うちの猫、もしかして分離不安症?チェックポイントと対策

犬だけでなく、猫も飼い主の姿が見れなった途端に精神的な問題行動を起こす「分離不安症」になる可能性はあります。ここでは、猫が分離不安症になった時の主な行動や、チェックポイント、対策をご紹介します。 2022年02月09日作成

  • 猫のカテゴリ - 猫の健康ケア猫のカテゴリ - 猫の健康ケア
  • VIEW:35,690

猫の分離不安症ってどんな症状?

出典:https://www.shutterstock.com

分離不安症とは、飼い主と距離が離れることで強い不安を感じ、その不安を和らげようとする行動が過剰になってしまい、さまざまな問題を起こしてしまうことを言います。具体的に見られる代表的な症状は以下の通りです。

・飼い主の留守中に大きな声で鳴く、ずっと鳴く
・飼い主の留守中に激しく暴れる
・ストレスで下痢や嘔吐をする
・トイレ以外の場所で排尿や排便をする
・過剰にグルーミングをする

これらの症状は、どれも猫にとっては体も心も傷めてしまう、とてもツラいものですよね。飼い主さんの姿が見えなくなることで強い不安を抱き、それがきっかけで体に変調をきたしたり、病気になってしまうこともあります。

分離不安症は、大人の猫になってから何らかのきっかけで突然起こるケースもあるため、飼い主さんはいち早くそのサインに気づき、適切な対応や対処をしてあげる必要があります。また、ふだんから分離不安症へのリスクを考えて、接し方に気を付けるなど予防にも気を付けていくことが重要です。

もしかして、うちの猫は分離不安症?チェックポイントをご紹介

出典:https://www.shutterstock.com

それでは、猫が分離不安症かどうかを判断する際に役立つ、チェックポイントをご紹介します。

過度に飼い主さんの後を追いかける・探す

もともと猫は単独行動を好むとされていますが、四六時中飼い主さんの後をついてきたり、探している様子が見られる場合、分離不安症の可能性があります。もちろん、お腹がすいていてご飯を要求している時や、遊んで欲しい時に後をつけてくるなど、要求がある時に限られている場合は心配いりません。しかし、トイレやお風呂、別室に行った時なども欠かさずついてくる場合は注意が必要です。

飼い主さんの姿が見えなくなると不安症状が出る

飼い主さんが外出をした時や、猫が入れない部屋に行ってしまって姿が見えなくなった時に、大きな声で鳴く、暴れるなどの様子が見られる場合が該当します。勘の良い猫であれば、飼い主さんが外出の準備をし始めた段階でこうした様子が出てくることもあります。

飼い主の帰宅を異常に喜ぶ

飼い主が帰宅した時に、「待ってました」とばかりに喜び、興奮したり冷静さを失う様子が見られる場合が該当します。特に、分離不安症になると、喜びのあまり粗相をしてしまうことも珍しくありません。

何が猫の分離不安症を引き起こすきっかけになるの?

出典:https://www.shutterstock.com

猫が分離不安症になる原因を知ることで、あらかじめ予防できることもあります。

突然留守番をする機会が増えた

飼い主さんのライフスタイルの変化は、猫にとって想像以上に影響があるものです。特に、分離不安症のきっかけになりやすいのが、留守番をあまり経験したことのない猫が、ある時を境に留守番の頻度が増えることでしょう。就職や死別、入院などで飼い主さんの留守が増えると、姿が見えないことに大きな不安を抱えることになります。

飼い主がいる時とそうでない時のギャップが激しい

飼い主が定期的に不在となる場合でも、いる時といない時のギャップが激しすぎる場合は不在時の不安感につながることがあります。ついつい、猫が可愛くて一緒に過ごすときを大切にする気持ちは分かりますが、過剰に構うことが当たり前になってしまわないように気を付けましょう。

留守番中に怖い経験をしたトラウマがある

飼い主の留守中に、雷や地震、近所の工事の騒音など、猫が怖いと感じる出来事を経験し、それがトラウマになることもあります。猫の気持ちとしては、飼い主がいなくなると怖いことが起こるかもしれない、という不安を抱える可能性があるということです。特に、子猫の頃よりも不安を感じやすい老猫の場合、この原因が関係し分離不安症を起こすことも珍しくありません。

猫の分離不安症を疑ったら

画像素材 - クリエイティブプロジェクト用の写真、ベクター画像、イラスト | Shutterstock

出典:https://www.shutterstock.com

もし、猫が分離不安症であると疑わしい場合は、獣医師の診断やアドバイスを受けて適切に対処することが大事です。早い段階で対処できれば、そのぶん早く猫の不安からくる苦しい症状を和らげてあげることができます。

獣医師の指導や判断で行われる治療・療法

獣医師や行動診療医のアドバイスによって行われる代表的な治療や療法は2つあります。
1つは、行動療法です。行動療法は、猫の様子を見ながら少しずつ行っていく治療法のことで、少しずつお留守番の時間を長くしながら、ごほうびをあげることで不安を軽減していくといった手法がとられます。

もう1つが、薬物療法です。これはあくまでも補助的な治療にはなりますが、分離不安症の程度が重い場合に用いられることもあります。薬によって不安な気持ちを和らげたり、ストレスで傷めてしまった胃腸を治したりします。

飼い主さんがすぐにできる対処法

猫が分離不安症になるきっかけを作らないように、まずは飼い主さんの接し方を振り返り、改めるべきところは意識して治していきましょう。例えば、これから出掛けようとするときに別れを惜しんで過度な愛情表現をしたり、心配したりするのは避けた方が良いとされています。猫に不安を与えないように、あまり気づかれないようサッと外出する癖をつけてみましょう。

また、家の中に飼い主さんの傍にいなくても安心できる場所を作ってあげることも大事です。猫用のハウスやキャットタワーなどを設置するのも良いでしょう。ストレス発散につながる、爪研ぎスポットを増やすのも効果的です。

猫の分離不安症はいち早く予防・対処を

猫の分離不安症は、想像以上に猫にとっては苦しいものであることを、私たちは認識しなければなりません。不安な気持ちが強すぎるという状態だけでなく、そこから体の不調に発展しかねない、深刻な事態を招く可能性も十分に考えられます。日頃から、分離不安症にならないような接し方を心がけ、もし疑われるようなら早めに対処してあげることが肝心です。

著者情報

こば

小さな頃から保護された犬や猫を迎えて生活。現在は黒猫の「ジジ」に翻弄されながら、発見と感動の毎日を送っています。
実体験を振り返りつつ、飼い主さんの役に立つような情報を分かりやすく記事にすることを目標にしています。

オススメ

新着記事