【野生動物から最愛の家族へ】犬と人間がともに歩んだ長い歴史の物語

今では当たり前のように人間とともに生活している犬たち。私たちの生活を豊かにしてくれるだけでなく、家族の一員として大切な存在となっています。では、そんな犬と人間の関係は一体いつから始まったのでしょうか?そこで今回は、犬と人間が歩んできた歴史について解説します。 2022年11月01日作成

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犬と人間は大昔からともに長い歴史を積み重ねてきた相棒のような関係性を持っています。犬と人間の歴史を知り、これからの付き合い方を考えるきっかけにしてください。

旧石器時代から始まる犬と人間の歴史

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犬と人間の関係が始まった時期については諸説あり、そのなかのひとつに旧石器時代のシベリアという説があります。

人間が狩猟で得た獲物をオオカミが奪い食料とする、オオカミの毛皮や肉を人間が活用するなど、当時のオオカミと人間は互いを利用する共存関係にあったようです。

そんな関係が続くなか、人間のなかにオオカミとコミュニケーションを取ろうと試みる者があらわれます。食べ物をあたえるなどの方法でオオカミとの距離を近づけていき、少しずつ人間に敵対心を持たないよう手懐けていったと考えられています。

その過程で、オオカミが見事に獲物を捕らえてみせる姿や、外敵が近づくと吠えて知らせる習性などを人間が理解し、猟犬や番犬といったかたちでこれまでの共存関係と異なる関係性を築いていきました。

人間のほうが一方的に恩恵を受けているように感じられますが、オオカミからすれば人間とともに生活することで安定した食事を得られるという側面があり、双方にメリットのある関係性だったと推測できます。

オオカミが人間社会に適応できた背景には、集団で生活や狩りを行い自身の家族を守ろうとする強いナワバリ意識を持っていることが要因と考えられています。

犬と人間が現代に至るまで良好な関係を築けているのも、オオカミの時代から受け継がれてきたこのような特徴のおかげかもしれません。

世界における犬と人間の歴史

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犬と人間がともに狩りをしながら生活していた時代から月日は流れ、世界中で犬をより身近な家畜やペットとして飼育するようになりました。この章では、世界における犬と人間の歴史について例をあげて解説します。

古代エジプトにおいて犬は神聖化された動物だった

もっとも古い犬種とされるハウンド系は、高い追尾能力や優れた嗅覚など、狩猟に適した犬種として重宝されていました。

古代エジプトの壁画には、ハウンド系の犬が狩りを行う姿が描かれており、当時の人々と犬がともに協力しあいながら生活していた様子が描かれています。

また古代エジプトでは、冥界の神アヌビスと死者との間を橋渡しする役割を犬が担っていると考えられていたことから、亡くなった飼い主と一緒に埋葬された犬のミイラが発見されるなど、神聖な動物として大切にされていたようです。

イギリスにおける動物虐待防止法の成立

18世紀のイギリスは動物に対して残酷な国といわれていました。

とくに杭でつないだ牛を複数の犬に噛みつかせて楽しむ「ブルペイディング」は、労働者層の気晴らしとして人気がありましたが、哲学者ジェレミー・ベンサムの提唱によって、少しずつ動物虐待への批判が高まっていきます。

その結果、1822年に世界初となる「動物虐待防止法」が誕生し、近隣諸国もこれを模倣するようになりました。

昨今人気の高まっているブルドッグはブルペイディング用に作出された犬種です。当時は牛の鼻などにブルドッグが噛みつく姿を見て人々は楽しんでいたようですが、現在ではブサかわ犬の代表として愛される犬種になっています。

日本国内における犬と人間の歴史

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日本における犬と人間の歴史の始まりにも諸説ありますが、有力なものとして縄文時代からすでに共存していたと考えられています。

その証拠に神奈川県の夏島貝塚や愛媛県の上黒岩岩陰遺跡などから、約8500~9500年前の犬の骨が見つかっています。

日本にどのようなかたちで犬が持ち込まれたかにも諸説あり、南アジアから北海道に到達した人々が持ち込んだ犬が定着し、少しずつ全国に広まっていったとする説があるようです。

聖徳太子の愛犬「雪丸」

飛鳥時代、推古天皇に仕えていたことで知られる聖徳太子もまた、愛犬家だったことが知られています。

聖徳太子の愛犬「雪丸」は人間の言葉が話せたという逸話が残っており、とても大切に飼育されていたようです。

雪丸が亡くなるとそれを弔うための石像が作成され、現在でも奈良県の達磨寺に残されています。

【補足】

この像がいつ作られたのか定かではないものの、江戸時代にはすでに存在していたことがわかっており、聖徳太子を語る伝承のひとつとして現在に至っています。

「犬公方」と呼ばれた徳川綱吉

5代将軍徳川綱吉は犬公方と呼ばれるほどの愛犬家だったことで知られており、狆(チン、小型犬)を100匹も飼育していたとされています。

また、綱吉が実施した政策として有名な「生類憐みの令」は、綱吉が犬好きだったことから、犬のみを極端に保護する内容と思われがちですが、実際は子供や老人など動物以外にも弱い立場にある人々を保護する内容となっています。

しかし、際限のない厳罰化の流れはエスカレートし、徐々に市民生活を圧迫するようになりました。

綱吉亡き後、生類憐みの令はすぐに撤回されたものの、捨て子や捨て馬の禁止といった、人と動物を守るための仕組みはそのまま残り続けました。

犬と人間の歴史はこれからも更新されていく

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犬と人間の間には、いまを生きる私たちが想像できないほどの長い歴史があります。これらの歴史は、犬と人間がともに歩みつながりを深めていった証でもあり、これからも長く積み重ねていくべきものです。

家畜と飼い主として始まった関係も、いまでは家族の一員として大切な存在となりました。

犬と人間の歴史は少しずつかたちを変えながら、これからもずっと続いていくことでしょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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