猫が吐いた原因について解説
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まずは、猫が吐いた原因をご説明します。
猫といっしょに生活をしていれば一度は吐いた姿を目にしたことがあるでしょうが、原因を知ることで正しい対処ができるようになるはずです。
自分の被毛を飲み込んだ
猫は自然に毛玉を吐く生物ですので、猫が毛玉を吐いたからといって、心配する必要はありません。
猫の舌はザラザラしており、小さな突起があります。
これにより、猫は自分でグルーミングを行います。
また、グルーミングの過程で被毛を舐めてしまい、それが原因で定期的に毛玉が吐かれることがあります。
通常、飲み込まれた被毛は排泄物と一緒に排出されますが、時には被毛の量が多い場合には胃の中で毛玉として吐き出されることもあります。
食べすぎ
猫が吐いたのは、食べすぎが原因かもしれません。
猫の食べすぎで吐くのは、嘔吐物を見ればわかります。
フードの形を保ったままの嘔吐物であれば、食べて未消化のフードということになります。
しかし、食べすぎといっても大量のフードを食べたことだけが原因ではなく、早食いも原因のひとつです。
フードが胃に到達する前に吐くため、嘔吐ではなく吐出ということになるでしょう。
病気
もしかしたら、猫が吐いたのは病気が原因かもしれません。
詳しい病名については後述しますが、胃や腸、泌尿器などの病気の症状のひとつで、猫が嘔吐している可能性があります。
猫が吐いた時に考えられる病気とは?
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猫が吐いたのは、病気である可能性もゼロではありません。
次に、症状として嘔吐がみられる病気をご紹介します。
感染症
猫が吐いた時に考えられる病気として、感染症が挙げられます。
感染症といってもいろいろなものがありますが、細菌やウイルスによって生じるため、猫が発症してから気が付くことがほとんどです。
猫が嘔吐する感染症を挙げると、パルボウイルスがあります。
パルボウイルスは白血球系の細胞を減少させるウイルスで、嘔吐のほかに下痢や食欲不振などの症状がみられるでしょう。
また、パルボウイルスは発熱などの症状もあり、飼い主としては気が付きやすいはずです。
ちなみに、細菌ではサルモネラ菌による細菌性腸炎なども挙げられます。
細菌性腸炎によっても、猫の嘔吐はみられるでしょう。
なお、これらの細菌やウイルスなどの感染症は、ほとんどがワクチンによって事前に対策することが可能です。
膵炎
膵臓に炎症が起こる膵炎も、症状のひとつに嘔吐があります。
嘔吐以外には食欲不振や脱水症状、下痢などがありますが、発症の原因はわかっていません。
ちなみに、人間が膵炎を発症すると激しい痛みが伴うためすぐに気が付くことができますが、猫の膵炎は痛みを生じることが少ないため、発見が遅れる傾向にあります。
炎症性腸疾患
炎症性腸疾患は、胃や小腸、大腸の粘膜内に慢性炎症が起こる病気です。
この病気もはっきりと原因がわかっておらず、慢性的に嘔吐や下痢などの消化器症状が現れます。
また、初期症状では嘔吐や下痢などがみられますが、病気が進行すると食欲不振や脱水症状、体重減少などがみられるようになるでしょう。
原因がわかっていないため予防も難しく、一度発症すると治療も半年以上かかることが多い病気です。
腫瘍
猫の嘔吐は、腫瘍が原因となっていることもあります。
胃や消化器の悪性腫瘍によって、嘔吐が引き起こされている可能性もあるでしょう。
ちなみに、腫瘍が原因となっている嘔吐は、血が混じっているため、ピンクや赤っぽい嘔吐物を吐きます。
猫が吐いたもの別の対処方法
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猫が吐いたものによっては、早急な対処が必要になることもあるでしょう。
最後に、猫が吐いたもの別の対処方法を解説します。
毛玉
先述したように、猫は定期的に毛玉を吐きます。
そのため、猫が毛玉を吐いたとしても問題はないでしょう。
しかし、注意しなければならないのが、頻繁に毛玉を吐きだす場合です。
猫が頻繫に毛玉を吐きだすと、胃炎や食道炎、脱水の原因になります。
日頃から猫が被毛を飲み込まないようにするために、定期的にブラッシングをすることで対策に繋がるはずです。
また、毛玉ケア用のフードを与えるのも、猫の毛玉対策には効果が期待できます。
ちなみに、猫が排泄物のようなものを吐くことがありますが、それは排泄物ではなく毛玉かもしれません。
黄色や透明の液体
猫が黄色い液体を吐いた場合は、胆汁である可能性があります。
また、透明な液体を吐くこともありますが、黄色い液体や透明な液体は、空腹やストレス、胃腸運動の低下などが原因であることが多いです。
フードの時間が決まっている場合は、寝る前に軽く食事をさせてあげるなど、空腹である時間を短くしてあげる必要があるでしょう。
また、ストレスを抱えないように、定期的に猫とコミュニケーションをとることも大切です。
ピンクや赤色・茶色の嘔吐物
猫がピンクや赤色、茶色の嘔吐物を吐いた場合は、胃や食道、口腔内からの出血が考えられます。
また、悪性腫瘍である可能性も否定できないため、猫が赤っぽい嘔吐物を吐いた場合には、早急に獣医師に診せる必要があります。
緑色の嘔吐物
猫が緑色のものを吐いた場合は、部屋に置いてある植物を見てみましょう。
もしかしたら、猫は観葉植物を飲み込んだため、嘔吐物も緑色になっている可能性があります。
また、濃縮された胆汁を吐いたことも考えられることから、内臓のトラブルがないかも疑う必要があるでしょう。
ちなみに、猫にとって危険だといわれている植物は700種類以上あるため、嘔吐以外の中毒症状が現れていないかもチェックしなければなりません。
もしも猫に嘔吐以外の症状もみられる場合は、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
猫は定期的に吐く動物
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猫は自分でグルーミングをするため、被毛を飲み込んでしまい定期的に毛玉を吐きます。
嘔吐物が毛玉であればそこまで心配する必要はなく、黄色や透明な液体を吐いた場合も、空腹などが原因である可能性が高いことから、慌てなくても良いでしょう。
しかし、ピンクや赤みがかったもの、緑色の嘔吐物を吐いた場合には注意が必要です。
ピンクや赤みがかった嘔吐物は出血である可能性が高いですし、緑色の嘔吐物であれば猫にとって危険な植物を食べたことによる中毒症状かもしれません。
何にせよ、猫のことを第一に考えるのであれば、猫がいつもと違う様子であれば、早急に獣医師に診せることをおすすめします。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。