「犬のお伊勢参り」は本当にあった?おかげ犬の歴史と犬連れで楽しむ伊勢の旅

江戸時代、伊勢神宮への参拝は多くの庶民の憧れでした。そんな中「旅に出られない飼い主に代わって、犬が参拝へ向かう」という風習が生まれたのを知っていますか?
この記事では、現代まで語り継がれる「おかげ犬」の物語と、犬連れで満喫できる伊勢観光の楽しみ方を紹介します。 2025年11月24日作成

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江戸時代に実在した「おかげ犬」の物語

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まずは、江戸時代に実在したといわれる「おかげ犬」の物語について紹介します。

「おかげ犬」が生まれた背景とは?

「一生に一度はお伊勢参り」と言われるように、伊勢神宮への参拝は江戸時代の人々にとって大きな憧れでした。特に「おかげ参り」と呼ばれる一大ブームが起こった際には、数百万人もの人々が伊勢を目指したとも言われています。

しかし、病気などの理由から参拝に向かえない人々も多くいました。そんな中、飼い主に代わってお伊勢参りを果たしたとされるのが、「おかげ犬」と呼ばれる犬たちです。

おかげ犬は飼い主の思いを背負い、首にお金や手紙の入った袋を結びつけられて旅立ちました。その道中では、多くの人々が犬を温かく迎え入れ、食べ物を与えたり寝床を提供したりしながら、おかげ犬を伊勢神宮まで導いていったのです。

この風習が成り立ったのは、当時の人々の信仰心と温かい心があったからこそ。参拝を果たした犬は、神宮のお札を持ち帰り、飼い主へご利益を届けたと伝えられています。

文献や浮世絵にも残る「犬のお伊勢参り」

おかげ犬の存在は、単なる言い伝えではありません。江戸時代の文献や浮世絵にもその姿がはっきりと記録されています。

たとえば、国学者・本居宣長の随筆『玉勝間(たまかつま)』には、実際にお伊勢参りを果たした犬の記述が残されています。

また、浮世絵師・歌川広重の作品の中にも、多くの旅人に混じって、しめ縄をつけた犬が伊勢を目指して歩く姿が描かれています。

中でも有名なのが、秋田犬「シロ」の物語です。病に伏した飼い主の代わりに福岡県から伊勢神宮へ向かい、2ヶ月もの旅を経て無事に帰還したという実話が伝えられています。地元では「名犬」として讃えられ、今もシロの犬塚が残されています。

現代に受け継がれる「おかげ犬文化」

「おかげ犬」の物語は、時代を超えて現代の伊勢でも受け継がれています。内宮の宇治橋から徒歩5分ほどにある「おかげ横丁」を歩けば、その文化が今も大切にされていることを随所で感じられるでしょう。

おかげ横丁では、白い体に愛らしい表情をした「おかげ犬」をモチーフにしたお土産やグッズが販売されています。ぬいぐるみやストラップをはじめ、おみくじやお守りなどさまざまなグッズがあり、旅の記念品や縁起物として人気を集めています。

愛犬と一緒に満喫しよう!伊勢観光の楽しみ方

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かつて「おかげ犬」と呼ばれる犬たちがご利益を運んだ伊勢の地。そんな歴史ある場所で、愛犬と一緒に楽しい旅をしてみませんか?

ここでは、犬連れで満喫できる伊勢観光の楽しみ方を紹介します。

おかげ横丁で食べ歩きを楽しむ

伊勢観光の醍醐味といえば、なんといっても「おかげ横丁」での食べ歩きです。伊勢うどんやてこね寿司、赤福餅といった定番グルメから、揚げたてのコロッケ、ミンチカツまで、バラエティ豊かなメニューが揃っています。

多くのお店がテイクアウトに対応しているため、愛犬と一緒に食べ歩きを楽しめるのが魅力。店内への同伴が難しい場合が多いですが、長椅子が多数設けている休憩処もあります。詳細は、事前におかげ横丁の公式サイトでチェックしておくと安心です。

「おかげ犬体験」で旅の思い出を残す

せっかく訪れるならぜひ参加してほしいのが「おかげ犬体験」です。

おかげ横丁内の「伊勢路栽苑(いせじさいえん)」では、江戸時代のおかげ犬になりきれる「しめ縄首輪」を購入できます。購入すると、おかげ横丁内で使える商品券やお菓子などの特典が付いてきます。

しめ縄を首にかけた愛犬の姿は、まさに現代によみがえったおかげ犬。フォトスポットも多数用意されているので、旅の思い出に可愛らしい写真を残してみてはいかがでしょうか。

「わんぱく神社」で参拝気分を味わう

伊勢神宮は神聖な場所のため、残念ながら愛犬と一緒に参拝することはできません。そこでおすすめなのが、内宮近くにあるペット一時預かり所「わんぱく神社」です。

「わんぱく神社」は、ただの預かり施設ではありません。店内には、本格的な鳥居や社をそなえた小さな神社があり、愛犬と一緒に参拝体験を楽しむことができます。絵馬やお守りも用意されているため、旅の記念や思い出作りにおすすめです。

もちろん、一時預かりのサービスも充実しています。スタッフが常駐し、トイレや飲み水のケアもしてくれるので、飼い主も安心して参拝を楽しめるでしょう。

犬と泊まれる宿でゆったりくつろぐ

伊勢志摩エリアには、愛犬と泊まれる宿泊施設がたくさんあります。

中でも特に人気なのが「鳥羽わんわんパラダイスホテル」です。広々としたドッグランや犬用アメニティが揃っており、愛犬と快適に過ごせる環境が整っています。海辺の美しい景色を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごせるのも魅力のひとつです。

このほかにも、プライベート感を重視したコテージや、自然の中でグランピングを楽しめる宿など、さまざまなタイプの宿泊施設が点在しています。施設によって、ペットの受け入れ条件や利用できる設備などが異なるため、予約前に公式サイトで確認しておくと安心です。

愛犬との伊勢旅におすすめのアイテムを紹介

愛犬との伊勢旅をより安全で快適に楽しむために、準備しておくと便利なアイテムを紹介します。

ペット用ウォーターボトル

旅先での水分補給は、熱中症を防ぐために欠かせません。軽くて持ち運びやすいウォーターボトルを用意しましょう。飲み皿とボトルが一体になったタイプなら、いつでも手軽に新鮮な水を与えることができます。


ペット用ウォーターボトル

ペットカート

人の多い場所や長時間の散策には、ペットカートがあると安心です。愛犬の休憩スペースになるだけでなく、安全確保にも役立ちます。こちらのペットカートは小回りが利くので、賑やかな場所でもスムーズに移動できます。折りたたみ式で持ち運びも簡単です。


ペットカート

ペットスリング

抱っこが好きな犬や、ちょっとした移動に便利なのがペットスリングです。両手が自由になるので、食べ歩きを楽しんだり、お土産を選んだりするときにも重宝します。飼い主と密着できるので、慣れない場所が苦手な子も安心して過ごせるでしょう。


ペットスリング

マナーベルト・マナーパンツ

多くの人で賑わう観光地では、普段以上にマナーへの配慮が欠かせません。万が一の粗相にそなえ、マナーベルトやパンツを着用しておくと安心です。おしゃれなデザインのものを選べば、旅行中のファッションアイテムとしても楽しめます。


マナーベルト・マナーパンツ

まとめ

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本記事では、江戸時代から伝わる「おかげ犬」の物語や、犬連れで満喫する伊勢観光の楽しみ方を紹介しました。

犬のお伊勢参りは、人々の信仰心と温かな心から生まれた文化です。飼い主に代わって犬が旅をし、地域の人々の助けを受けながら伊勢神宮へとたどり着いた物語は、今もなお伊勢の地で大切に受け継がれています。

現代の伊勢には「おかげ横丁」や「わんぱく神社」など、犬連れで楽しめるスポットが数多くあります。歴史に思いを馳せながら、愛犬と共におかげ犬ゆかりの地を訪れてみてはいかがでしょうか。

参考サイト

PET FUN(ペットファン)(参照日:2025-10-03)
https://item.rakuten.co.jp/petfun/r0462pwb/

GARAGE COLLECTION(参照日:2025-10-03)
https://item.rakuten.co.jp/weiwei/pt0016/

snowdrop(参照日:2025-10-03)
https://item.rakuten.co.jp/snowdrop/sd167/

犬の服 RADICA(ラディカ)(参照日:2025-10-03)
https://item.rakuten.co.jp/radica/r4036-1002/

著者情報

白井むぎ

2人の子供を育てながらwebライターのお仕事をしています。
小さな頃から犬や猫のいる生活を送ってきたため、毎日ペットとの触れ合いが欠かせません。
休日に子供を連れて動物園や牧場へ出かけるのも大好きです。

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