犬の骨格の基本について|人間との違いも解説!

骨格とは、骨と軟骨によって形成される構造のことです。
私たち人間と比べて遥かに身体能力が高い犬は、どのような骨格をしているのでしょうか?
この記事では、犬の身体の土台となる骨格について解説します。 2021年07月20日作成

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犬の骨格の特徴

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まずは、犬の骨格の特徴について見ていきましょう。
骨格について知ることは犬の身体を守ることにも繋がるはずですので、覚えておいて損はありません。

犬の歯は42本

犬は肉食動物であるため、歯はとても大切なものです。
歯は全部で、42本生えています。
ほとんどの犬は顎が長いため、歯が42本生えているといっても窮屈な生え方をしているわけではありません。
それぞれ上下左右に、切歯が3本、犬歯が1本、前臼歯が4本、そして後臼歯が上顎の2本と下顎に3本ずつ生えています。
肉食動物である犬は、それらの歯に加えて肉を噛み切ることのできる裂肉歯が見られます。
この裂肉歯を使って肉を小さく噛み切って、飲み込みやすいサイズにしているのです。

ちなみに、人間の歯の本数は親知らずも含めると32本です。

犬の骨格は走りやすい構造になっている

犬の前肢は、上腕骨という骨が胴体に沿って作られています。
そのため、犬の骨格の作りとしては、横に開くことはできません。
逆にいえば、縦には大きく開くことができます。
前肢の作りから、犬の骨格は走りやすい構造になっているといえるでしょう。

犬は階段の昇り降りがしにくい

後述しますが、犬は人間よりも多くの骨を持っています。
しかし、それらの骨の中には、鎖骨はありません。
鎖骨がないため、前肢を自由な角度にすることは難しくなっています。
前肢を自由な角度にすることができないということは、高い場所を昇り降りするときにもスムーズに進むことができないということに繋がります。
そのため、犬は階段の昇り降りが苦手です。
犬と生活をする際には、なるべく階段などの段差を作らないようにするとよいでしょう。

犬と人間の骨格の違い

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次に、犬と人間の骨格の違いについてご説明します。
骨の数の違いは先述しましたので、それ以外について見てみましょう。

骨の数は人間以上!

まず、私たち人間の骨は、何本あるかご存知でしょうか?
答えは、成人で約206本です。

それに対して犬は、犬種による違いはありますが、約320本もの骨があります。
人間と比べると約1.5倍の骨の数がありますが、この骨の多さが犬の力強い動きを補助しているといっても過言ではありません。
ただし、犬は人間よりも小さな身体で多くの骨を持っているため、それぞれの骨が細かったり小さかったりしています。
つまり、人間と比べると骨折や脱臼をしやすい構造になっているといえます。
そのため、犬といっしょに生活をするときは、犬が怪我をしないように配慮してあげる必要があるでしょう。

犬の骨格の形成期間はとても短い

私たち人間の骨格は、完全に成長しきるまでに15~18年の年月がかかります。
それに対して犬は、小型犬は最短で8ヶ月程度で完全に骨格が形成されます。
大型犬であっても最長18ヶ月で骨格が形成しきるため、人間よりもかなりのスピードで骨格が形成されていることがわかるでしょう。

犬は顎を左右に動かすことができない

私たち人間は、食事をする際は歯を左右にすり潰すようにして食べています。
しかし犬は骨格の構造上、顎を左右に動かすことができません。
そのため、犬は食事をするときには、先述した裂肉歯で肉を噛み切り、丸呑みをしています。
犬の手作りご飯で食材を細かく刻んであげる必要があるのは、犬の顎の構造が理由となっているのです。

犬の骨や関節を守るための対策

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犬は高い身体能力を持っているため、日々の生活で骨や関節に負荷をかけています。
犬の身体に負担をかけないように、日頃からさまざまな対策をする必要があるでしょう。

床の滑り止めをする

犬はフローリングの床を歩くと、滑ってしまいます。
床で滑るのは、犬の骨や関節に少なからず負担がかかっているということです。
そのため、床にカーペットを敷いたり滑り止めスプレーを噴霧したりするなど、床が滑らない対策をしましょう。

肥満にならないように気を付ける

私たち人間もそうですが、肥満になると骨や関節に大きな負担がかかります。
特に犬は肥満になると、椎間板ヘルニアなどの原因にもなるでしょう。
ほかにも肥満は、さまざまな病気の原因になります。
「うちの犬はぽっちゃりで可愛い」と感じることもあるでしょうが、犬の健康を守るためには、適正体重を維持することが大切です。

犬が骨や関節を痛めたときには安静にする

犬は、基本的に多少の痛みであれば元気に走り回ります。
片足を少し引きずるような動作を見せるかもしれませんが、ほかの犬や飼い主と楽しそうに走り回るでしょう。
しかし、犬が骨や関節を痛めたときには、なるべく安静にすることが大切です。
痛みが少し治まったとしてもすぐに無理をすると、症状がいつまで経っても改善されません。

また、犬に痛み止めをすることは避けましょう。
痛み止めは犬の身体を楽にするかもしれませんが、犬が「関節の痛みがなくなった」と勘違いして、ふたたび走り出してしまう可能性があります。

犬の骨格を知ることは、犬の健康を知ることに繋がる

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犬の骨格を知るのは、犬といっしょに生活をしているだけではわかりません。
歯や骨のことを知っておくと、犬の健康を守ることにも繋がります。

犬の顎が左右に動かすことができないことを知れば、おやつを小さくして与えるようになるでしょう。
また、犬の鎖骨がないことを知れば、階段などの段差をなるべく昇り降りさせないように工夫をするはずです。
このように、犬の骨格を知ることは、犬と生活をする上で損となることはないでしょう。
むしろ、犬の身体の不調などをいち早く見つけることができるようになるかもしれません。

犬の長生きを願うのであれば、一度骨格についても知っておくとよいでしょう。

著者情報

けんぴ

若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。

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