猫の視力はどれくらい?瞳の色や眼の機能についても解説

おもちゃを目で追いかける猫を見ていると、「猫の視力はどれくらい良いのだろう?」と疑問に感じたことはありませんか?
また、猫にとって私たちが見ているこの世界も、同じように見えているのでしょうか?
この記事では、猫の眼の機能についてまとめました。 2021年05月20日作成

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猫の視力はどれくらい?

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まずは、猫の視力について見てみましょう。
嗅覚や聴覚に優れた猫ですが、視力はどれくらい良いのでしょうか?

猫の視力はあまり良くない

猫の視力は、平均すると0.1~0.3で、決して良いとはいえません。
また、もっとも視力が活かせる距離は2~7.5m程度といわれています。
それもハッキリと見えるわけではなく、少しボヤけて見えているのではないかと考えられます。
ちなみに、近いものや遠くのものを見るのも苦手で、近いものは約15cm、遠いものは約20mまでしか見れません。

猫の視力で得意なこと

視力はあまり良いとはいえない猫ですが、物の距離や高さを測るのは得意としています。
これは狩りをする際に、獲物との距離などを正確に測るためでしょう。
獲物と自分との距離を考えて、捕らえることができるかどうかを判断しているのかもしれません。
また、視野が広く、動くものを見るのが得意です。
視野を広げて獲物を探し、動いている獲物を的確に捕らえることができる、猫ならではの視力といえます。

猫の視力で苦手なこと

動くものに対しては得意な猫ですが、逆にゆっくりと動くものに対しては苦手としています。
ゆっくりと動くものは、猫にとっては止まって見えていると勘違いすることもあるでしょう。

猫が見える色について

猫は、私たち人間よりも見える色が少ないといわれています。
緑や茶系、黒や灰色は認識することが可能です。
しかし、赤色は見ることができません。
赤色は見ることができませんが、ピンクは認識可能です。
実際のところは不明ですが、私たち人間が見ている世界とは少し違う世界が見えているということになります。

猫の眼の機能について

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次に、猫の眼の機能について解説します。
ここでは、猫の動体視力などについて見ていきましょう。

猫の動体視力はとても良い

獲物を捕らえることに長けている猫は、動体視力がとても良いといわれています。
止まっているものであれば約20mまでの距離しか見えない猫ですが、動いていれば約30mまでの距離まで見ることが可能です。
その動体視力は、人間の約4倍とも考えられています。
動いているものが30m先にいる小さな虫であったとしても、動いてさえすれば猫はその小さな虫の存在も把握することができるでしょう。

眼のゴミを取り除く「瞬膜」とは?

猫の目頭には、瞬膜という白い膜のようなものがあります。
この瞬膜は、鳥類や爬虫類などで見られることが多いです。
瞬膜には、眼球を異物から保護する機能があります。
眼球に抜け毛やゴミなどが付いていたとしても、少し時間が経ってから再度猫の眼球を見ると、異物がなくなっていることがあるでしょう。
これは、瞬膜が眼球表面に涙を塗り付けることによって、異物を目尻のほうに押し出しているからと考えられます。

夜間の狩りに必要不可欠な「タペタム層」

猫の網膜の裏には、タペタム層という細胞膜があります。
これは、わずかな光を反射して視神経に伝える働きをしてくれるため、夜間に狩りをする動物には欠かせないものといえるでしょう。
タペタム層は、主に夜行性の肉食動物や深海生物に多く見られます。
猫が夜中にドタバタと走り回っても家具や家電にぶつからないのは、このタペタム層のおかげなのかもしれません。

猫の瞳の色について

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最後に、猫の瞳の色についてご紹介します。
猫の瞳はさまざまな色がありますが、色によって違いはあるのでしょうか?

猫の瞳の色は大きく分けて5種類

猫の瞳の色は、大きく分けて5種類あります。
メラニン色素がもっとも少ないグリーンからはじまり、ヘーゼル、イエロー、アンバー、そしてメラニン色素がもっとも多いカッパーです。
グリーンからカッパーにかけては、緑色から徐々にオレンジ色へと瞳の色が変化していきます。
グリーンは主にロシアンブルーなどに見られ、きれいな薄い緑色の瞳をしています。
ヘーゼルはグリーンとブラウンのグラデーションのような色をしており、とてもきれいです。
琥珀色を意味するアンバーや、銅色のカッパーなど、猫の瞳の色にはさまざまなバリエーションがあります。

珍しい猫の瞳の色

先述した5種類の瞳の色のほかに、珍しい瞳の色もご紹介します。
まずは、きれいな青色の瞳を持つブルーです。
シャムやペルシャなどの猫種が、ブルーの瞳を持っています。
また、アルビノと呼ばれる突然変異種において見られるのが、レッドです。
レッドはその名の通り赤目のことで、まるでうさぎのような真っ赤が目をしています。

そして、左右の瞳の色が違うオッドアイもあります。
これは「虹彩異色症」という病気ですが、珍しさもあるためかオッドアイは一定の人気があるでしょう。
オッドアイを持つのは、白猫であることが多いといわれています。
しかし、オッドアイの白猫は先天的に聴力が極端に弱い可能性があるため、事前にオッドアイのリスクについて理解しておくことが必要です。

最後に、非常に珍しい瞳の色として、ダイクロイックアイというものがあります。
ダイクロイックアイは、ひとつの眼球に複数の色が混在している状態です。
グラデーションのようになっているわけではなく、はっきりと瞳の色が分かれているため、とても珍しい瞳の色として挙げられます。

猫は視力が悪くても問題ない

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猫は、私たち人間と比べるととても視力が悪いといえます。
止まっているものを見る力は、人間の10分の1程度の視力しかありません。
しかし、動体視力は優れているため、獲物を捕らえる上で困ることはないでしょう。
また、視力が悪くてもそれを補う嗅覚や聴覚があるため、生活をする上で問題になることはないはずです。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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