇」

猫は、驚いた時や恐かった時、そして相手を威嚇する時に全身の毛が逆立ちます。これは、立毛筋の収縮によるもので、自分を大きく見せて相手に強さをアピールしていると考えられています。子猫のうちは、まだ見慣れないものが多いせいか、この様子がしばしば見られます。大きくなっても、掃除機の音やお客さん、突然の大きな音などに対してしっぽを膨らませることはありますね。

水平よりも少し下がっているのは「穏やか」

何事もなく、穏やかな気持ちの時、いわゆるノーマルな状態の時は、しっぽは水平よりもやや下の位置にあります。

しっぽがだらんと下がるのは「元気がない」

叱られてしょんぼりした時には、しっぽをだらんと下げていることもあります。これは、一時的なものなら問題ありませんが、ずっと下がっているのは要注意。体調不良によって元気がない証拠かもしれません。ふだんの様子と照らし合わせて変わった点があれば、動物病院への受診を検討しましょう。

しっぽが足の間に入っているのは「こわい」

驚いた時や恐い時、しっぽを大きく膨らませて威嚇することもありますが、こわいと感じた時はしっぽを足の間にしまっていることもあります。これは、できるだけ体の出っ張った部分を隠し、ダメージを少なくしようとする行動です。怯えて落ち着かない気分という表れなので、静かで落ち着ける場所に連れていってあげましょう。

猫はさまざまな方法で気持ちを伝えている

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今回は、猫のしっぽの動きと感情の関係をご紹介しました。猫は、言葉を話すことはできないものの、鳴き声やしぐさ、そしてしっぽの動きなどを通して、私たちに感情を伝えていることが分かりますね。しっぽは、猫にとってとても大切な部位です。むやみに触らず、踏んだり挟んだりしないように日頃から気を付けて生活しましょう。

著者情報

こば

小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。

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