猫のお腹のたるみは肥満?猫のルーズスキンについて

猫のお腹がたるんでいることから、肥満に見えることがあります。
しかし、それは肥満ではなく、ルーズスキンと呼ばれる猫特有のお腹のたるみです。
この記事では、猫のルーズスキンの役割や脂肪との違いを解説します。 2023年02月06日作成

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猫のルーズスキンとは?

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まずは、猫のルーズスキンについてご説明します。
ルーズスキンのことがわかれば、猫のお腹のたるみも肥満ではないことがわかるはずです。

猫のお腹のたるみの名称

ルーズスキンとは、猫のお腹のたるみのことを指します。
具体的にいうと、お腹のたるみの皮膚の部分です。
ルーズスキンを直訳すると、「締まりがない皮膚」という意味になります。
ちなみに、ルーズスキンは触ると何とも言えない柔らかさで、とても気持ち良いです。
トラやライオンにもルーズスキンはみられるため、ネコ科ならではの特徴といえるでしょう。

ルーズスキンは年齢などに関係なくみられる

ルーズスキンは、猫の年齢や肥満などに関係なくみられます。
ルーズスキンのことを知らない人が見ると、「うちの猫、太りすぎじゃない?」と感じるかもしれませんが、さまざまな猫にルーズスキンはみられるため、気にする必要はありません。
ちなみに、避妊手術をしたメス猫にルーズスキンのようなたるみができることがありますが、これはルーズスキンではありません。

ルーズスキンは日本での呼び名

ルーズスキンは英語のように感じますが、日本での呼び名です。
英語ではプライモーディアルポーチ(primordial pouch)と呼ばれ、直訳すると「原始的な袋」という意味です。

ルーズスキンができやすい猫種がいる

ルーズスキンは、アメリカンショートヘアやベンガルなど、一部の猫種にできやすいといわれています。
また、ルーズスキンができやすいといわれる猫種は、キャットショーでも「大きなルーズスキンがある」ということが評価の基準になることもあります。

猫のルーズスキンの役割

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猫のルーズスキンは、ただのお腹のたるみではありません。
次に、猫のルーズスキンの役割を解説します。

皮膚の急な動きにも耐えられる

猫は瞬発力に優れた動物なので、急に走り出したり飛んだりすることが可能です。
しかし、急な動きは皮膚が伸びてしまい、場合によっては突っ張ることもあります。
皮膚の突っ張りを予防するためにも、ルーズスキンはあるのです。
ルーズスキンがあるおかげで、猫が身体を伸ばした時にも皮膚を傷める心配がありません。
これは自然界で生き抜くチーターやヒョウなどのネコ科にとってはとても大切で、獲物を捕らえるためには、ルーズスキンは欠かせないものといえるでしょう。

お腹を守ることができる

動物にとって、お腹は急所になります。
当然ながら猫にとってもお腹を外敵に攻撃されることは避けなければなりませんが、ルーズスキンがあることによってお腹を守ることができます。
ルーズスキンは分厚い皮膚であるため、外敵に噛まれたり引っかかれたりしても、内蔵にダメージを負いにくいでしょう。

保温することができる

猫は寒さに弱い動物です。
そのため、ルーズスキンの分厚い皮膚によって、保温することができるといわれています。
ニャンモナイトと呼ばれる、猫が寒さを感じた時に丸まって寝る姿も、ルーズスキンを中心にして温まることが可能です。

ルーズスキンに栄養を蓄えている

猫のルーズスキンには、ラクダのコブのように栄養を蓄えているという説があります。
しかし、これには根拠がなく、信ぴょう性は低いでしょう。
ルーズスキンに栄養をため込んでいるとなればシュールで可愛いですが、もしかしたら本当に猫のルーズスキンには生き延びるためにそのような役割があるのかもしれません。

たくさん食事ができる

野生で生きる、猫を含めたネコ科の動物は、毎日狩りをして生活をしています。
しかし、狩りが毎日成功するわけではなく、場合によっては1日食事ができないこともあるでしょう。
そのためには、食事ができる時に可能な限り食べておく必要があります。
ルーズスキンにより皮膚が伸びることで、大量の食事により胃袋が膨らんでも、皮膚が突っ張る心配はありません。

ルーズスキンと脂肪の違い

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ルーズスキンは、飼い主によっては脂肪だと感じるかもしれません。
最後に、ルーズスキンと脂肪の違いについて見てみましょう。

ルーズスキンは分厚い皮の感触

ルーズスキンは分厚い皮膚でできているため、触ったら皮の厚みだけを感じるでしょう。
それに対して脂肪は、ルーズスキンにみえる皮膚の中に脂肪を感じるはずです。
また、猫の体型を見ても、ルーズスキンを持った猫であればしっかりとウエストにしなりがあります。
しかし、肥満の猫はウエストを感じない丸太のような体型をしているため、ルーズスキンではないことがわかるでしょう。

病気の場合はルーズスキンに異物を感じる

もしも猫が病気の場合は、ルーズスキンの部位を触った時に異物を感じるはずです。
通常のルーズスキンのようなたるんだ皮膚や、肥満気味の猫の脂肪を感じるわけではなく、しこりや膨張を感じた時には、早めに動物病院に連れて行きましょう。
当然ながら具体的な病名は獣医師にしかわかりませんが、ルーズスキンの異物は腹水や癌の可能性も考えられます。

ルーズスキンは猫を守ってくれる

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猫のルーズスキンは、運動能力の高い猫のためにあるといえます。
ルーズスキンのおかげで、猫は走り回ったり飛び跳ねたりしても皮膚が突っ張る心配がありません。
また、ルーズスキンは分厚い皮膚なので、外敵からお腹を守るという意味もあります。
ほかには、食い溜めのためや、ラクダのようにルーズスキンに栄養素ため込んでいるという説も挙げられます。
さまざまな説がありますが、おそらくは猫の動きに皮膚が対応できるように、ルーズスキンはあるのでしょう。
ルーズスキンが垂れ下がった猫を見るのは癒されますが、きちんとした理由があったのです。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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