犬の血統書はどこで発行する?血統書の見方も解説

愛犬家であれば、血統書付きの犬という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。
犬の血統書があることで、何がわかるのでしょうか?
この記事では、犬の血統書について簡潔に解説します。 2022年12月17日作成

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犬の血統書でわかること

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まずは、犬の血統書でわかることをご説明します。
また、血統書を発行するメリットについても見てみましょう。

純血種ということがわかる

犬の血統書は、その名のとおり発行されている犬の血統がわかります。
人間でいうところの、戸籍謄本のようなものです。
血統がわかるということは、両親は当然のこと祖父や祖母など祖先のことまでわかりますが、血統書をチェックしていくとすべてが同一犬種で構成されていることがわかるでしょう。
これは犬の血統書のもっとも大切な部分で、祖先がすべて同一犬種であるということは、純血種である証明になります。
純血種である証明ができれば、ドッグショーやアジリティー、訓練競技会への参加が認められるため、それらの競技に参加する犬には必需品といえるでしょう。
ちなみに、犬の血統書の正式名称は血統証明書といいますが、ここでは血統書で統一して記載します。

犬の血統書に書いてあること

犬の血統書には、小さな文字でとても多くの情報が書かれています。
本犬や両親などの正式な犬名や性別、毛色やDNA登録番号、股関節評価などが書かれていますが、ここで書かれている犬名は「ポチ」のような呼び名ではなく、犬名と犬舎名を組み合わせた、正式な名前です。
また、祖先がドッグショーのチャンピオン歴があるのかなども記載されています。
ペットショップなどで、「父親がチャンピオン犬!」などとアピールして販売されているのは、血統書にも記載されているはずです。

犬の血統書を発行するメリット

ただ犬をペットとして飼うのであれば、犬の血統書を所有するメリットはないでしょう。
そもそも、ペット目的で犬を飼う場合に、犬の血統書の所有義務は法的にありません。
しかし、ドッグショーやアジリティーなどに参加する場合には、血統書が必要になります。
また、ペット保険の加入時に正式な生年月日を知るために、血統書の提出が求められることもあるでしょう。
愛犬と本格的にドッグショーやアジリティーに出場したいのであれば、血統書があることは大きなメリットといえます。
また、ブリーダー目線でいうと、祖先の血統がわかれば優れた交配相手を探しやすくなるというメリットもあるでしょう。

犬の血統書はどこで発行する?

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犬の血統書は、正式に発行できる団体があります。
その団体は、どういったものなのでしょうか?

国内のほとんどがジャパンケネルクラブで発行される

日本国内で発行されている犬の血統書は、約90%をJKCという団体で発行されています。
JKCとは正式名称が一般社団法人ジャパンケネルクラブといい、FCI(国際畜犬連盟)に加盟している団体です。
ほかにも国内や海外で独自の団体が血統書を発行している場合もありますが、日本国内ではJKCがもっとも信用のある団体といえるでしょう。

ジャパンケネルクラブとは?

一般社団法人ジャパンケネルクラブは、純血種の保護や質的向上、優良犬の普及などの活動をしている団体です。
JKCの役割としては、血統書の発行やドッグショーの開催、公認トリマーやハンドラー、訓練士などの資格試験の実施などをしています。
JKCの歴史は長く、1949年に農林水産大臣の認可を受けて、全日本警備犬協会として設立したのが始まりです。
その後は1979年にFCI(国際畜犬連盟)へ正式加盟して、1999年に現在の一般社団法人ジャパンケネルクラブに改称して活動しています。

犬の血統書の見方

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最後に、犬の血統書の見方を解説します。
もしも愛犬に血統書が発行されているのであれば、愛犬がどんな血統なのかを調べてみても面白いでしょう。

中央上に本犬の名前

血統書の中央上には、本犬、つまり愛犬の名前が記載されています。
犬の正式名は、「犬の名前of犬舎名」で組み合わせられており、この部分を見ると愛犬がどこの犬舎で生まれたのかを知ることができるでしょう。
ちなみに、犬舎名の最後にjpが付いていれば、その犬舎は国際犬舎名登録をしている証明になります。

本犬の名前の下部に犬種名や登録番号

本犬の名前の下部には、犬種名や登録番号、性別、生年月日、毛色、DNA登録番号などが記載されています。
なお、任意でID番号や股関節評価などを記載している場合もあるでしょう。
また、右側には繁殖者や所有者の名前、譲渡年月日の記載もあります。

中央から下部に父親・母親の血統図

中央から下部は、父親と母親の血統図が記載されています。
血統図は曾祖父や曾祖母まで記載しているため、祖先にチャンピオン犬がいたのか、交配をする上で血統に問題がないかなどをチェックすることが可能です。

兄弟犬の情報

血統書の裏面には、兄弟犬の情報も記載されています。
そこまで細かく記載されているわけではありませんが、本犬といっしょに生まれた犬の数や、兄弟犬のうち血統証明の発行申請があった数を見ることができます。

チャンピオン称号

兄弟犬の情報の隣には、チャンピオン称号の情報も記載されています。
もしも本犬がドッグショーなどでチャンピオンとなり、規定を満たしている場合には、チャンピオンの称号や国名、登録日が記載されます。
ちなみに、チャンピオンの称号はいろいろあり、主にアジリティーやトレーニングが挙げられるでしょう。

家族として共に過ごす際に血統書は重要ではない

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犬の血統書は、愛犬の祖先や正式名などの詳細が書かれています。
主な用途としては、アジリティーや訓練競技会などに出場させたりペット保険に加入させたりすることでしょう。
ペット保険の加入を検討しておらず、家族として共に過ごす分には、血統書は必需品ではないでしょう。
ですが、血統書が発行されると愛犬の祖先や歴史、正式名を知ることができるため、愛犬への理解を深めることができるかもしれません。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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