犬には上下関係という概念はない?犬と信頼関係を築くコツ

昔から、犬は家族やほかの動物に順位付けをするなど、上下関係の概念があるといわれてきました。
しかし、現在は犬には上下関係の概念はなく、家族やほかの動物との信頼関係があるだけだといわれています。
この記事では、犬に上下関係があるといわれていた理由や、犬と信頼関係を築くコツについて見ていきましょう。 2021年12月27日作成

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犬に上下関係の概念があるといわれていた理由

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なぜ、昔から犬に上下関係の概念があるといわれていたのでしょうか?
まずは、その理由についてご説明します。

オオカミの祖先と考えられているから

犬の祖先はオオカミであると、昔から考えられていたことです。
群れで生活をするオオカミの上下関係は厳しく、リーダーの許可がなければ下位のオオカミは食事をすることも許されなかったといいます。
このことから、オオカミの血を引く犬も上下関係という概念があったといわれているのでしょう。
しかし、人間が研究をしていたオオカミは野生とは異なる環境であったため、その研究の結果も何ら意味のないものだと考えられています。
研究ではオオカミの上下関係のことを調べるために限られた食事しか与えられなかったことから、オオカミは生き延びるために食事の奪い合いをしなければならなかったのでしょう。

野生のオオカミは家族同然

人間の与えられた環境で生活をしているオオカミは食事の奪い合いが発生しましたが、野生のオオカミは家族同然に支え合って生活をしていました。
群れで生活をするオオカミには父や母のような存在がおり、私たち人間と同じような関係性であったといわれています。
これらのことから、オオカミと同様犬にも上下関係はないと考えが変わったのでしょう。

犬は家族を順位付けしない

犬は家族を順位付けすると聞いたことがある人は、多いはずです。
これはオオカミの上下関係と同様に、何の根拠もないことといえます。
犬は、家族を順位付けするわけではありません。
どちらかというと、「自分の世話ができるかどうか」で分けています。
父親や母親であれば犬の食事や散歩ができるでしょうが、幼い小学生の子どもなどは一人でそこまでできません。
それらのことを踏まえて、犬は自分の世話ができる人の言うことを聞いているだけです。
そのため、子どもが中学生や高校生になって犬の世話ができるようになった途端に、言うことを聞くようになる犬も多くいるでしょう。

犬と飼い主の信頼関係の確認方法

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飼い主としては、愛犬とどれだけ信頼関係を築くことができているか気になる人も多いでしょう。
次に、犬と飼い主の信頼関係の確認方法をご紹介します。

犬とアイコンタクトが取れるか

犬と飼い主の信頼関係の確認方法としてはじめに挙げられるのが、犬とアイコンタクトが取れるかどうかという点です。
犬は、信頼している人のことを目で追い、「いつ指示をくれるのか」「いつ話しかけてくれるのか」をチェックしています。
逆に、信頼していない人のことは、「この人といても期待はできないな」と、目を見てくれることは少ないです。
これは例えるなら、人見知りの子どもが目を合わせてくれないのと同じような感覚でしょうか。
散歩中や家にいるときに、犬が期待しているような顔でアイコンタクトを取ってくるようであれば、犬は飼い主のことを信頼しているといえるでしょう。

犬がリラックスしているか

犬が飼い主のことを信頼しているのであれば、いっしょにいるときにリラックスしているはずです。
逆に、「いつ叱るかわからない」など、緊張感のある人といっしょにいるときには、犬がリラックスしている表情を見せることはないでしょう。

犬にコマンド(命令)を出したらすぐに反応するか

犬のしつけは、すべてコマンド(命令)を出す必要があります。
簡単なしつけでいえば、「おすわり」や「伏せ」などでしょう。
それらのことが問題なくできているからといって、犬と信頼関係が築けているわけではありません。
信頼関係が築けているかどうかは、まわりに多くの魅力があるときにわかります。
例えばドッグランなどのほかに多くの犬や人が楽しそうに走り回っている環境で、犬のことを「来い」や「おいで」などで呼び戻してみましょう。
犬が遊びに夢中になっているときにも、一目散に飼い主の下へ犬が帰ってきた場合には、信頼関係が築けているといえます。

フレンドリーで攻撃的ではないか

犬が飼い主に向かってお腹を出してくるのであれば、信頼関係がある程度は築けているといえます。
逆に、飼い主に向かって唸ったり噛んだりする場合には、残念ながらまったく信頼関係は築けていないといえるでしょう。

犬と信頼関係を築くコツは?

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最後に、犬と信頼関係を築くコツをご紹介します。
これらのことを実践して、愛犬と本当の意味でのパートナーになれるように努力しましょう。

飼い主主導で行動する

犬との信頼関係を築くためには、飼い主が主導で行動することが大切です。
犬から吠えられて「散歩に行きたいの?」などと散歩に行くのは、犬が主導になっているため立場が逆転してしまいます。
そうではなく、飼い主の行きたいタイミングで散歩に行き、食事を与えましょう。
そして、散歩コースもすべて飼い主が決めてしまいます。
飼い主主導で行動をすることにより、犬は「この人についていけば大丈夫」と安心して飼い主についてくるようになるはずです。

犬にストレスを与えない

犬との上下関係を明確にするようなリーダーウォークも効果的ではありますが、厳しいしつけは本当の意味での信頼関係にはなりません。
大切なのは、犬がストレスを感じずに生活をしているかどうかです。
それは犬を甘やかすという意味ではなく、突然大きな物音を立てないなど、普通に生活をする上でのストレスを与えないことが大切です。
もちろんしつけをする上で叱ることもあるでしょうが、普段の生活をしているときにそのような緊張感は必要ありません。
「しつけはしつけ」と普段の生活とのメリハリをつけることも、犬と信頼関係を築く上でのコツといえるでしょう。

犬と信頼関係を築くのはお互いが生活しやすくするため

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昔からいわれていたように、犬には家庭内の上下関係や順位付けはありません。
あるのは、「この人は自分の世話をしてくれるかどうか」という点だけです。
大切なのは、犬と飼い主がお互いに気持ちよく快適に生活ができるようにすることです。
そのためには、やはり信頼関係が大切になります。
犬との信頼関係を築くために、私たち飼い主がしっかりと犬を精神的に引っ張ってあげましょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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