【犬の体温】犬の平熱を知り体温の測り方や発熱時の対処法を学ぶ

犬は人間よりも体温が高いと耳にすることがありますが、みなさんは犬の平熱や体温の測り方、発熱時の対処法を知っていますか?犬の体温調整は飼育するうえでとても大切です。気温が高くなる夏本番に向け、愛犬の体調管理の指標として理解しておきましょう! 2021年08月10日作成

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通常の犬はどの程度が平熱とされているのでしょうか?平熱や体温の測定方法を知り、愛犬の健康に異常がないかチェックする指標としましょう。

犬の平熱はどれくらいなの?

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犬の平熱はどの程度なのでしょうか?また、体温計を使わずに愛犬の体温が高くなっていることを簡易的に知る方法はあるのでしょうか?

犬の平熱

犬の平熱は、38~39度ほどです。
人間の平熱である36~37度とくらべると、1~2度ほど犬のほうが高い体温であることがわかります。

犬の体温が人間よりも高い理由としては、①全身が体毛で覆われているため熱を逃がしにくい、②汗をかく器官である汗腺が発達しておらず体温を下げるのが苦手である、などが考えられます。

また、犬も人間と同じように時間帯によって体温が変化する動物です。
朝方が最も低く夕方が最も高いとされているため、気温の高い夏場などの散歩時間を検討する目安としてもよいでしょう。

犬の発熱は何度から?

犬の発熱状態の目安は、39.5度からとされています。

しかし、もともとの平熱が高い個体もいるため一概にはいえず、専門家の間では39.1度を超えると発熱状態であると主張する方もいます。

事前に愛犬の平熱を把握し、少しでも体温が高い場合にはかかりつけの獣医師へ相談してみるとよいでしょう。

体温計を使わず簡易的に愛犬の体温を知る方法

体温計を使わず簡易的に体温を知る方法として有効なのが、愛犬の体に触れるというものがあります。

体温が高くなっていると、以下の部位が普段より熱くなります。

・わき
・お腹
・耳の内側

これら毛が少ない素肌の部分に触れることで、普段より体温が高くなっていないかを判断することが可能です。
※体温計がない、または犬が体温計を嫌がる場合の簡易的な測定方法です。正確な数値を把握するものではないため、可能な限り体温計を使用しましょう。

この方法で体温の変化を知るには常日頃から愛犬の体に触れ、平熱時の温かさを把握しておく必要があります。

遊びの途中やブラッシング時など、愛犬に触れる機会を活用するとよいでしょう。

犬はどうやって体温調整をしているの?

犬が体温調整する方法は大別すると3つあり、これらを組み合わせることで体温調整を行っています。

パンティング

パンティングとは犬が見せる呼吸による排熱法です。
夏場などに犬が舌を出しながらハアハア息をしている姿がこのパンティングです。

唾液を蒸発させることで、体にこもった熱を放出する役割を果たします。

真夏などの気温が高い日は、パンティングの頻度や強度をよく観察するようにし、愛犬の体温が過度に高くならないよう注意しましょう。

汗による排熱

犬も人間と同じように汗をかくことで体の水分を蒸発させ、体の熱を逃がそうとします。

しかし、汗をかく器官である汗腺を人間は200万個以上持っているのに対し、犬は肉球部分にわずかな汗腺しか持ち合わせていません。

そのため、人間のようにうまく体の熱を排熱できないとされています。

涼しい場所や冷たいものを摂取する

人間と同じように、犬も涼しいところや冷たいものを摂取することで体の熱を下げようとします。

エアコンの効いた部屋で過ごさせる、氷を少量あたえるなど、愛犬が過ごしやすい環境を整えてあげる工夫が必要です。

犬の体温を測る方法は?

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犬の体温を測る方法として一般的なのは、肛門から直腸内の温度を計測するものです。

犬が暴れないようリラックスさせた状態で、専用の体温計を肛門から2~3cm程度水平に挿入します。

使用する体温計によりますが、平均で約10秒、早いものだと6秒程度で体温を計測できます。
動物の直腸を傷つけないよう、動物用の体温計は先端がグニャっと曲がる柔らかいタイプが多くなっているのが特徴です。

直腸に体温計を挿入する際は衛生面を考慮し、人間用の体温計の利用は推奨されていません。人間用の体温計でも体温測定はできるといわれていますが、動物用の体温計を使用しましょう。

また、直腸に体温計を挿入されるのが苦手な犬もいるため、耳の中に挿入するタイプや赤外線による非接触式の体温計など、愛犬の好みにあわせて使用する体温計を選ぶとよいでしょう。

愛犬の熱が高い!?発熱の原因とは

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犬が発熱する原因となるものには、感染症・悪性腫瘍・熱中症など、さまざまな要因があります。

感性症による発熱

発熱をともなう感性症は数多くあり、いくつか例を挙げると、犬パルボウイルス感染症・犬ジステンパーウイルス感染症・子宮蓄膿症・肺炎・気管支炎・関節炎などがあります。

悪性腫瘍による発熱

発熱をともなう悪性腫瘍の例として、白血病・多発性骨髄腫・肥満細胞腫などがあります。

感性症による発熱もそうですが、これらの病気は発症する部位や種類によって犬にみられる症状が変わってきます。

発熱以外にも体重の減少や食欲低下、嘔吐などの症状がみられる場合には、速やかに動物病院で検査しましょう。

熱中症による発熱

夏場になると多くなるのが熱中症です。特に近年では熱中症によるペットの死亡事故が増えていることから、気を付けなければならない病気です。

愛犬を熱中症から守る方法をいくつかご紹介しますので、活用できるものは取り入れてみてください。

・風通しのいいところで飼育する(屋外飼育の場合)
・エアコンなどで室温を管理する(屋内飼育の場合)
・カーテンなどを用いて直射日光を遮断する
・水分補給を多めにさせる
・少量の氷をあたえる 
・気温が高い時間帯の散歩を避ける

これらのポイントに気を付けて、愛犬が熱中症になるリスクを抑えるよう心がけてください。

発熱した際の対処方法

犬が発熱した際は、冷たい水で体を濡らす・首やわき周りを保冷剤で冷却するなどの方法が有効とされています。

ですが、発熱の原因にはさまざまなものがありますので、自宅での応急処置が済んだら速やかに獣医師による治療を受けるようにしましょう。

暑い季節に突入!愛犬を猛暑から守りましょう

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これから夏を迎えるにあたり、犬の体温管理は飼い主の重要な役割です。

特に愛犬を屋外で飼育している場合は、直射日光の遮断や風通しのよい場所の確保など、愛犬の健康を守る工夫を必ず実施してください。

また、発熱の原因を飼い主が自己判断するのはとても危険です。
暑い夏に発熱したからといって必ずしも熱中症が原因とは限らないからです。

自宅でできる応急処置のみを行い、できるだけ早く獣医師による治療を受けさせるようにしてください。

愛犬の健康を守れるのは飼い主だけです。
可能であれば定期的に体温測定をして、愛犬の健康状態をチェックしてあげてくださいね!

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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