犬が散歩中に座り込む理由
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まずは、犬が散歩中に座り込む理由について解説します。
理由がわかれば、正しい対処ができるはずです。
過去のトラウマ
特定の場所を通ったときにだけ犬が座り込む場合は、過去のトラウマが原因かもしれません。
過去にその場所を通ったときに、ほかの犬から威嚇をされたり危険な目に遭ったりしたときは、「また同じようなことが起こるかも…」と犬は心配になってしまいます。
その経験から、犬は「そっちには行きたくない!」という意思表示のために座り込んでいる可能性が考えられます。
疲労や身体の痛み
単純に、犬は散歩で歩き疲れて休憩したいだけかもしれません。
犬は運動量が豊富な動物ですが、適性の散歩時間というものがあります。
どれだけ活発な犬でも、散歩をしすぎると疲れてしまうでしょう。
また、身体のどこかに痛みを感じているため、歩きたくないと考えている可能性もあります。
特にシニア犬になると疲労や身体の痛みが蓄積されやすくなることから、散歩中に座り込んでしまうことが多くなります。
自分の行きたいルートではないから
犬と散歩をするときに犬が座り込んでしまう場合は、犬自身が散歩ルートを決めたいと考えて可能性があります。
「今日はこっちに行きたくない!」「こっちの道を歩きたい!」という犬からの意思表示かもしれません。
これは、犬と飼い主の主従関係が確立できていないときにみられるでしょう。
体調不良
犬は、散歩中に体調不良を起こしてしまった可能性が考えられます。
特に暑い日であれば、熱中症の疑いがあるでしょう。
熱中症になるとよだれが多くなり、足元がふらふらとよろけながら歩くようになります。
犬の熱中症は人間同様に命に関わることが多いため、早めの対処が大切です。
犬が散歩中に座り込むときの対処方法
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次に、犬が散歩中に座り込むときの対処方法をご紹介します。
正しい対処をして、犬が楽しく散歩できるようにしましょう。
過去のトラウマを断ち切る
犬が過去のトラウマを理由に座り込んでいる場合は、その散歩コースを楽しい思い出に変えてあげましょう。
特定の場所で座り込みそうになる前に、おやつを与えたりおもちゃでいっしょに遊んであげたりすることで、犬はそこを嫌な場所だと認識しなくなります。
散歩時間やスピードを見直す
犬が散歩中に疲れて座り込んでしまう場合は、散歩時間や歩くスピードを見直す必要があります。
特にシニア犬の場合は、長時間歩き続けることが難しくなってくるため、なるべく短い時間で散歩を済ませるようにしましょう。
シニア犬の散歩で大切なのは、散歩時間よりも質です。
短い散歩時間でも飼い主とのコミュニケーションがしっかりと取れれば、犬は満足でしょう。
当然ながら、自転車などにリードを付けて犬の散歩をすることはやめなければなりません。
自転車で犬の散歩をすると、犬が疲れても立ち止まることができず、身体に大きな負担がかかってしまいます。
飼い主が散歩コースを決める
犬のわがままにより散歩中に座り込んで歩こうとしない場合は、無視をして散歩を続けることも大切です。
もしもそこで飼い主がいっしょに立ち止まって散歩コースを変えてしまうと、犬は自分の要求が通ったと感じて、今後も散歩中に気に食わないことがあると座り込むようになってしまいます。
しかし、無理やりリードを引っ張るのは、散歩が怖いものだと感じる可能性もあるため、避けましょう。
優しく声をかけるなど、あくまで飼い主の散歩コースは変えずに犬の気が変わるようにします。
体調の確認をする
犬に熱中症や怪我の疑いがある場合は、一度体調の確認をしてみましょう。
犬が大量のよだれを垂らしていないか、ぐったりと元気がなさそうにしていないか、足を触ったときに痛がらないかなど、全身をまんべんなくチェックします。
もしも熱中症の初期症状がみられる場合には、すぐに動物病院へ連れて行かなければなりません。
また、犬が熱中症を発症しないためにも、普段からこまめな水分補給を行うようにしましょう。
犬が散歩中に座り込まないようにするためには?
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最後に、犬が散歩中に座り込まないためにできることをご説明します。
これらのことをすれば、犬は座り込まずに歩き続けてくれるかもしれません。
楽しく散歩をする
日頃から楽しく散歩をすることで、犬は恐怖やトラウマにより座り込むことをしなくなることが期待できます。
散歩中は犬に声をかけて、時には突然ポケットからおもちゃを出して犬と遊びましょう。
それを繰り返し行うことで、犬は散歩が好きになり、嫌なトラウマを感じることも少なくなるはずです。
もしもほかの犬に威嚇をされてしまったとしても、直後におやつを与えるなどをすることで、威嚇をされてしまったことも忘れてしまうでしょう。
散歩前に体調の確認をする
散歩中に犬の体調不良がみられると、抱えて家や動物病院へ連れて行かなければならないなど、対処が大変です。
そのため、散歩前には犬の体調の確認をしましょう。
犬が足を痛がっていたり元気がなかったりする場合には、無理に散歩に行く必要はありません。
毎日の体調チェックをすることは、さまざまな病気の早期発見にも繋がるでしょう。
犬が散歩中に座り込むのはさまざまな理由がある
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犬が散歩中に座り込む理由は、過去のトラウマや疲労、足の痛みやわがままなどさまざまです。
シニア犬で体力が減ってきているときは、散歩時間や歩くスピードを見直しましょう。
怪我や病気の場合には、すぐに動物病院へ連れて行く必要があります。
また、過去のトラウマや犬のわがままにより座り込んでしまうときは、おやつやおもちゃなどで気を逸らして、散歩を楽しいものだと再認識してもらいましょう。
飼い主自身が散歩を楽しむことで、きっと犬も散歩をのびのびと楽しんでくれるはずです。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。