猫のできものについて
一口に「できもの」と言っても、原因は様々です。
皮膚の病気、炎症、腫瘍など、治療が必要なものもあれば自然消失する可能性のあるものもあります。
初めは極小さなできものに気付くことでしょう。
何かがそこにあることを認識しておけば、急激に大きくなったりと異常が起こった場合に素早い対応が出来ます。
原因が何であれ、日頃から体を満遍なく触り、できものがないかを確認しておくことは非常に重要です。頭や背中だけでなく、腕や足も撫でるように心がけましょう。
こうしてスキンシップを取れば、猫との絆も深まると同時に、他の異常にも気付けるかもしれません。
また、猫がしきりに体の一部を舐めていたりすると、そこに何かがある可能性があります。いつもと違う何かを感じたら、体をよく観察しましょう。
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猫のできものの分類
できものと呼ばれるものには、いくつかの原因があります。
・腫瘍
増殖速度や浸潤性、転移性により良性と悪性に分けられます。高齢の猫に多いとされていますが、若年でも発生する可能性はあります。
・炎症
何らかの原因により、体内の免疫細胞が集まることで、しこりのようなものが出来ます。腫瘍などのほかの疾患に併発して起こることもあります。
・嚢胞
表皮あるいは皮下に袋が形成され、その中に古くなった角質などが溜まっている状態です。基本的に悪さをすることはなく、良性の腫瘤に分類されます。
・水疱
嚢胞の袋の中に液体が貯留している状態です。液体を抜くことで、できものは消失したように見えますが、すぐにまた溜まってしまうこともあります。
・膿疱
膿疱の袋の中に、好中球の死骸である膿が貯留している状態です。多くは局所の感染によるもので、炎症を併発していることが多いです。
しかし、見た目のみでそのできものの正体を知るのは難しいです。
できものは放っておいても大丈夫か
悪性の腫瘍であれば、言うまでもなく早期の外科手術が望まれます。
しかし良性であっても、できものが発生する部位によっては猫のQOL(生活の質)を落とす原因となります。例えば、脇の下に大きなできものがある場合は歩行の妨げになります。他にも食事の邪魔になったり、呼吸の妨げになる場合もあります。
炎症や膿疱に関しても、痛みや痒みによって猫のストレスになるかもしれません。
引っ掻いたり、擦ったりして状況を悪化させるかもしれません。
見た目での鑑別が困難な以上、敵を知るためにも早く動物病院を受診して検査を受けることをおすすめします。
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できものを見つけたら
まずは、できもののある部位を覚えておきましょう。特に小さいできものは、被毛に隠れてしまって再び見つけるのが困難になることがあります。
どのくらいの期間で、どのくらい大きくなっているのかも把握しましょう。短期間で急激に大きくなっているようなら悪性の可能性が高いです。
また、体の他の部位に同じようなできものがないかも確認しましょう。
できものの位置を把握したら、その色や感触を確かめます。その際、あまりグリグリ触るのは避けましょう。
外からの圧力によって播種性転移を起こす腫瘍もありますし、水疱や膿疱が破れてしまう可能性もあります。また、触ることで猫がそこを気にしてしまい、舐めたり掻いたりすることを防ぐ目的もあります。
猫によっては病院に連れていかれることを拒否する子がいますが、それを差し引いても、できものを見つけた場合は動物病院への早めの受診をしましょう。
万が一、悪性腫瘍だった場合に手遅れにならないように考えてあげましょう。
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UCHINOCO編集部
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