基本的に寄生虫は「いるもの」として対処すること!
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野良猫につきものと言えば、ノミやダニといった「外部寄生虫」です。ひょっとしたら、お腹の中に回虫や条虫といった「内部寄生虫」もいるかもしれません。ペットショップや里親募集で引き受ける猫の場合は予防が済んでいることも多いですが、野良猫の場合は注意が必要です。
外部寄生虫
猫につく代表的な外部寄生虫は、ノミやダニ。猫の血を吸って成長します。ノミは猫の毛や室内で爆発的に繁殖するので、見つけしだい、徹底的に駆除しましょう。また、予防も大切です。
ノミは気温18度以上、湿度70%以上の環境で発生します。ピークは梅雨の時期から残暑厳しい秋頃ですが、冬でもエアコンのきいた屋内では繁殖します。かゆがって体や毛をガブガブと噛んだり、しきりに体をかいている、猫の毛や寝床などに黒い小さなノミのフンがあったり、白い卵が見つかることもあります。
さらに、ノミは人にもかゆみを引き起こすことがありますので、十分な注意が必要です。
脅威的な繁殖力を見せる「ノミ」
猫に寄生するのはほとんどが猫ノミです。ものすごい速さで繁殖します。
卵は0.3~0.5ミリほどの小さな白い粒で2~5日ほどでふ化します。幼虫は脱皮をしながら7~10日でさなぎになり、2~3週間で成虫になります。成虫になると猫の血を吸って成長し、さらに卵を産んであっという間に増殖していきます。
猫の毛をかき分けると、体全体、とくに背骨から尾のつけ根にかけて、赤褐色のフンがあったらノミがいます。湿疹や皮膚炎の原因にもなるので、猫の健康に問題がなければ早めに駆虫する必要があります。
そのほかの外部寄生虫
ノミのほかにもダニ、シラミなどがあります。種類によって寄生場所が異なります。
猫小穿孔ヒゼンダニというダニが、皮膚に寄生します。激しいかゆみが起きるため、ひどい皮膚病になります。
耳カイセンは耳の中に寄生し、猫はかゆみで頻繁に頭を振ったり、耳をかきむしります。耳の中に茶褐色の耳アカが大量に見られたら要注意です。ひどくなると外耳炎や内耳炎を併発することもあります。
ネコハジラミは葉の形をしていて、毛や皮膚に寄生します。白っぽくフケのようにも見えますが、よく見ると動いているので肉眼でもわかるほどです。フケや毛を食べて猫の皮膚に寄生します。
内部寄生虫
内部寄生虫は、母猫から感染する「猫回虫」、ノミを口にするなどから感染する「瓜実条虫」、カエルやヘビなどを捕食することとで感染する「マンソン裂頭条虫」、ネズミを捕食することで感染する「猫条虫」などがあります。
内部寄生虫は放っておくと嘔吐や下痢を引き起こします。子猫の場合は寄生虫に栄養を取られて成長不良を起こすこともあるので、猫の健康に問題がなければ早々に駆虫をしましょう。
多頭飼いの場合は排泄物から別の猫にもうつることもあるので、寄生虫がいる場合は一緒にさせないことが大事です。
病院に行き指示を仰ぐ
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猫はたとえ病気で弱っていても隠そうとします。そのため、体調不良や異常に気づかないことがあり、病気だとわかったときにはすでに重症というケースが多いのです。一見、元気そうでも猫を保護したら、なるべく早めに健康診断を受けるようにしましょう。
定期検診は6才ぐらいまでは年1回、その後は半年に1回くらいのペースで行うとよいでしょう。
とくに野良猫はたいてい寄生虫がいるので、病院で指示を受けて早めに駆虫してもらうことが大切です。
寄生虫の場合
ノミがいるのがわかったら、専用薬で駆虫するのがもっとも効果的です。動物病院にはさまざまなタイプの薬がありますが、液体を体表に垂らすスポット(滴下)タイプの薬剤が一般的です。
ペットショップでも駆虫薬を市販していますが、効き目が弱いので、病院で処方される薬剤のほうがおすすめです。
猫の体や寝床にはノミの死骸や卵がついているかもしれません。投薬後は猫の体をブラッシングしたり、寝床の掃除を忘れずに行いましょう。
猫を入れていたキャリーケースも忘れずに、水洗い後、ノミ・ダニ用の殺虫剤をかけておくと安心です。
ノミを見つけても潰さないことが大事です。潰すと卵が飛び散ることがあり、逆に増やすことにもなりかねませんので注意が必要です。
また、猫の体や寝床だけでなく、部屋を徹底的に掃除します。
猫が出入りする場所はすべて掃除機をかけ、ソファやカーペットなどは粘着テープなどを使ってていねいに掃除をします。しばらくは毎日、徹底的に掃除をすることを心がけましょう。
ノミ取り用シャンプーを使うときは、頭から下に向かって順に洗っていくようにします。
中には複数回の処置が必要な寄生虫も
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外部寄生虫は駆虫して掃除を徹底すれば防げますが、内部寄生虫は一度の駆虫では不十分です。
なぜなら、駆虫しても効果があるのは成虫や幼虫のみで卵には効かないからです。そのため、卵が孵化して成長した頃に再度駆虫が必要になります。
検便で寄生虫がいなくなったことを確認するまで続けますが、室内飼いで再感染の恐れが少なければたいていは2回の投薬で完全に駆虫できます。
猫の症状や大きさなどによって使用する薬剤が違ってくるので、獣医師に選んでもらうとよいでしょう。
そのためにも、信頼できるかかりつけの獣医を見つけるようにすることが大事です。小さなうちから病院に行くことに慣れさせておくことが大切です。
また、定期的に健康診断を受けるようにすることで、病気の早期発見につながります。成長日記などをつけるのもよいでしょう。健康であってもワクチン接種や避妊、去勢手術などで動物病院に行くことになるので、信頼できる病院を早めに見つけるようにしましょう。
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UCHINOCO編集部
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