猫カビってどんな病気?皮膚糸状菌症の症状や原因を解説

猫の皮膚に円形の脱毛が見られた場合には、猫カビを疑う必要があります。
猫カビの正式名称は皮膚糸状菌症や皮膚真菌症ですが、わかりやすいように猫カビの通称で呼ばれることが多いです。
この記事では、猫カビの症状や原因、対処方法などについて解説します。 2022年01月05日作成

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猫カビの症状

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まずは、猫カビの症状について見ていきましょう。
猫にとって辛い症状も現れるため、なるべく早めに対処することをおすすめします。

円形に脱毛する

猫カビを発症すると、特定の部位が円形に脱毛します。
症状の初期段階では、飼い主が気付くことも少ないでしょう。
しかし、突然猫の被毛が束になって抜けるため、そのタイミングで猫の脱毛に気が付くはずです。
脱毛しやすい部位は顔まわりや足、尻尾などに多く見られますが、同時に数か所の脱毛が見られることもあるため、注意しなければなりません。

痒み

猫カビの症状として、痒みが見られることもあります。
そこまで強い痒みではないですが、猫は1日の多くを寝て過ごすため、痒みに気を取られてゆっくりと寝ることができなくなってしまうでしょう。

フケ

猫カビの症状は、フケが出ることもあるでしょう。
脱毛した部位のまわりにフケが出ることが多く、症状が進行するとフケと同時に患部のかさぶたや赤みなども見られます。
そのまま放置していると細菌の二次感染や全身の脱毛が起こる可能性があるため、早めに対処しなければなりません。

猫カビによって命に関わることは少ない

猫カビが原因で、猫の命に関わることはないといってもよいでしょう。
しかし、猫カビの発症によりほかの病気が併発することも考えられるため、楽観視してはいけません。

無症状

猫によっては、原因である真菌が付着していても無症状であることがあります。
多くの猫の身体には真菌が棲みついていますが、猫の身体に付着しているだけで感染はしていません。
症状が出るのは、真菌が猫に感染したときです。

猫カビの原因

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次に、猫カビの原因についてご説明します。
原因がわかっていれば、正しい予防もできるはずです。

真菌の感染

猫カビは、正式名称の皮膚糸状菌症や皮膚真菌症のとおり、真菌の感染によって発症します。
真菌の感染経路はさまざまですが、猫カビを発症した猫との接触や感染したほかの動物の抜け毛やフケでも感染するため、注意が必要です。
また、真菌が付着したタオルやブラシなどからも感染することがあります。
飼い主が猫カビを発症した猫を触って帰宅して、真菌を自宅に持ち込んでしまうこともあるでしょう。

猫カビを発症しやすい猫

猫カビは、真菌が付着した猫のすべてが発症するわけではありません。
特に発症しやすいのは免疫力の弱い猫で、子猫やシニア猫などが挙げられるでしょう。
また、ほかの病気を発症している猫も、体力の低下により真菌に感染してしまうこともあります。
長毛の猫も、真菌が増殖しやすいため注意が必要です。

猫カビの対処方法・予防方法

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最後に、猫カビの対処方法をご紹介します。
併せて、予防方法も見ていきましょう。

動物病院へ連れて行く

猫カビの正しい対処としては、動物病院へ連れて行くことです。
獣医師に診てもらい正しい治療をしてもらうことで、猫カビは完治することが期待できるでしょう。
また、猫カビと併せてほかの病気も発症していないかの検査をすることもできます。
治療では、塗り薬や飲み薬を使用しますが、定期的に薬用シャンプーを使用した治療も行います。

猫カビの治療中は、猫の被毛をすべて剃る、毛刈りを推奨されることもあるでしょう。
これは、薬用シャンプーの浸透がよくなるほか、塗り薬の効果も期待しやすくなります。
毛刈りをすると猫の被毛が再度生えてくるか心配になるでしょうが、完治をすればしっかりと被毛は生え揃えてくるため、心配する必要はありません。

猫カビの治療は長い期間がかかる

猫カビの治療には、通常数か月から半年程度の期間が必要になります。
また、猫カビを完治させるには、1日でも早い発見が大切です。
症状が進行してから治療を進めると、治療中に何度も真菌が感染してしまうループが起こってしまう可能性があるため、猫の被毛に異常が見られたときには、なるべく早く動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

定期的な掃除をする

猫カビを予防するためには、定期的な室内の掃除が大切です。
真菌は、猫の被毛やベッドなどの家具にも多く付着しています。
真菌の感染力は1年以上続くこともあるため、こまめに室内を掃除して、真菌が増殖しないようにする必要があります。
日頃から定期的に掃除をすることはもちろん、多頭飼いの場合はほかの猫にも感染する可能性が高いため、1匹でも発症が確認されたらすぐに掃除をするようにしましょう。

日頃から猫の身体をチェックする

猫カビの早期発見をするためには、日頃から猫の身体をチェックする必要があります。
定期的にブラッシングをするなど、猫の被毛の管理は怠らないようにしましょう。
また、多頭飼いの場合にはブラッシングを共有しないことも大切です。
可能であれば、猫用ベッドなども別々のものを使用するようにして、少しでも猫カビの発症リスクを軽減させることをおすすめします。

高温多湿に気を付ける

真菌は、高温多湿の環境で増殖する傾向があります。
そのため、暑い時期には特に注意が必要です。
可能であれば除湿器などを用意して、猫を湿気から守ってあげることも猫カビに対して効果的でしょう。

猫カビは早期発見が大切

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猫カビは、猫の命に関わるものではありませんが、皮膚の痒みや脱毛など猫にとって辛いことがあるため、早めに対処する必要があります。
治療中に毛刈りを行わなければならないのは、寒さに弱い猫であれば酷なので、猫カビを発症しないように予防することが大切です。
猫カビを発症させないためには、定期的な室内の掃除や湿度の管理などが挙げられます。
また、多頭飼いの場合にはほかの猫に感染しないようにも、やはりこまめな掃除はとても重要です。
猫カビの早期発見をするために、日頃から愛猫の身体をチェックする癖をつけておくとよいでしょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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