これからは垂れ耳の猫の数が減少していく!?理由を解説

垂れ耳の猫種として知られる、スコティッシュフォールド。
実は、今後は垂れ耳の猫がいなくなるかもしれないと言われています。
この記事では、垂れ耳の猫が抱える問題点などを解説します。 2023年01月29日作成

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垂れ耳の猫「スコティッシュフォールド」について

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まずは、垂れ耳の猫種として知られるスコティッシュフォールドについてご紹介します。
とても可愛らしく人気の猫種ですが、どのような特徴があるのでしょうか?

垂れ耳

何といっても、スコティッシュフォールドの一番の特徴は垂れ耳です。
前方に折れ曲がった耳は、より小さくてしっかりと折れているほうが良いとされています。
ちなみに、すべてのスコティッシュフォールドの耳が折れ曲がっているわけではなく、垂れ耳は全体の30%程度です。

まん丸の瞳と頭

スコティッシュフォールドは、まん丸な瞳も特徴です。
また、丸みのある頭も可愛らしく、この可愛らしい外見がスコティッシュフォールドの人気の理由でしょう。

体重は3~6kg

スコティッシュフォールドの平均体重は、オスとメスで多少変わります。
だいたい約3~6kgとされていますが、オスのスコティッシュフォールドのほうが体重は重くなりやすいでしょう。
しかし、これはほとんどの猫種にいえることなので、気にする必要はありません。

人懐こくて飼いやすい

スコティッシュフォールドは、人懐こくて飼いやすい性格をしています。
そのため、はじめて猫を飼う人でも問題なく飼うことができるでしょう。
問題行動が少なくて飼いやすいのが、人気の理由のひとつといえます。

寿命はほかの猫よりも短い?

スコティッシュフォールドの平均寿命は、約10~13年といわれています。
一般的な猫の平均寿命が約14~15年といわれていうことから、スコティッシュフォールドはほかの猫よりも平均寿命が少しだけ短いことがわかるでしょう。
ただし、当然ながら個体差はあります。
平均寿命の短さは、少なからず垂れ耳の猫が抱える問題点によるものが考えられます。

垂れ耳の猫が抱える問題点

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垂れ耳の猫には、いくつかの問題点が挙げられます。
これらの問題点を解決しない限りは、いつか垂れ耳の猫がいなくなってしまうのではないでしょうか。

そもそも垂れ耳は奇形

猫は、立ち耳が一般的です。
垂れ耳の猫は、耳の軟骨の変形によるもので、いわゆる奇形にあたります。
垂れ耳の猫が見つかったのは意外に最近で、1960年頃にスコットランドの農村で遺伝的変異により、垂れ耳の猫が見つかりました。
それはスージーと名付けられた猫でしたが、スージーが産んだ子猫も同様に垂れ耳であったことから、可愛らしいと評判になり繁殖が始まったのです。
このように、もともとは偶然垂れ耳の猫が産まれてきてしまい、やがてスコティッシュフォールドという名称がつけられて人気が高くなっていきました。

耳の病気のリスク

垂れ耳の猫は、耳の穴を覆ってしまっているため、耳の通気性が悪いです。
耳の通気性が悪いことで耳の中が蒸れて、雑菌が繁殖しやすくなります。
雑菌が繁殖すると、耳ダニが発生したり外耳炎を発症したりするでしょう。

全身の骨が変形するリスク

もともとスコティッシュフォールドの祖先が奇形として耳が折れ曲がっていたため、遺伝で全身の骨が変形するリスクが考えられます。
特に気を付けたいのが、足や胴体の骨です。
足の骨が変形することで歩くことができなくなり、胴体の骨の変形は臓器の圧迫をする可能性があります。
ちなみに、スコティッシュフォールドにみられる、前足を投げ出して座る姿勢は、骨の変形が関係しているといわれています。

繁殖のリスク

スコティッシュフォールドは、垂れ耳同士を繁殖させると、ほぼ100%の確立で垂れ耳の子猫が産まれるといわれています。
垂れ耳が人気なので、垂れ耳同士を繁殖させれば良いと感じるかもしれませんが、そうはいきません。
なぜなら、垂れ耳の猫同士の繁殖をすることで、遺伝的変異が濃くなるからです。
垂れ耳であるだけなら良いですが、ほかの骨などの変異を持って産まれる可能性が高くなるため、垂れ耳同士の繁殖はタブーとされています。
しかし、垂れ耳のほうが売れやすいと、タブーである垂れ耳同士の繁殖をするブリーダーがいるのも事実です。

これからは垂れ耳の猫が少なくなっていく?

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今後は、垂れ耳の猫がいなくなる、もしくは少なくなると言われています。
最後に、これからは垂れ耳の猫の数が減少していくと言われる理由について見ていきましょう。

垂れ耳の猫をなくそうとする動きがある

垂れ耳の猫は、生物学上ではあくまで病気という位置づけとなっています。
そのような猫をあえて繁殖させようというのは、倫理的にずれているという考えから、垂れ耳の猫をなくそうとする動きがあります。
2017年にはシドニー大学の獣医内科専門家であるリチャード・マリク博士が、スコティッシュフォールドが「骨軟骨異形成症を発症する遺伝子に関する研究」を発表しました。
これは、病気であるスコティッシュフォールドを繁殖させるのは残酷であり、倫理的に弁解の余地がないというものです。

参考文献:THE TIMES【Scottish fold fad ‘needs swift end’】
https://www.thetimes.co.uk/article/scottish-fold-fad-needs-swift-end-zk9z88dcj

スコットランド動物虐待防止協会が繁殖の禁止を要請

スコットランド動物虐待防止協会(SSPCA)が、スコットランド自治政府に対して、スコティッシュフォールドの繁殖を禁止させるように求めています。
現時点では繁殖の禁止や制限はされていませんが、今後垂れ耳の猫の問題点が世間に広がると、実際に垂れ耳がこの世からいなくなってしまうかもしれません。
ちなみに、スコットランド政府は今後スコティッシュフォールドの繁殖を禁止するかどうか、検討している最中です。

立ち耳の猫の居場所がなくなる?

スコティッシュフォールドの約70%は、立ち耳です。
しかし、約30%の確立で産まれる垂れ耳のスコティッシュフォールドの需要が高いため、立ち耳の猫の居場所がなくなってしまうという問題があります。
すぐに世の中から垂れ耳の猫がいなくなることはありませんが、今後はスコティッシュフォールドの繁殖の禁止や制限がされる可能性はあるでしょう。

垂れ耳の猫は可愛いが、さまざまな問題もある

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垂れ耳の猫は、外見的にはとても可愛らしいです。
しかし、実際は遺伝的な問題がある、奇形と言わざるを得ません。
垂れ耳の猫は、耳の中が蒸れること病気を発症したり骨が変形したりするリスクがあり、繁殖の禁止を求める声もあがっています。
実際にスコティッシュフォールドの繁殖が禁止されることは、すぐにはないでしょう。
ですが、今後スコティッシュフォールドの繁殖の禁止や制限がされて、垂れ耳の猫がいなくなってしまう可能性もあります。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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