猫の下腹部にみられる「ルーズスキン」の正体や役割を徹底解説!

猫の下腹部にあるルーズスキン。猫にとって大切な役割を果たしているのですが、愛猫家のみなさんはその重要性を知っていますか?そこで今回は、猫のルーズスキンとはなんなのかを説明したうえで、その役割やとくにルーズスキンが目立つ猫種について解説します。 2022年09月04日作成

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猫のルーズスキンにはさまざまな役割があります。愛猫と接していてもよくわからない方が多いと思いますので、ぜひこの機会にルーズスキンについて理解しておきましょう!

猫の下腹部にある「ルーズスキン」とは?

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猫のルーズスキンとは、お腹から足にかけてみられる皮膚のたるみのことです。タプタプとした触り心地から、一見するとぜい肉が垂れ下がっているようにみえますが、基本的には皮膚のたるみであり脂肪ではありません。

ルーズスキンは正式名称を「プライモーディアルポーチ」と呼び、海外では主にこちらで呼ばれることが多いようです。

ルーズスキンは雌雄関係なく存在するものであり、成猫になる過程で少しずつ目立つようになっていきます。主に体が発達した1歳以上の猫にみられ、子猫時には目にみえるほどのルーズスキンはほとんど確認できません。

また、ルーズスキンのサイズは猫種や個体によって異なります。目視ですぐルーズスキンを確認できる個体もいれば、少し皮が垂れている程度で目立たない個体も存在します。

≪補足≫
ルーズスキンは家猫のみが持つ特徴ではなく、同じネコ科に該当するライオンやチーター、トラ、ヤマネコなどの動物にもみられます。

肥満体型とルーズスキンは関係ない?

ルーズスキンは皮膚の垂れ下がりであるため、直接的に肥満との関係はありません。大柄な猫のルーズスキンをみて、「あの猫は太りすぎだな」という方がいますが、実際はルーズスキンの垂れ下がりが目立っているだけというケースも多々あります。

肥満とルーズスキンの違いを確認する簡単な方法としては、実際に手で触れてみるのがおすすめです。

猫のお腹から足にかけて触ったとき、少し分厚い皮を触っている感覚があればそれはルーズスキンです。しかし、つまんだ際に脂肪が詰まっているように感じられるのであれば、それは肥満の可能性が高いといえるでしょう。

猫の場合、体へ触れたときに肋骨がわからない状態だと肥満にあたるといわれています。ルーズスキンと肥満を判別する際の基準として覚えておきましょう。

肥満以外にも、腹水や排泄障害によって腹部が膨らんでいるケースもあるため、嘔吐や下痢、排泄がうまくいっていないなどの症状があれば、できるだけ早くかかりつけの獣医師に相談しましょう。

≪補足≫
猫のなかにはお腹に触られるのを嫌う個体もいます。無理に触ろうとすると威嚇や攻撃を受ける可能性もあるため、無理強いはしないようにしてください。

ルーズスキンにはどんな役割があるの?

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ルーズスキンの役割として、「腹部への攻撃を防ぐため」「脚部の可動域を広げるため」「食料を備蓄するため」の3つの説が有力とされています。ルーズスキンがそれぞれどのように役立っているのかみていきましょう。

腹部への攻撃を防ぐため

猫だけでなく動物の腹部はさまざまな臓器が集まった、いわば急所にあたる部分です。そのことから、ルーズスキンは外敵による腹部への攻撃を受けた際のクッション材として有効だと考えられています。

具体的には、よく伸びる皮膚によって、外敵の爪や牙が内蔵に届くのを防いでくれるようです。

ペットとして飼われている猫には不必要に感じられるかもしれませんが、同居する猫同士のケンカなどで腹部へ攻撃する可能性も考えられます。そのため、ルーズスキンは家猫にとっても大切な役割を持っているのです。

脚部の可動域を広げるため

猫は俊敏な動きで上下移動を行います。その際、皮がつっぱった状態だと急激な動きに体がついてこられません。そのことから、ルーズスキンによって皮膚に十分な余裕を残しているのではないかと考えられています。

体のなかでも広い可動域が必要となる脚部にルーズスキンがあるのはそのためです。

≪補足≫
ルーズスキンがほかの個体より小さいからといって運動能力に極端な違いが出るというデータはいまのところ見当たらないので、とくに心配しなくても大丈夫だと思われます。

食料を備蓄するため

猫などの動物には「食いだめ」という特性があります。食いだめとは、一度の食事でたくさんの量を摂取しお腹に蓄えることです。

野性で生活するライオンを例に考えてみます。百獣の王といわれるライオンであっても毎回狩りに成功するわけではありません。そのため、昨日は獲物にありつけたけれども、今日は食事が一切ないというケースもあります。

そのような場合に備え、食いだめにより食事を取れる際にできるだけお腹に蓄えることで、エネルギーを確保しているわけです。

以上のことから、ルーズスキンは食いだめによるお腹の膨らみを、余裕のある皮膚でカバーするために体の構造として発達したと考えられているのです。

ルーズスキンが目立ちやすい猫種はいるの?

ルーズスキンが目立ちやすい猫種は複数存在しています。あなたの愛猫が含まれていないか確認してみてください。

≪ルーズスキンが目立つ猫種≫
・アメリカンショートヘア
・エジプシャンマウ
・ピクシーボブ
・ベンガル

ルーズスキンが目立つからといって体の構造に問題はありません。あくまで見た目として目立つという意味合いでご紹介しています。

また、上記以外の猫種でも個体によってはルーズスキンが目立つネコちゃんもいますので、参考程度としていただければと思います。

ルーズスキンは猫が持つ愛すべき特徴のひとつです

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ルーズスキンは猫の体を守るだけでなく、愛猫をよりかわいらしく見せてくれる特徴のひとつでもあります。

愛猫の肥満度を確認するうえでも、猫が嫌がらないようであればぜひ触ってみてくださいね!

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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