犬も糖尿病になる?症状や治療方法などを解説

生活習慣病のひとつとして、私たち人間も日頃から気を付けなければいけない糖尿病。
実は、犬も糖尿病になるということをご存知でしょうか?
この記事では、犬の糖尿病の症状や原因、治療方法について解説します。 2021年12月31日作成

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犬の糖尿病の症状

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まずは、犬の糖尿病の症状について見ていきましょう。
糖尿病を初期段階から見つけるのは難しいといわれていますが、症状を知っていれば少しでも早く糖尿病に気が付くことができるかもしれません。

多飲多尿

犬の糖尿病でもっとも多く見られる症状は、多飲多尿です。
糖が尿として捨てられる際に、水分もいっしょに必要となるため、糖尿病を発症した犬はたくさんの水分を摂取するようになり、同時におしっこの回数も多くなります。
おしっこの回数が多くなれば体内の水分が不足して喉が渇くことから、水もたくさん飲むようになるでしょう。

食事量が増える

犬が糖尿病を発症すると、食べたものをエネルギーとして体内にうまく取り込めなくなってしまいます。
体内にエネルギーとして取り込めないということは、満腹感が得られにくくなるということです。
そのため、糖尿病の犬はいままで以上に食事量が多くなるでしょう。
しかし、食べてもエネルギーとして取り込めないため、食事量は増えたとしても体重は変わらないか、むしろ減っていくことが考えられます。

合併症が併発する

糖尿病は早期発見が大切だといわれていますが、その理由が合併症を併発する可能性があるからです。
犬の糖尿病の症状が進行すると、さまざまな臓器に大きな影響を与えてしまいます。
その結果、白内障や糖尿病性腎症、糖尿病性ケトアシドーシスなどの病気を発症することがあるでしょう。
特に糖尿病性ケトアシドーシスには気を付けなければならず、発症したら命に関わる可能性が高くなります。
糖尿病性ケトアシドーシスの初期症状としては、嘔吐や下痢のほかに食欲減退などが挙げられるため、日頃から犬の様子をチェックしておくことが大切です。

犬の糖尿病の原因

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次に、犬の糖尿病の原因についてご説明します。
原因は大きく分けて2種類ですが、どちらも知っておいたほうがよいでしょう。

インスリン分泌量の減少

犬の糖尿病の原因のひとつとして、インスリン分泌量の減少が挙げられます。
もともとインスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞で作られますが、この細胞が疲弊することでインスリンが生成されなくなってしまいます。
ランゲルハンス島β細胞が疲弊する原因は、何点か挙げられますが、そのひとつが遺伝です。
犬種によっては糖尿病になりやすい犬種もおり、ミニチュアシュナウザーやダックスフンド、ビーグルなどはほかの犬種に比べると糖尿病の発症がしやすいといえるでしょう。
また、避妊手術をしていないメス犬の発情期の後にも注意が必要です。
ほかにもクッシング症候群や膵炎にかかっている犬は、糖尿病のリスクが高いといわれています。
このようにインスリン分泌量の減少が主な原因である糖尿病は、I型糖尿病といわれており、生涯にわたってインスリン投与が必要になります。
ちなみに、犬はI型糖尿病が多いといわれています。

生活習慣の悪化

私たち人間と同じように、生活習慣の悪化によっても犬は糖尿病を発症します。
主な原因として挙げられるのは、食べ過ぎや運動不足でしょう。
これらは、すい臓からインスリンが分泌されているにも関わらず身体の反応が鈍くなり、細胞内にブドウ糖がうまく取り込めなくなることから、糖尿病が発症します。
生活習慣の悪化による糖尿病はインスリン投与を必要としないII型糖尿病です。
ただし、II型糖尿病からI型糖尿病に移行する可能性もあるため、注意しなければなりません。
ちなみに、猫はII型糖尿病が多いといわれています。

犬の糖尿病の治療方法

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最後に、犬の糖尿病の治療方法をご紹介します。
犬の糖尿病の治療は私たち飼い主も行うことが多いため、しっかりと覚えておきましょう。

インスリンの投与

犬の糖尿病はI型であることが多いため、ほとんどがインスリン注射による治療を行います。
その際には、インスリンを1日どれくらいの量を打てば血糖値が安定するのかを見定めるために、数日間の入院をさせることが多いです。
数日間の入院を終えた後には、私たち飼い主が犬に直接インスリン注射をしなければならないため、獣医師にしっかりと注射のやり方を教わっておきましょう。
また、可能な限り愛犬にインスリンを投与している期間の食事量や体重などもメモしておくことをおすすめします。

ひとつ注意しておかなければならないのが、インスリン注射をすることによる副作用です。
インスリン注射により血糖値が異常に下がってしまうことで、低血糖になることがあります。
低血糖は放置しておくと命に関わるため、インスリン注射をしてから元気がなくなったり震えが出たりした場合には、すぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。

食事療法

糖尿病を発症した犬の食事は、なるべく食後の血糖値の変動が少ないものを選ぶ必要があります。
食事の種類や量は、獣医師とよく相談するのがおすすめです。

犬の糖尿病の治療は二人三脚で!

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犬の糖尿病は、初期症状に気が付くのが難しい病気のひとつです。
おそらく、普通に生活をしていままで通りの食事を与えていれば、愛犬の食事量が増えることもないでしょう。
そのため、多飲多尿が犬の糖尿病に気が付けるサインといえます。
犬が糖尿病を発症すると、生涯にわたるインスリン注射や合併症など、さまざまなことに注意をしながら生活をしなければなりません。
もちろん愛犬が一番苦労するでしょうが、私たち飼い主も愛犬へのインスリン注射や食事の管理など、努力することがたくさんあります。
愛犬と二人三脚で治療できるように、いつ発症するかわからない犬の糖尿病について、いまのうちに知っておくのもよいでしょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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