【猫の噛みつき】愛猫が噛みつく理由と噛まれたとき注意すべき病気

猫を飼っていると、ふとした瞬間に噛まれてしまうことがあります。そんなとき、いつもはお利口な愛猫が急に噛みついてきてビックリする飼い主さんも多いのではないでしょうか?そこで今回は、猫が噛みつく理由や噛まれたときに注意すべき病気について解説します。 2022年02月25日作成

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猫が急に噛みついてくる理由はなんでしょうか?大人しい猫でも何かしらのきっかけで攻撃的になることもありますので、愛猫が噛みついてくる理由をきちんと理解しておきましょう。

猫の顎の力は思っているより強い

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動物が物を噛むときに用いる顎の力を咬合力(こうごうりょく)といいます。

一般的に人間の咬合力は約60kgといわれていますが、猫は約100kgあるとされています。
もちろん、猫の年齢や持病の有無などによって顎の力に違いはあるものの、人間と比較すると猫の噛む力はとても強いのです。

動物が噛みついてくるときのパターンには、甘噛みと本噛みの2種類があり、甘噛みは相手を負傷させない程度に加減して噛みつく、本噛みは力の限り噛みつくという行動をそれぞれ指しています。

猫の本噛みを受けてしまうと、人間の体は簡単に傷ついてしまいます。もし飼い主以外の他人を噛んでしまったら大問題です。そのため、日頃からしつけによって愛猫の噛み癖を治す工夫が飼い主には求められます。

補足として、犬の咬合力は小型犬が約100kgであり、大型犬になると約200kgに及ぶ犬種もいます。

猫が噛みついてくる理由

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猫が噛みついてくる理由にはどのようなものがあるでしょうか?
考えられるいくつかの理由をご紹介します。

社会性の欠如

猫をはじめとする動物には、幼少期にほかの動物や人間と正しく生活するための社会性を身につける期間があり、これを社会化といいます。

猫の場合は、生まれてからすぐに社会化期がおとずれ、その時期に親猫や兄弟、人間などからさまざまな刺激を受け、猫として生きていくうえで必要なルールを学びます。

社会化の代表的な例としてあげられるのが、親猫や兄弟との噛みつき合いです。親猫は子猫が本噛みでほかの兄弟や自分自身に噛みついた際、みずからも強い力で噛み返すことで、適切な力加減を教えるといわれています。

そのことから、社会化が完了するまえに親猫や兄弟から引き離された猫は、噛みつき癖がつきやすいと考えられています。

ストレスの発散

猫はストレスがたまると、「転嫁行動」をとります。

転嫁行動とは、何かしらの理由で不満がたまり興奮状態になった猫が、無関係の相手に対して攻撃をしかけることです。運動不足や引っ越しによる環境の変化など、猫が過度なストレスを感じている際にみられます。

心当たりがないのに愛猫が急に噛みついてきたときは、ストレスが原因となっている可能性も視野に改善方法を検討しましょう。

歯にかゆみがある

乳歯から永久歯へ生え変わる際に生じる歯のかゆみを和らげるため噛みつくことがあります。

基本的には歯の生え変わりが終われば治まりますが、この時期に噛み癖をつけてしまうとなんでも噛みついてしまうようになるため注意が必要です。

甘えている

飼い主さんに甘えているときにも噛みついてくることがあります。多くの場合は甘噛み程度ですが、興奮のあまり本噛みしてしまうことも。

愛猫が興奮状態にあるなと感じたら、極力手を出さないようにしましょう。

拒否反応

何か嫌なことをされそうなときなどにみられる行動のひとつとして噛みつきがあります。

例えば、爪切りを嫌がる猫を無理やり捕まえようとする、嫌いな人が体に触れようとする、などが考えられます。

猫が嫌がっているかどうかは、威嚇時と似た鳴き声からも判断できるため、絶対に必要という理由がなければ無理強いはしないようにしましょう。

愛猫の噛み癖を治す方法

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猫の噛み癖を治す方法を解説します。導入できるものから活用してみてください。

しつけ

はじめに、猫は犬のようなしつけがあまり適していない動物です。そのため、しつけによる矯正が難しい面があることを事前に理解しておきましょう。

噛み癖を治すしつけの方法として一般的にいわれているのが、猫に噛みつかれたときは大きな声で「ダメ!」などと声をかけるというものです。

猫は大きな声をかけられることで、「悪いことをしたみたいだ…」と理解し、噛みつき頻度を減少させることが期待できます。

また、噛みつかれたときはすぐに手を引くのではなく、逆に口の中へ押し込むのも有効だと考えられています。

しつけは子猫のときからはじめたほうがスムーズに進みますので、できるだけ早い段階から取り組むようにしましょう。

おもちゃを活用する

猫の噛みたいという欲求をおもちゃで解消させてあげる方法もあります。
ストレス発散にもつながるため、愛猫が気に入りそうなおもちゃがあれば導入してみるとよいでしょう。

おもちゃを選ぶ際は材質に注意し、劣化によって綿が出てくるものや糸状に裂けてしまう製品は誤飲の恐れがあるため気をつけましょう。

猫に噛まれたときはこの病気に気をつけて

猫に噛まれることで人間に発症する病気もたくさんあります。
いくつか例をあげてみていきましょう。

猫ひっかき病

猫ひっかき病はバルトネラ・ヘンセラという細菌によって発症します。
猫は感染しても症状が出ませんが、人間には倦怠感やリンパ節の腫れなどがみられます。

噛みつきだけでなくひっかき傷からも感染する恐れがあるため、日頃から愛猫の爪の手入れをしておきましょう。

パスツレラ病

パスツレラ病はパスツレラ・ムルトシダという細菌が原因で発症します。
噛まれるだけでなく、食べ物の口移しや爪によるひっかきなども感染の要因です。

猫ひっかき病と同じように猫はほとんど無症状ですが、人間には傷口の腫れなどがみられ、糖尿病などの持病がある場合は敗血症などを引き起こす恐れがあります。

愛猫が噛みつく理由を考えてあげましょう

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猫が噛みついてくるのにはいくつかの理由がありました。もし愛猫に噛み癖があるという飼い主さんは、ぜひとも参考にしてみてください。

飼い主さんが愛猫の気持ちを知ろうと頑張ることで、これまで以上に愛猫と楽しい時間を過ごすことができるでしょう。

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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