犬の血液型は何種類?愛犬の血液型を事前に把握するメリットとは?

「愛犬の血液型を知っていますか?」あなたはこの質問にすぐ回答できるでしょうか。人間の血液型は多方面で話題となりますが、犬はあまり触れられないですよね。そこで今回は、犬の血液型の種類や愛犬の血液型を事前に把握するメリットを紹介します。 2021年04月20日作成

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犬の血液型にはたくさんの種類があります。犬の血液型の種類や人間との違い、愛犬の血液型を事前に把握する重要性について解説します。

犬の血液型は〇種類!?人間の血液型との違いとは?

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人間と犬の血液型の種類は大きく異なっており、人間が「ABO式」なのに対して、犬は「DEA(Dog Erythrocyte Antigen)式」で表されます。

現状、犬の血液型として広く知られている種類は全部で8つあり、それぞれに(+)、(-)があります。
※「現状」としているのは、犬の血液型については現在も研究段階であることから、今後さらに増減する可能性があるためです。

(犬:DEA式)
・DEA1.1
・DEA1.2
・DEA3
・DEA4
・DEA5
・DEA6
・DEA7
・DEA8

犬は人間と異なり複数のDEA(犬赤血球抗原)を持つことが可能です。
人間は「○○さんはA型(ここにRhなどの要素が入ります)」と血液型を表しますが、犬は「○○ちゃんは、DEA1.1(+)、DEA1.2(+)、DEA3(-)~」というように、複数のDEAを含んだ複雑な血液型となります。

ちなみに猫の血液型は「AB式」で、A型・B型・AB型が主流だと考えられています。

愛犬の血液型を調べる方法は?

愛犬の血液型を調べる方法として最も信頼がおけるのは、やはり動物病院での検査です。
かかりつけの獣医師がいるのであれば相談してみてもよいでしょう。

一般的な血液型の検査は、DEA1.1の(+)・(-)のみを判定するものになります。
※理由は後述する「輸血」に関係してくるため、そちらであわせて解説します。

検査にかかる期間や費用は動物病院によって異なりますが、詳細な血液型を知りたい場合は専門の検査センターに依頼する形になるため、期間や費用が通常よりもかかる傾向にあるようです。

愛犬の血液型を知っておくメリット

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愛犬の血液型を事前に把握しておくメリットをいくつか紹介します。

愛犬にあった安全性の高い輸血が受けられる

万が一の病気やケガで輸血が必要となった際に、愛犬に適合した安全性の高い治療が受けられます。

緊急性が高く1分1秒を争うような状態になったとき、適合する血液型を判定する時間はわずかしかありません。

迅速な治療をするためにも、愛犬の血液型は事前に把握しておきましょう。

ほかの犬へ血液を分けてあげられる

ほかの輸血を必要としているワンちゃんに血液を分けてあげられます。
動物医療においても人間の献血と同様に、動物から輸血用の血液を提供してもらっています。

まだまだ日本の動物用輸血に対する認識は発展途上ですから、血液の提供によって、救える命が増えるかもしれません。

犬の輸血が難しい理由

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人間と同じように犬の輸血にも難しい点があります。

犬の輸血に最も大切な要素が、血液型「DEA1.1(+)・(-)」の判定です。

「愛犬の血液型を調べる方法は?」で説明した「一般的な血液型の検査は、DEA1.1の(+)・(-)のみを判定する」というのも、ここに関係してきます。

DEA1.1は誤った輸血をした際の拒否反応が大きいとされており、重大な副作用の発生や最悪の場合は死に至ることもあります。

そのため、動物病院で行う血液型の検査は緊急性なども考慮したうえで、「DEA1.1(+)・(-)」を判定する検査が主流となっているのです。

もちろん、血液の組み合わせに誤りが出ないよう、動物病院ではクロスマッチ(血液適合試験)したうえで治療に活用しています。

動物医療における輸血治療の課題

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日本には人間用の輸血バンクが存在しますが、ペット用の輸血バンクはありません。
海外ではすでにペット用の輸血バンクを運用している国々もあり、まだまだ日本の制度は遅れていると言われています。

ちなみに、動物病院などで必要な輸血用血液をどのように確保しているか知っていますか?動物医療における輸血治療の課題が見えてきますよ。

① 近隣の動物病院と連携する

近隣の動物病院と連携して輸血用血液を確保しています。

しかし、地域によって動物病院の数には差異があるため、血液確保にも格差が生じやすい状態だと言えます。

② 動物病院で飼育している猫や犬から血液を確保する

動物病院には、「供血猫・供血犬」と呼ばれるネコちゃんやワンちゃんを飼育しているところがあります。

健康な供血猫・供血犬から血液を分けてもらうことで、輸血を必要としている別の命を助けています。

ですが、動物たちの体調を考慮したうえで血液の採取をする必要があることから、必要分を確保するのは難しいです。

③ 献血に協力してくれるボランティアがいる

ボランティアで献血に協力してくれる動物たちから血液を分けてもらうケースです。

主に動物病院で行われており、受診した飼い主さんへ病院側からお願いする場合やホームページでドナーを呼び掛けていることもあります。

献血ボランティアとして登録するための条件や、献血を行った犬が一時的な貧血となるリスクもあることから、あまり制度として浸透していないのが実状です。

いざというときのためにも愛犬の血液型は調べておきましょう

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犬の血液型の種類や輸血の難しさについて解説してきましたが、どう感じましたか?
「うちの愛犬は元気だから関係ないかな」と思った飼い主さんもいるのではないでしょうか。

愛犬の血液型を把握しておくことは、愛犬の命を守るだけなく、生まれてくる子犬やほかの輸血を必要としているワンちゃんを助ける可能性を高めてくれます。

いざというときはいつ訪れるかわかりません。
情報は必ず武器になりますから、愛犬を守るひとつの手段として、血液型は事前に確認しておくようにしましょう。

参考サイト

楽天ペット保険(参照日:2021/3/18)
https://www.rakuten-ssi.co.jp/

日本動物医療センター(参照日:2021/3/18)
https://jamc.co.jp/dog_colum/765/

日本獣医輸血研究会(参照日:2021/3/18)
https://www.jsvtm.org/

著者情報

U.SHOHEI

父親が犬のブリーダーをしていたこともあり子どもの頃から犬に囲まれた生活を送る。

現在は趣味の動物園・水族館めぐりから得た知識をもとに幅広く動物に関する記事の執筆をおこなっている。

得意な生物は、犬・猫・海洋生物・エキゾチックアニマル。

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