猫の「瞬膜」って何?瞬膜に異変がある時に気を付けたい病気も解説

猫には、瞬膜(しゅんまく)という大切な器官があります。
瞬膜というものは聞き慣れないかもしれませんが、さまざまな役目があるため知っておいて損はないでしょう。
この記事では、猫の瞬膜についてや、瞬膜に異変がある時に気を付けたい病気について解説します。 2023年07月27日作成

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猫の瞬膜とは?

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まずは、猫の瞬膜についてご説明します。
瞬膜とは何か、どんな役割があるのかなどを見てみましょう。

目頭の近くにある薄い膜

猫の瞬膜(しゅんまく)とは、目頭の近くにある薄い膜のことをいいます。
日頃から猫の顔をじっくりと見ない限りは、瞬膜の存在に気が付くことはないでしょう。
基本的に猫の瞬膜は、目頭から少し見える程度にしか出ていません。

ちなみに、まばたきをする時に一瞬だけ瞬膜が見えるため、瞬膜と呼ばれています。
また、人間はまぶたが発達していることから瞬膜は退化してありませんが、瞬膜の名残のようなものはあります。

猫の瞬膜の役割

猫は人間と異なり、まつ毛が上にしかありません。
そのため、瞬膜はまつ毛に代わり目を乾燥やホコリから守る役割があります。
また、外敵からの攻撃に対しても、瞬膜により目を保護することができるでしょう。

猫の瞬膜に起こる異変

猫の瞬膜は通常であれば目頭の近くで隠れているため、少ししか見えません。
しかし、まれに瞬膜が常に見えている状態になることがあります。
これは、何らかの原因により猫の瞬膜に異変が起こったサインです。
詳しい原因は後述しますが、猫の瞬膜が常に見えている状態になったら、すぐに対処しなければなりません。

猫の瞬膜に異変がある時に気を付けたい病気

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猫の瞬膜は、まれに異変が起こることがあります。
異変が起こった時には、これらの病気を疑ったほうが良いかもしれません。

猫の瞬膜に異変が起こる原因

まずは、猫の瞬膜に異変が起こる原因について知っておきましょう。
猫の瞬膜に異変が起こるのは、いくつかの原因が考えられます。

ひとつは、目に異物が入り込んだことによる瞬膜の損傷です。
目に異物が入り込むことで、目が炎症を起こしているのかもしれません。

また、猫同士の喧嘩により目が傷つくこともあるでしょう。
強いストレスを感じることで瞬膜が突出してしまうこともあります。
ほかにも、詳しくは後述しますが、さまざまな病気により瞬膜が突出することもありそうです。

結膜炎

猫の瞬膜が突出しているのは、結膜炎が原因かもしれません。
結膜炎とは、白目やまぶたの裏に炎症が起こる病気です。
炎症が起こると腫れて、瞬膜がうまく収納できなくなることがあります。
猫の結膜炎は、片目の瞬膜だけ突出しているなど、わかりやすいでしょう。

感染症

猫が瞬膜を突出させる時は、猫風邪や寄生虫などの感染症を疑う必要もあります。
一部の感染症では目の腫れが起こるため、瞬膜が突出してしまうのでしょう。
ちなみに、感染症や寄生虫による瞬膜の突出は、同時に両目に起こるのが特徴です。

ホルネル症候群

あまり聞き馴染みのない病気ですが、ホルネル症候群という病気が猫の瞬膜を突出させている原因かもしれません。
ホルネル症候群とは、交感神経の障害により目やその近辺にトラブルが起こります。
猫がホルネル症候群を発症する原因は、頭部や胸部の外傷、中耳炎、椎間板ヘルニアなどさまざまです。
多くの場合は、原因が特定できません。
もし、猫がホルネル症候群を発症した場合は、瞬膜の突出のほかに、眼球陥没や上のまぶたが下がってくるなどがみられます。

チェリーアイ

チェリーアイは、正式名称を大三眼けん腺脱出といいます。
瞬膜の裏側にある腺が炎症を起こして赤く腫れあがった状態を、チェリーアイと呼びます。
ちなみに、赤く腫れあがった瞬膜がサクランボに似ていることから、チェリーアイと呼ばれるようになりました。
チェリーアイはペルシャなどに多くみられて先天性の場合もありますが、外傷が原因であることが多いです。

猫の瞬膜に異変がある時の対処方法

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最後に、猫の瞬膜に異変がある時の対処方法をご紹介します。
猫が健康を維持できるように、飼い主としてできる限りのことをしましょう。

短時間様子を見る

猫の瞬膜に異変がある時は、しばらく様子を見てみましょう。
数時間程度で治まるようであれば、問題ありません。
しかし、長時間瞬膜が突出した状態が続く場合は、猫の身体に何らかの異常が起こっている可能性があります。

動物病院へ連れて行く

猫の瞬膜に長時間以上がみられる場合は、一度動物病院へ連れて行きましょう。
動物病院では、視診や顕微鏡検査、眼圧検査などを行い瞬膜に異変が起こっている原因を特定します。
また、必要に応じてCT検査や超音波検査、MRI検査を行うことがあるでしょう。
瞬膜の異変は原因を特定することが大切で、原因に合わせた治療を行います。

目薬を使用する

猫が結膜炎により瞬膜が突出しているのであれば、目薬を点眼しましょう。
猫用で結膜炎などの炎症に対応した目薬は、多くのものが販売されています。
もし、猫に目薬を使用する際は、正面から近づくのではなく猫の後ろ側から差してあげましょう。
正面から近づくと猫は怖がるため、後ろ側からのほうが落ち着いて点眼できるはずです。

ちなみに、目薬はかならず猫用のものを使用しましょう。
当然ながら人間用の目薬は人間のために作られており、猫にとって刺激が強いかもしれません。
また、想定外の副作用が出る可能性もあります。
そのため、猫の瞬膜に異変が起こった時に目薬を使用する際は、人間用ではなく猫用のものを使用する必要があるでしょう。

猫の瞬膜は大切な器官

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猫の瞬膜は、猫の目を守るための大切な器官です。
人間はまぶたが発達しているため瞬膜はありませんが、上のまぶたしかない猫にとって瞬膜は、異物や猫の喧嘩などから目を守るために大いに役立ちます。
しかし、結膜炎や外傷により、瞬膜に異変が起こってしまうこともあるでしょう。
そんな時には落ち着いて、しばらく様子を見ます。
猫用の目薬を使用するのも良いでしょう。
もしも長時間猫の瞬膜に異変が起こっている状態が続くのであれば、一度獣医師に診せることをおすすめします。
瞬膜に異変は目の痛みにも繋がるため、なるべく早めに対処してあげましょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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