猫の骨格について
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まずは、猫の骨格についてご説明します。
人間との違いについても見てみましょう。
猫の骨は人間よりも多い
猫の骨は、人間よりも多いです。
私たち人間は約200本の骨で成り立っていますが、猫の骨は約240本あります。
それぞれの部位ごとに説明していきます。
・頚椎(けいつい)猫も人間も7本
・胸椎(きょうつい)猫が13本に対して人間は12本で、猫のほうが1本多い
・腰椎(ようつい)猫が7本で人間は5本、猫のほうが2本多い
・仙椎(せんつい)猫は3本、人間が5本
・尾椎(びつい)猫の種類にもよるが4本〜24本、人間は3本〜5本
このように、猫と人間の骨の数の差は約40本ありますが、約20本は尾椎の数の違いであることがわかるでしょう。
猫は足の指の本数が少ない?
猫を飼っている人であれば愛猫の手足を見てみるとわかりますが、実は猫の手足は5本ではありません。
前足はそれぞれ5本ずつあるのに対して、後ろ足はそれぞれ4本しかないのです。
もちろん、後ろ足の本数が4本であるのにも理由があります。
前足は物を抱きかかえやすいように5本ありますが、後ろ足は走ることに特化するために4本であるといわれています。
猫の骨格の役割
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次に、猫の骨格の役割についてご紹介します。
これは猫に限った話ではないですが、愛猫の身体のことを知るためにも覚えておきましょう。
身体を支える
猫の骨格には、身体を支える役割があります。
身体の柔らかい組織を支えることや、筋肉の付着点となることにより、猫のさまざまな動きに対応するようにできています。
骨格と筋肉を連動させることで、猫が走り回ったりジャンプをしたりしても身体に負担がかかることはありません。
また、骨格がなければ猫本来のバランス感覚を維持することは難しいですし、猫じゃらしで遊ぶこともできないはずです。
骨格は、すべての動きをするために必要といえるでしょう。
身体を保護する
骨格には、身体を保護する役割もあります。
骨は外部の衝撃から、デリケートな臓器を守っているのです。
特に目や鼻など、猫にとって大切な器官が備わった頭部には、ほかの部位の骨よりも硬い頭蓋骨があり、脳を含めて猫の身体を守ってくれます。
脳のほかに心臓や肺など、猫の生命に直接かかわってくる部分をしっかりと骨で保護しています。
このように、猫の骨格は身体を保護する役割もあるのです。
猫の動きがしなやかな理由
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猫の動きはとてもしなやかで、高い場所から飛び降りてもすぐに次の動きに入ることができます。
最後に、猫の動きがしなやかな理由について見ていきましょう。
つま先立ちで歩いている
猫は、つま先立ちで歩いています。
人間が歩くときはかかとを含めた足の裏全体を地面につけますが、猫は骨格の構造上かかとを地面につけて歩くことはありません。
実は、私たちが猫の足の裏だと思っている肉球は、指なのです。
猫のかかとは、肉球から少し離れた場所にあります。
猫が座る姿勢になったときに後ろ足を見てみると、かかとを地面につけているのがわかるでしょう。
このかかとを地面につけずにつま先立ちで歩くのが、猫が急に走り出したりジャンプをしたりすることを可能にしています。
私たち人間も、全力で走るときにはかかとを地面につけずに走るはずです。
かかとを地面につけずに歩くことで、急な動きにも対応することができます。
猫の鎖骨は小さい
猫の鎖骨は、退化により小さくなっています。
鎖骨が小さいことにより、肩まわりのしなやかな動きを可能にしているのです。
私たち人間の鎖骨は、胸骨や肩甲骨と関節を介して繋がっているため、肩まわりの柔軟な動きをすることはできません。
しかし猫の鎖骨は胸骨や肩甲骨とは繋がっていないことから、肩幅までも柔軟に変えることが可能です。
鎖骨が小さいことで、猫は頭の大きさほどしかない小さな穴でも通り抜けることができるのでしょう。
猫の長い胴体と背骨が柔軟さの秘密?
猫の胸椎と腰椎の数は、先述したように人間よりも多いです。
そのため、猫の胴体が長いことは猫好きであれば周知の事実でしょう。
この胴体が長いことこそ、猫の柔軟さの秘密です。
猫は、高い場所から落ちても身体をしなやかに回転させて着地することができます。
これは、猫の胴体が長いことと、背骨の柔らかさが関係しているのです。
背中の筋肉が発達していることにより、猫のさまざまな身体の動きを可能にしています。
それに加えて、先述した猫のかかとの作りよって、着地をしても身体に大きな負担がかかることはありません。
猫が丸まって寝るのを私たち人間が真似できないのは、その背中の筋肉が発達していることが関係しているのでしょう。
猫の柔らかい身体は骨格が要因だった!
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猫はたくさんいる動物の中でも、特に身体が柔らかいことで知られています。
私たち人間もそうですが、狭い場所で身体を丸めて寝たり小さな隙間をやすやすと通り抜けたりすることは、猫以外の動物には難しいものです。
その柔らかい身体に加えて、走り出したりジャンプをしたりするなど、さまざまな動きをすることもできます。
そのしなやかな動きの秘密は、骨格にありました。
つま先立ちで歩くことにより急な動きにも対応することができ、鎖骨が小さいことで小さな隙間を通り抜けることも可能です。
また、長い胴体と発達した背中の筋肉により空中で身体を回転させることもできます。
猫を飼っている人は、いままで意識したことのない猫の動きを、目で追ってみてはいかがでしょうか?
もしかしたら、新たな愛猫の魅力を発見することができるかもしれません。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。