多くのご家庭でペットとして飼育されている鼻ぺちゃな犬種たち。今回は人気の高い犬種をご紹介するとともに、飼育する際の注意点もあわせて解説します。
鼻ぺちゃな犬でお馴染みな「短頭種」ってどんな犬?
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鼻ぺちゃな犬種たちは、「短頭種」という分類で分けられます。では、この短頭種にはどのような特徴があるのでしょうか?主な特徴は以下のとおりです。
《短頭種の特徴》
・マズル(目元から口先までの部分)が短い・顔にたくさんのシワがある
・目がクリクリしている
・呼吸音が大きい
・噛み合わせがよくない個体が多い
※犬種によって身体的な特徴には違いがあります。
短頭種の共通する特徴として、「マズルが短い」というものがあります。通常、犬は暑さを感じると、舌を出した状態でハアハアと息をすること(パンティング)で、体内の熱を放出しています。
しかし、短頭種は鼻が短く口腔内の面積も中頭種や長頭種の犬種とくらべ狭いため、熱を逃がすのが苦手です。そのことから、短犬種を飼育する際は、暑さへの対策がとても重要だといわれています。
鼻ぺちゃがかわいい犬種4選
鼻ぺちゃが魅力なかわいい犬種を4種類ご紹介します。
フレンチブルドッグ
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【基本データ】
原産国:フランス体重:8kg~14.5kg
毛色:フォーン、ブリンドル、各種毛色にホワイトの斑 など
【フレンチブルドッグの特徴・性格】
「フレブル」の愛称で知られるフレンチブルドッグ。鼻ぺちゃが特徴的な顔と、小柄ながらも筋肉質な体を持った犬種です。身体的な特徴として有名なのが、コウモリのようにみえる耳、通称「バッドイヤー」であり、フレンチブルドッグのかわいらしさをより引き立てています。ちなみに、バッドイヤー以外にも、折れ耳の場合は「ローズイヤー」とよびます。
愛嬌があり飼い主にとても懐きやすいため、ペットとして飼育するのに適した犬種です。
パグ
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【基本データ】
原産国:中国体重:6.3kg~8.1kg
毛色:アプリコット、シルバー、フォーン、ブラック など
【パグの特徴・性格】
パグという名称は、ラテン語で「握りこぶし」を意味しており、その名のとおりシワくちゃな顔を持つ犬種です。シワシワで愛嬌のある顔と大きな瞳が特徴的で、全体的にがっしりとした体格をしています。
少し頑固な性格をしているため、子犬期からの適切なしつけが必要です。しかし、とても陽気で飼い主によく懐くことから、しつけがうまくできれば最高のパートナーとなってくれます。
ペキニーズ
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【基本データ】
原産国:中国体重:5.4kg以下
毛色:ホワイト、ブラック、クリーム、レッド、フォーン、パーティーカラー など
【ペキニーズの特徴・性格】
原産国である中国では、ライオンとサルが結婚して生まれたという伝説が伝わっているペキニーズ。その起源は紀元前2000年といわれており、とても歴史のある犬種です。フワフワとして長毛で覆われていて、丸っとしたつぶらな瞳が特徴的です。
優しく穏やかな性格をしている一方、少しマイペースなところがあります。ペットとして飼育する際は、被毛の状態を保つためにも毎日ブラッシングすることが大切です。
面倒くさがらずお手入れができる方にはぴったりな犬種です。
ボストンテリア
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【基本データ】
原産国:アメリカ体重:6.8kg未満~11.35kg(サイズによって適正体重が異なる)
毛色:ホワイト&ブラック、ブリンドル&ホワイト など
【ボストンテリアの特徴・性格】
「ボステリ」の愛称で知られるボストンテリア。黒に白の斑が入った被毛は「ボストンカラー」または「タキシードカラー」とよばれており、世界中で愛されています。小柄ではあるものの、筋肉質で運動がとても大好きな犬種です。よくフレンチブルドッグと間違われることがありますが、耳の形や足の長さなどから両者を見極めることができます。
誰とでも仲良くれるフレンドリーな性格をしており、物覚えが早いとても賢い犬種です。子供にも優しく接することができるため、よき遊び相手になってくれるでしょう。
短頭種を飼育する際に注意すべきポイント
鼻ぺちゃ犬こと短頭種を飼育する際に注意すべきポイントは以下のとおりです。
《短頭種を飼う際の注意点》
・気温や室温の変化に注意する・寝息(いびき)が響きやすい
・顔の周りが汚れやすい
・飛行機に乗せられないことがある など
どれも大切なポイントですが、このなかでとくに注意が必要なのは「飛行機に乗せられないことがある」です。
愛犬とともに飛行機で旅行しようとすると、犬は貨物扱いになるため、冷房などが不十分な環境で長時間にわたってジッとしている必要があります。
先述したように、短頭種は暑さにとても弱いです。そのことから多くの航空会社では、夏場である7月~9月末を目安に短頭種の預かりを中止しています。実際に短頭種のワンちゃんが飛行機へ搭乗した直後に亡くなるというケースも報告されています。
夏場などの暑い時期にどうしても愛犬を連れて遠出する必要がある場合は、飛行機以外の交通機関を利用するなど、事前に対応を考えておきましょう。
鼻ぺちゃの犬種にはたくさんの魅力がある
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今回は鼻ぺちゃがかわいい犬種や飼育する際の注意点について解説しました。短頭種は暑さにとても弱い犬種なので、直射日光が避けられる室内で飼育しているからといって油断しないでください。気温や室温が高い日は、エアコンなどを活用して快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
また、今回はご紹介できませんでしたが、鼻ぺちゃな犬種はまだまだたくさんいます。どの子もかわいらしい姿をしていますので、気になる方はぜひこの機会に調べてみてください。
鼻ぺちゃな犬種たちにはたくさんの魅力があります。これからもその特徴的な姿で、私たちを幸せな気持ちにしてくれるでしょう。
著者情報
U.SHOHEI
父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。
現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。
得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。