飼っている猫が妊娠出産をして子育てをしている場合は、その過程を間近で見ることが出来ます。逆にノラ猫などは、気づいたら妊娠出産していて子育てが始まっていたという場合が多いのではないでしょうか。人間の妊娠出産から子育てまで十人十色ないように、猫も環境や性格などによって様々な子育てをします。時には手助けをしてしまいたくなる時もありますが、人間が関わっても良いのでしょうか。母猫の子育てと関わり方について紹介します。
母猫になるまで~妊娠から出産~
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雌猫は生後6ヶ月から1年の間に最初の発情期を迎えます。発情期を迎えるとフェロモンを出して雄猫を呼び寄せ交尾をしようとします。猫は交尾性排卵動物と呼ばれ、交尾をした刺激で排卵されるためほぼ100%妊娠します。妊娠すると徐々にお腹が大きくなり、約63日程度で出産を迎えます。この時期より少しでも早く生まれてしまうと早産となり、生まれてきた子猫は育つことなく死んでしまう場合がほとんどです。
猫は一度に3~5匹ほど子猫を出産しますが、時には5匹以上出産する場合もあります。
飼い猫の場合は用意された産箱の中で出産しますが、ノラ猫は軒下や小屋の中など暖かい場所を見つけて出産します。出産後は温かくすることが大切だという事を本能的に知っているのです。
母猫の子育て
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猫は出産したら羊膜とへその緒を食いちぎって、子猫を舐めて刺激することで最初の呼吸をさせます。そして羊水で濡れた体を綺麗に舐めとっていきます。こうしてすべての子猫を出産し終えると、免疫をつけるためにとても重要な初乳(出産から28時間以内の母乳)を飲ませて、体にぴったりと寄せ付けて体温調節をします。
母乳を飲んだ後は、排泄を促すために肛門付近を舐めて刺激します。子猫は徐々に自分でも排泄が出来るようになり、やがて母乳を卒業するようになります。
こうした子育てが続きある程度成長してきたら、ノラ猫ならご飯の食べ方、狩りの仕方、遊び方など様々なことを教えます。飼い猫であれば、排泄場所や遊び方などを教えるというよりも、生活の中で自然に覚えていくことが多いようです。
母猫は基本的にひとりで出産から子育てを行うため警戒心が非常に強く神経質になっています。飼い主が近くにいる飼い猫よりも、ひとりで生き抜いてきたノラ猫のほうが、警戒心が強い傾向にあります。母猫、特に子育て中のノラ猫はよほどのことが無い限り、優しく見守ってあげるようにしましょう。
また、飼い猫に多いのが、飼い主が世話を焼きすぎてしまい子育てをしなくなってしまうケースです。この人が育ててくれるからいいや、と母性本能が芽生えないパターンや、人の手が加わりすぎてストレスがたまり、育児放棄をしてしまうパターンなど様々なケースがあります。可愛い飼い猫が頑張って出産子育てをすると、手助けをしたくなりますが、その気持ちをぐっとこらえて、母猫の子育てを温かく見守りましょう。
育児放棄してしまったら?
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猫も育児放棄をしてしまう事があります。
よく、生まれたての子猫を触ってしまうと人間の匂いがついて子育てをしなくなってしまうという話をききますが、それ以外にも原因があります。
・生命力の弱い子猫
・子猫の数が多すぎる
・病気を持っている
など、本来は野生で生きてきた動物なので、足手まといになる子猫は子育てをせずに、見捨ててしまうのが当たり前なのです。
基本的に母猫の子育てにあまり手出しをしすぎるのは良くないとされていますが、生まれて間もない子猫は当然一人では生きていけないので、もし育児放棄をされた子猫がいたら母猫に代わって子育てをすることも大切なのかもしれません。
ひとりでは生きていけない命を助ける事は大切ですが、生まれたての子猫を育てるというのはとても大変なことです。人口哺乳、排泄補助、体温調節など、とても繊細な飼育をしていかなければなりません。獣医さんや経験者の力を借りて、大切な命を成長させてあげられるように頑張りたいですね。
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UCHINOCO編集部
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