文豪ヘミングウェイが愛した猫には、ほかの猫とは違う特徴がありました。そんな愛猫たちの特徴や現在の状況についてご紹介します。
ヘミングウェイはどんな人物なのか
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アーネスト・ミラー・ヘミングウェイは1899年生まれのアメリカ人小説家・詩人です。
ヘミングウェイの代表作には、「老人と海」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」などがあり、彼の死から60年が経った現在でも世界中の人々を夢中にさせています。
1954年にはこれまでの功績が評価され、ノーベル文学賞を受賞。名実ともに世界的な小説家・詩人となりました。
ヘミングウェイは大の猫好き
そんなヘミングウェイですが、大の猫好きとして知られており、多い時には約60匹の猫を飼育していたそうです。
ヘミングウェイキャットの特徴は指が〇本?
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ヘミングウェイが愛した猫にはどのような特徴があったのでしょうか?
ヘミングウェイキャットの概要
大の猫好きだったヘミングウェイは、知り合いの船長から猫を譲り受けました。
ところがその猫は、指が6本ある珍しい猫だったのです。
通常の猫は、前脚に5本、後ろ脚に4本の計9本の指を持っています。
しかし、ヘミングウェイが譲り受けた猫は、手足の指が多くなる「多指症」の猫でした。
多指症の猫は「幸運を運んでくれる存在」と考えていたヘミングウェイは、その猫をスノーホワイトと名付け大切に育てました。
こうしてヘミングウェイの深い愛情を受け飼育されてきた複数の猫たちは、いつの間にかヘミングウェイキャットと呼ばれるようになり、現在もその子孫たちが命をつないでいます。
猫の多指症の特徴と原因とは
ヘミングウェイキャットにも見られる、多指症の特徴や原因について解説します。
多指症の特徴
多指症は手足の指が多くなる病気のことで、多指症によって増えた指が、まるでミトンを履いているかのように見えることから、「ミトンキャット」と呼ばれています。
ヘミングウェイキャットに関していうなら、現在生存しているスノーホワイトの子孫は、前脚に余分な指を持つ個体が多いようです。
多指症が猫にあたえる健康面での具体的な悪影響は報告されていないため、多指症による健康被害の心配は少ないと考えられます。
そのことから、多指症の猫が誕生しても手術などの対応は必要ありません。
多指症の猫はその多くついた指を活用し、普通の猫よりも木登りやネズミ捕りが上手いと言われることからも、身体的な欠点とはなっていないようです。
しかし、爪とぎがうまくいかず巻き爪になりやすいとの指摘もあることから、人の目による観察と定期的な爪切りが必要です。
補足ですが、人間にも多指症は発症します。
戦国時代の武将である豊臣秀吉も右手の親指が1つ多く、織田信長から「六ツめ」というあだ名で呼ばれていたと伝わっています。
猫の多指症とは異なり、人間の多指症は満1歳以降に不要な部分を切除する手術を行うのが一般的です。
多指症となる原因
多指症の原因は不明な部分が多いのですが、親猫からの遺伝による優位遺伝説が有力とされています。
優位遺伝とは、子供に現れる身体的な特徴や性質に着目した遺伝様式のひとつです。
簡単にいうと、親猫のどちらか一方が多指症の遺伝子を持っていると、その子供も多指症を持つ個体として生まれるというものです。
日本における猫の多指症は少なく、その多くはグレートブリテン島やアメリカ北東部などの限られた地域に集中しているという特徴があります。
多指症を持つ猫が最も多くいるとされるアメリカのボストンには、多指症猫の全体の15%が集まっているそうです。
また、メインクーンやピクシーボブなどの猫種には多指症の遺伝子を持つ個体が多いとされていますが、その原因は現在でも明確な結論はでていません。
ヘミングウェイキャットとその子孫たち
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ヘミングウェイキャットの現在
日本では珍しい多指症を持つヘミングウェイキャットに会ってみたくありませんか?
ヘミングウェイキャットたちは、ヘミングウェイ亡きあとも命をつなぎ続け、その子孫たちとは、アメリカのフロリダ州キーウェスト島にある旧ヘミングウェイ邸宅、アーネスト・ヘミングウェイ博物館で会うことができます。
しかし、そこで生活する猫すべてがスノーホワイトの子孫ではなく、島に生息していた猫との交配によって誕生した多指症以外の個体も多く含まれています。
また、ヘミングウェイキャットは有名人の名前を冠した個体が複数いたようで、「マリリン・モンロー」や「ハンフリー・ボガード」、「ソフィア・ローレン」など、多くの著名人の名前がつけられていました。
現在でもその伝統に従って、猫たちの名前を決めているようです。
博物館で生活するヘミングウェイキャットたちには、ダニ・ノミの駆除や予防接種などの健康管理が、獣医師の手によって定期的に行われています。
ヘミングウェイキャットをめぐる争い
ヘミングウェイ亡きあと、残された猫たちをどうするのか話し合いがなされました。
その時点で50匹以上の猫が残されており、地元の条例による頭数制限を超える頭数となっていたためです。
そのため、猫たちの処遇をめぐって地元当局と裁判にまで発展しましたが、ヘミングウェイキャットの特異性が認められ、例外として継続飼育が許されたという過去があります。
ヘミングウェイのように愛猫を心から愛しましょう
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ヘミングウェイは生涯でたくさんの猫を愛しました。
その数は多いときだと約60匹に達したと言われています。
多頭飼育に該当するため現在この飼育方法はおすすめできませんが、ヘミングウェイがすべての猫たちを愛していたことは間違いないでしょう。
多指症という特徴を持ち、ヘミングウェイが心から愛した猫たちの子孫と、いつか会ってみたいものですね!
著者情報
U.SHOHEI
父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。
現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。
得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。