犬に甲殻類を食べさせない方がいい理由とは?
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まずは本題である、犬に甲殻類を食べさせてはいけない理由をご説明します。
これを読めば、あえて犬に甲殻類を食べさせる必要はないとわかってもらえるはずです。
消化不良の原因になる
甲殻類は、消化に良いとは言えない食べ物です。
そのため、犬が甲殻類を食べると、消化不良の原因になる可能性があります。
甲殻類による消化不良で、犬が嘔吐や下痢をしてしまうことも考えられるでしょう。
ビタミンB1欠乏症のリスク
生のエビやカニなどの甲殻類には、チアミナーゼという成分が含まれています。
チアミナーゼは、ビタミンB1を分解する作用を促進する酵素が多く含まれているため、犬が生の甲殻類を食べることでビタミンB1欠乏症を発症するリスクが高くなります。
犬がビタミンB1欠乏症を発症すると、食欲不振や嘔吐、痙攣などがみられるでしょう。
ちなみに、チアミナーゼは加熱をすることで破壊される成分ではありますが、さまざまなリスクを踏まえると、やはり犬には甲殻類を与えないほうが良いといえます。
アレルギーのリスク
エビやカニなどの甲殻類は、人間と同様に犬もアレルギーのリスクがあります。
アレルギーにより、嘔吐や下痢のほか、皮膚の赤みなどがみられることもあるでしょう。
甲殻類アレルギーは、加熱の有無に限らず症状が現れるため、注意しなければなりません。
アナフィラキシーショックのリスク
エビやカニなどの甲殻類が原因で、犬がアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
アナフィラキシーショックとは、全身に現れる過剰なアレルギー反応のことです。
通常であれば、犬の場合はワクチン接種でアナフィラキシーショックを起こすことが多いです。
犬がアナフィラキシーショックを起こしたら、すぐに動物病院に連れて行かなければ命に関わる可能性もあるため、特に注意しなければなりません。
アナフィラキシーショックは、食後30分以上経過すると発症することが多く、発症後は遅くとも1時間以内に処置をする必要があります。
もしも犬が甲殻類を食べてから嘔吐や痙攣、呼吸困難などが起こった時には、何よりも最優先で獣医師に診せに行きましょう。
犬に甲殻類を与える際の注意点は?
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どうしても犬に甲殻類を食べさせたい場合は、いくつかの注意点を守る必要があります。
先述したように、あえて犬に甲殻類を食べさせる必要はありませんが、もしも犬に甲殻類を食べさせたいのであれば、ここを必ずチェックしておきましょう。
必ず加熱をする
先述したように、犬に生のエビやカニなどの甲殻類を食べさせると、チアミナーゼによりビタミンB1欠乏症のリスクが高くなります。
そのため、もしも犬に甲殻類を与えたいのであれば、必ずしっかりと加熱をしましょう。
しかし、加熱をしてもアレルギーのリスクはあります。
細かく刻んで与える
犬は甲殻類を食べることで、消化不良のリスクが挙げられます。
犬に甲殻類を与える際は、甲羅や殻をしっかりと取り除いた上で、細かく刻んで与えるようにしましょう。
ちなみに、そこまでして犬に甲殻類を与えるメリットは少なく、たんぱく質を摂らせたいのであれば肉類や魚類を与えたほうが無難です。
大量には与えない
もしも犬に甲殻類アレルギーがない場合でも、大量に与えるのは避けなければなりません。
大量に甲殻類を食べさせることは、甲殻類アレルギー発症の原因となる可能性があります。
そのため、もしも犬に甲殻類を食べさせるのであれば、普段与えているドッグフードにトッピングする程度に留めましょう。
犬が甲殻類を食べてしまった時の対処方法
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飼い主の目を離した隙に、犬が甲殻類を食べてしまうこともあるかもしれません。
最後に、犬が甲殻類を食べてしまった時の対処方法をご紹介します。
犬の様子をチェックする
犬がエビやカニなどの甲殻類を食べたとしても、加熱をしつつ少量であれば、そこまで心配になることはありません。
しかし、甲殻類アレルギーの可能性も踏まえて、もしも犬が甲殻類を食べた場合にはしばらく様子を見たほうが良いでしょう。
ちなみに、アレルギー症状は甲殻類を食べてから数時間後に現れることもあるため、嘔吐や下痢がないかをしっかりと観察していかなければなりません。
動物病院に連れて行く
犬が甲殻類を食べてしまった時は、念のため動物病院に連れて行ったほうが安心でしょう。
獣医師には、食べた甲殻類の種類や量、加熱の有無などを伝えて、正しい対処をしてもらいます。
もしも犬が甲殻類を食べて間もない場合であれば、食べた甲殻類を吐かせるための処置がされるはずです。
また、消化不良の症状がみられる際は、整腸剤や下痢止めなどを処方されることもあるでしょう。
当然ながら、アナフィラキシーショックの症状がみられた時には、一刻も早く動物病院へ連れて行かなければなりません。
犬に甲殻類を食べさせるのは避けましょう
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犬に甲殻類を食べさせると、消化不良やアレルギー症状、場合によってはアナフィラキシーショックにより命に関わることもあります。
また、生の状態の甲殻類にはチアミナーゼという成分が含まれており、チアミナーゼによりビタミンB1欠乏症のリスクが高くなってしまいます。
そのため、犬にはあえて甲殻類を食べさせる意味はないといえるでしょう。
もしも犬にどうしても甲殻類を食べさせたいのであれば、しっかりと加熱をして細かく刻む必要がありますが、たんぱく質などの栄養素はほかの食材でも補えます。
ちなみに、犬が甲殻類を食べてしまった場合は、加熱済みのものを少量食べただけでは問題はないでしょうが、アレルギー症状など何か異変がみられた時には、早めに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。