犬が食べてもOKな秋の食材を7つ紹介!
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秋は果物やきのこ類など、様々な食材が旬を迎える季節!
せっかくの「食欲の秋」だからこそ、愛犬と一緒に美味しい秋の味覚を楽しめたらうれしいですよね。
まずは、犬が食べても問題ない秋の味覚の食材を紹介します。
愛犬の身体にやさしい栄養素や食べ方なども解説しますので、ぜひ実践してみてください。
りんご
秋のフルーツの代表ともいえるりんごは、子犬からシニア犬まで愛犬の年齢関係なく楽しめる食材です。
ペクチンという水溶性食物繊維が入っているので、愛犬の腸内環境を整えてくれますよ。
ほかにも抗酸化作用があるポリフェノールやビタミン類、カリウムなども含まれているため、老化予防や疲労回復などといった愛犬の健康サポートにおすすめです。
甘い香りに加えてシャキシャキと軽い食感から、愛犬のおやつとしても人気ですよ。
なお、りんごの芯や種には中毒や閉塞のリスクがあるため、与える際にはしっかり洗ったうえで皮や種、芯の部分は必ず全て取り除くのが鉄則!
分量は体重が2~5kgの小型犬あれば多くて67g、6~15kgの中型犬なら多くて153g程度が目安です。
食べているときに愛犬がりんごを喉につまらせないように、小さく刻んで与えるのがおすすめですよ。
かぼちゃ
秋に旬を迎える野菜の一つであるかぼちゃは、食欲がない愛犬の食事にも取り入れられる食材です。
不溶性食物繊維が含まれており、水分を含んで腸内のぜん動運動を起こすので、便秘の時などに与えることがおすすめです。
またβカロテンは、皮膚や粘膜の健康をサポートするほか、ウィルスや細菌などへの抵抗力を高めてくれます。
適度な甘さもあるため、食欲がないときにフードへ混ぜたり、おやつとした与えたりするのもよいでしょう。
ただし、与える際には必ず種や皮を取り除き、茹でたり蒸したりして柔らかくしてから与えてください。
また野菜の中でもかぼちゃは、カロリーが高い傾向にあるため、カロリーがオーバーしてしまうことも少なくありません。
そのため、1日の摂取カロリーの10%になるよう、量には十分配慮しましょう。
しいたけ
きのこ類の定番といえるしいたけは、愛犬の免疫力アップをサポートするうれしい秋の食材です。
特に不溶性食物繊維が多く含まれており、愛犬の胃腸の調子を整えるとともに便秘予防にも効果があるとされています。
またきのこ類に含まれるβグルカンは免疫系の細胞を活性化させ、病気に対する抵抗力や免疫力を高める効果も期待できますよ。
栄養豊富でありながら100gあたり25キロカロリーと低カロリーな食材でもあるため、愛犬の栄養サポートとしても適しているでしょう。
なお不溶性食物繊維が多いということは、愛犬の体内で消化されにくい食材でもあります。
食べすぎてしまうと、腸内環境をかえって悪くしてしまう可能性がある点には注意してくださいね。
一口サイズにカットしたものであれば、小型犬の場合、3欠片程度に留めましょう。
実際に与える際は軸・石づき部分は取り除き、加熱したうえで細かく刻んで与えるのがおすすめです。
干ししいたけについては、硬くて喉に詰まらせる可能性があるため水で戻しておくことを忘れずに!
栗
代表的な秋の味覚の一つといえる栗は、愛犬の体の代謝をサポートするビタミンC、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンEを含んでおり、おやつとしても人気の食材です。
ビタミンCは、鉄分の吸収促進やホルモン代謝のサポートのほか、抗酸化作用が期待でき、犬の老化防止になるでしょう。
なお、生の状態だと消化不良を起こしてしまう可能性があるため、必ず茹でて柔らかくしてから与えてくださいね。
実際に与える際には、犬が呼吸困難を引き起こす恐れのある、外側にある硬い「鬼皮」と内側の毛羽立った「渋皮」の両方を必ず剥き、細かく砕いて与えることも大切です。
与える量については体重が5kg未満の小型犬であれば1個、15kg未満の中型犬であれば2~3個、25kg以上の大型犬であれば3~7個が目安です。
さつまいも
秋になると焼き芋として楽しむ人も多いさつまいもは、主成分の炭水化物が愛犬のエネルギー源になるとともに、健康をサポートする効果も期待できる食材です。
その他、Bカロチンが持つ抗酸化作用、血圧を下げるカリウムの補給などの効果もあります。
また、食物繊維も豊富であるため、愛犬の腸内環境を整えて便秘の解消をサポートします。
そのため、食欲が落ちているときや便秘に悩んでいる愛犬の食事やおやつとしても適しているでしょう。
生のままだと消化しにくいため、実際に与える際には蒸す・焼くなどをしてしっかり加熱することが大切!
一口大にカットしてあげると、スムーズに食べやすいでしょう。
与える分量は体重5kg未満の小型犬で輪切り15~30g程度、15kg以下の中型犬で34~68g程度です。
50kgまでの大型犬については、84~167gを目安にするとよいでしょう。
梨
梨はりんごと並んで秋を代表するフルーツ。愛犬にとっては水分補給や食物繊維などの効果が期待できる嬉しい食材です。
全体の約9割が水分であり、食欲がないときの脱水症状を防ぐ、水分の補給に役立ちますよ。
また、体のあらゆる組織を健康に維持するカリウム、疲労回復に役立つクエン酸、リンゴ酸なども含まれています。
一方で、水分が多い食材であるため、大量に与えるとお腹を壊してしまう可能性がある点には注意!
体重4kg未満の犬であれば81g、10kg以下の犬なら152gを目安に、その日の運動量や健康状態に合わせて与える量を調節してくださいね。
なお、与え方は生のままでもOKですが、りんごと同様に皮や芯、種は必ず取り除いてくださいね。
食べすぎを防ぐためにも、一口サイズにカットしてあげることをおすすめします。
鮭
鮭のように、秋に旬を迎える魚のなかにも愛犬と一緒に楽しめる食材があります。
鮭は筋肉や骨の成長を助けるタンパク質やビタミン類が豊富に含まれており、愛犬の健康をサポートする効果が期待できますよ。
特にオメガ3脂肪酸は血液の循環を整える効果があるため、心臓が心配な犬の食事にもおすすめです。
なお、生の状態ではアニサキスなどによる食中毒リスクがあるため、与える際には必ずしっかり加熱するようにしてください。
骨は必ず取り除き、細かくしてから食べさせてあげてくださいね。
分量については、1日の適正カロリーの約10%以内までの分量に留めましょう。
要注意!犬に与えてはいけない秋のNG食材とは?
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秋に旬を迎える食材のなかには、飼い主さんにとっては美味しいものでも、愛犬にとっては健康リスクにつながる可能性があるものも!
ここからは、秋の食材のうち、犬に与えてはいけない食べ物について解説します。
ぶどう(レーズンを含む)
ぶどうは秋に旬を迎える代表的なフルーツの一つですが、犬に与えると中毒症状を引き起こす可能性があるため与えてはいけません。
実際にぶどうを与えた犬がブドウ中毒による肝機能障害が発生したという報告がありますが、直接的な原因は明確になっていません。
ちなみにパンなどのトッピングに使われるレーズンについても、ぶどうを原材料としているためNG。
生のぶどうよりも水分が少ない分、ぶどうの成分が凝縮されているため犬に与えるのは危険とされています。
イチジク
上品な甘さが特徴のイチジクですが、犬の場合はアレルギー症状や皮膚の炎症といった健康リスクにつながるため与えないようにしてください。
イチジクの皮や果肉にはフィシンとソラレンという成分が含まれており、これらが犬の体内に入ると嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こす可能性があります。
また、ゴム素材のおもちゃなどで遊んでいる際に皮膚がかゆくなったり赤くなったりする症状、所謂ラテックスアレルギーを持つ愛犬の場合も要注意!
イチジクの成分が天然ゴムの成分に似ていることから、犬が食べてしまうとアレルギー反応が出てしまうこともあります。
銀杏(ぎんなん)
銀杏は秋の紅葉として人気のイチョウから採れる種であり、刺激的なニオイが特徴の食べ物です。
おこわや茶わん蒸しなどに使う食材として有名ですが、犬の場合はけいれん・意識障害などの重大な健康リスクの原因となるためNGとされています。
銀杏の実にはメチルピリドキシンという成分が含まれており、犬の体内に入ることで嘔吐や下痢、めまいや痙攣、呼吸困難を起こし、命の危機につながる危険性があります。
メチルピリドキシンは熱に強いため、加熱調理をしても健康リスクは軽減できないため注意してくださいね!
また銀杏の皮にはギンコール酸という成分があり、愛犬が踏んでしまうと皮膚のかぶれなどの炎症を起こすことも少なくありません。
特に秋の紅葉の時期になると、イチョウ並木の下に銀杏が落ちていることも多くあります。
銀杏の独特のニオイが気になって近寄ってしまう犬も多いため、散歩中に愛犬が誤って飲み込んだり踏んづけたりしてしまうことも!
そのため銀杏については秋の食材を与えるときだけでなく、散歩ルートから外すことなども考えてあげてくださいね。
秋の食材を愛犬に与えるときのポイント
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秋の食材を愛犬を一緒に楽しむ際には、ポイントをおさえた与え方をすることで愛犬の健康リスクを抑えながら美味しく堪能できるようになります。
ここからは、秋の食材を愛犬に与えるときのポイントについて注意点とともに解説します。
食物アレルギーに注意する
一般的に愛犬が食べても問題ないとされている食材であっても、愛犬が食物アレルギーを持っている場合は健康リスクにつながる可能性があります。
犬のアレルゲンとして多く取り上げられるのは牛肉や小麦、大豆などがありますが、愛犬によって種類や症状の強さは異なります。
そのため、実際に食材を与える前には必ず愛犬に食物アレルギーがないかをチェックしてくださいね。
「うちの子はアレルギーがあるのか分からない…」という場合は、動物病院に相談したうえでアレルギー検査を行うことをおすすめします。
初めて与えるときは少量だけにする
秋の食材を初めて愛犬に与える場合、一度に多量に摂取すると体調を崩したり、アレルギー反応が出てしまったりすることがあります。
そのため、初めて与える食材については目安量よりも少なめに調整することが大切。
また、与えて大丈夫かどうかを動物病院にあらかじめ相談してから与えるとより安心ですよ。
フードとの栄養バランスを考えて与えることが大切
栄養豊富な秋の食材とはいえど、そればかり食べていると肥満や栄養バランスの崩れなどにつながる可能性があります。
そのため、愛犬の年齢や体重だけでなく普段のドッグフードのカロリーや栄養素をチェックしたうえで、栄養のバランスがよくなるように量を調節してくださいね。
人用に加工されているものは避ける
秋の食材が使われている加工品・グルメはたくさんありますが、人用に加工されているものは愛犬にとって塩分や糖分などが多すぎる傾向にあります。
そのため、食材はできるだけシンプルな状態で与え、人用に加工されている食べ物は避けることをおすすめします。
愛犬と一緒に美味しい秋の食材を楽しもう!
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秋は多彩な食材が美味しくなる季節!その日の体調や栄養バランスに合わせて、愛犬にぴったりな秋の食材を選んであげることが大切です。
本記事で紹介した食材や与え方、与える際のポイントや注意点などを踏まえたうえで、愛犬と一緒に秋の味覚を楽しんでくださいね。
著者情報

西野由樹
生粋の犬好きなフリーランスWebライター。執筆のお供はコーヒーと愛犬のマルチーズ「こたろう」。
やんちゃな愛犬にちょっかいを出されつつ、今日も実体験・調査に基づいた執筆で、読んで楽しい記事づくりに勤しむ。